[ものおもいのいとぐち] イースタンユースとナンバーガールの現在地

FAN CLUB(主催:NUMBER GIRL、ゲスト:eastern youth )の配信を視聴した。
存分に浴びたぞ、という充足感ももちろんありつつ、止め処無くいろいろな感情が噴き出てしまった。どこかに書き留めずにはいられなくなってしまったので、ここに記録を残すことにする。

先に演ったイースタンは、変な言い方ではあるが、立派なゲストだったと思う。セットリストもゲストらしい内容だと感じた。『雲射抜ケ声』から、もっとも認知度が高いと思われる『雨曝しなら濡れるがいいさ』ではなく一曲目の『砂塵の彼方へ』を演ったこと。『砂塵の彼方へ』を演ったことで、イースタンがナンバガを意識してつくったという『地下室の喧騒』も演るかも、という期待が一気に高まったこと。そしてその期待が高まっている中で、実際に『地下室の喧騒』を演ったこと。この時点で、もう、なんていいイベントなんだ…と唸っていた。“いいライブ”ではなく“いいイベント”と感じたのは、イースタンがゲストの役割をしっかり果たしていたからなのだと思う。
そして、あとで振り返って感じたのは、この日の彼らのライブは、全体を通して、ひとつの物語のようだったということ。新旧の曲がいいバランスで配置されたセットリストだったが、ふるい曲たちも、皆、新たな意味をもって奏でられていたと感じた。聴こえ方(響く箇所)が、時間の経過とともに変遷していっている、というのは、もともとイースタンの曲たちのひとつの特徴ではあるのだが、この日のイースタンは、なんだか、ひとしお違う感じなのであった。見入りながら、この日この時間は、ひとつの物語であるとともに、彼らの長い長い物語(歩み続けている道)の一部でもあるのだなあ、と、随分感傷的になってしまった。

続いて登場したナンバガは、最後までもつのだろうか、と不安になるくらい、初っ端からアクセル全開だった。しかも、奇跡を目撃しているのでは、と思ってしまったくらい、四人とも全く揺るぎない感じだった。そして、その勢いは衰えることなく最後まで続いたのであった。
ああ、アヒトさんは、もうドラマーじゃなくてドラムそのものだな、一体化してるな、とある時思った。ふと気づくと、中尾さんも田渕さんも楽器そのものだった。そして、向井氏は、向井秀徳が憑依しているひと、といった佇まいであった。「ディスイズ向井秀徳」というのは、そういうことだったんだ、と妙に合点がいったのであった。

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