【①インテリアの背景を調べてみる】04:kitakamiと強度試験 @アンダイの家具
kitakamiシリーズはアンダイがプロデュースする宮城県登米町森林組合の家具で、登米市の広葉樹を使用しています。
家具を製作販売する場合、小さな工房であればその品質を経験値から割り出すのですが、カタログ製品として市場に出すためには品質試験(強度試験)を行うことになります。これは、商品が破損して使用者がケガをしたりしないようにすることが目的となります。
主にテーブルやイス、ソファ等が対象となりますが、無垢材のテーブルやソファに関しては構造が過剰なほど頑丈であるため、イスの試験をかけることにしました。イスは人が直接触れたり座るということもあり、また部材も細いので試験を必須としています。
イスの強度試験はJIS規格でその方法が決まっています。
試験には段階(区分)があり、用途によってその基準は変わってくるのですが、一般の家庭で使うものと比較して不特定多数の人間が使うケースの方が厳しい基準となります。
ただし基準が厳しくなればなるほど、商品のコストが高くなったり形状の制限によって美しいデザインのものができなくなるという欠点もあるため、厳しければ良いとも言えません。
下記はイスの試験の一例です。
試験機関は東京や家具産地を中心にいくつかあります。
産地の期間は検査費用が安かったりするのですが、地元メーカーが優先となります。
kitakamiシリーズのチェアはオフィスや公共施設への納品を考えているため、『区分4』の検査を受けました。
本当は『区分5』が受けられれば良いのですが、試験費用が『区分4』のおよそ倍となり、費用が高すぎるため断念しました。
この結果、ワークチェアも曲木チェアも無事合格しました。
よろしかったらホームページもご覧ください。
https://anda-i.com/category/project/knowhow/
この記事を書いた人【木製家具プロデューサー:鹿野勝則】