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レストランで障害者を罵倒する日本の若者
「何あいつーーーー!!」
「キッショーーーー!!キッショーーーー!!」
「友達おらへんのちゃーーーーん!?」
女子中学生の高笑いが、レストランの店内に鳴り響く。まるで地獄におけるオーケストラだ。
なんのことかと言うと、神岡優一『喜怒哀楽の統合失調症ライフ』(アマゾン・キンドル)でも書いたように、私が19歳だった2002年秋、近所のレストランで1人で食事をしていた時、たまたま統合失調症の症状が出、店内で女子中学生4人組から罵倒されたのだ。
と言うのも、41歳になった現在では症状が落ち着いているとは言え、当時の私は「想像の世界につられて表情が動く」という症状をたびたび呈していたのだ。例えば、にこっと笑ったところを想像しただけで現実世界でもにこっと笑ってしまったり、腹の立つシーンを想像しただけでむすっとした表情をしてしまう。当時の私は1日に数回程度、そのような症状に悩まされていた。
周囲の人間が大人ならジロジロ見られるだけで済んだのだが、女子中学生や女子高校生の集団の前で不運にもその症状が出たら、やはり悪口や罵倒の対象になる。電車内で女子高生集団に罵倒されたこともあった。
私は欧米に旅行で行ったことすらないので想像でしかないが、この「レストランや電車内で障害者を罵倒する」というのは、欧米の人種差別より非道ではないだろうか。アメリカのレストランでは、白人の集団が1人の黒人を罵倒しているのだろうか。
島国で2000年以上単一民族をやってきた日本人は、海外の人種差別問題を「対岸の火事」と見なし、興味を示さない。だが、海外における人種差別と同じかそれ以上に非道な障害者差別、とりわけ精神障害者差別があることを、日本の市井の人は認識するべきだろう。