堀口英利の領収書、初診料算定の謎

2024年5月3日の救急外来で初診料を算定された上で、5月6日の慶応大学病院への入院でも初診料が算定されている。算定のルールから、5月3日の輸血は慶応大学病院ではないと考えます。また、慶應以外の病院に入院していた場合は、退院して第三の病院での輸血を行ったと考えられます。
そうであったとしても慶応大学病院は初診料は算定されないはずで不可思議です。
また、5日間の入院中の食事は7食とみられ、止血処置は行われていない模様、病理診断が行われていることなどがわかります。

初診料とは

初診料というのは医師が患者を初めて診察した時に算定できる、いわば医師の”見立て料”ともいうべきものです。
初診の後の来院からは再診料、一般病床の病床数が200 床以上の病院では外来診療料を算定していくことになります。かぜ治ってまたかぜを引いて来た場合ように一度治癒した場合は初診料が取れます。

5月3日救急外来は慶応大学病院ではない

さて、暇空茜さんがアップした領収書を見ていきます。
まず5月3日の救急外来の768点ですが、
堀口くんが5月3日の0時~6時か夜10時以降に受診したとすれば初診料288+深夜加算の480=768点となり数字が合いますね。
5月3日は憲法記念日ですから休日加算の+250点がありますが、深夜加算と併算定できません。

https://x.com/himasoraakane/status/1870695905973907931

慶應大学病院に入院時の領収書の初・再診料の欄には同様に768点とありますが、これも初診料を算定していますね。

https://x.com/himasoraakane/status/1870695905973907931

まず、初診料を算定していないとすると、入院の場合は外来診療料自体は算定できませんが、5月6日は祝日の振替休日なので休日加算または午後10時から朝6時までであれば深夜加算のみ算定できます。
*初・再診料の通則3によります(ちなみに算定漏れがよくある)
 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000907834.pdf
しかし、休日加算であれば190点、深夜加算でも420点となり数字が合いません。
5月6日も0時~6時か夜10時以降に受診しそのまま入院し、初診料をとったとすると初診料の288点+深夜加算480点で768点となります。

診療報酬点数表の初診料の注5より、ある病気の診療継続中に別の病気で受診したとしても初診料は算定できません。同じ病気ならなおのことです。
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000907834.pdf
ですから、5月3日と6日で慶応大学病院で二回算定しているのは考えにくいのです。

5月3日はどの病院にも入院中ではない自由の身

他の病院に入院中で治療を受けにきた場合は病院同士の合議ですので、慶應大学病院が初診料を請求した可能性はあります。
しかし、その場合は入院している病院に全額請求し、患者には請求しません。
負担割合3割で領収済ということは、その時点ではどこの病院にも入院していなかったのです。
慶応大学病院以外の病院に入院中に輸血を受けた可能性はあるでしょうか。その場合は外来の支払いはなく外来の領収書は出ず、入院の請求に含まれる形になります。
初診料もとれません。初診に引き続いて入院する場合は入院日に初診料を算定できますが、入院中に救急科などを受診したとしても初診料は算定できません。

堀口くんがもし慶応大学病院以外に入院していた場合、少なくとも5月3日は退院し自由の身になり、第三の医療機関で輸血を受けたと考えられます。

そもそも慶應大学病院は堀口くんに初診料をとれないはず

しかし仮に5月3日の救急外来が別の病院でも、慶應大学病院は入院時に堀口くんに初診料は取れないはずなのです。
堀口くんが今年3月Xに投稿した慶応義塾大学病院により発行された2023年8月付の診断書には、潰瘍性大腸炎・全大腸炎型の傷病名で「2023年8月より悪化再度悪化をみとめ、現時点では9月中旬ごろまでの加療を要する」とあります。
潰瘍性大腸炎は寛解であって治癒はしておらず定期的に内視鏡検査でずっとフォローアップしてるわけで、そうするとずっと初診料はとれないはずです。

https://archive.md/y3VqH

なるほど確かに、患者都合で診療を中止し1か月以上経過した場合は初診料を算定できますが、この場合も慢性疾患等明らかに同一疾患と推定される場合は初診として取り扱われません。入院診療計画書では慢性疾患である潰瘍性大腸炎で入院しているのだからやはり無理でしょう。

https://x.com/himasoraakane/status/1870695905973907931

2023年の8月、9月は初診料ではなく外来診療料を算定しています。
2023年の8月某日は初・再診料欄は74点で外来診療料のみです。

https://note.com/____twitte____/n/n4776c0104488

2023年9月11日の初・再診料欄は76点で、外来診療料74点+医療情報・システム基盤整備体制充 実加算の2点と考えられます。
この2点の加算は月1回に限られるので、同年8月に算定していないのは8月は二回目以降の受診だったのでしょうか。

https://x.com/himasoraakane/status/1864721833884623081

このように、ずっと外来診療料を算定していたのに、突如初診料を算定したということは一体何があったのでしょう。
2023年9月以降に潰瘍性大腸炎は誤診と判明し治癒となり、今回やっぱ潰瘍性大腸炎かもしれないと入院し初診料を算定したとでもいうのでしょうか。

5日の入院で食事7回だけ

入院の領収書では食事療養費は3,220円とあります。

https://x.com/himasoraakane/status/1864721833884623081

堀口くんが負担する食費は1食あたり460円だったはずです。非課税世帯の負担額等では割り切れませんから。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31702/1951-254/

ここから、5日の入院で食事は7回だったということになります。
あまり食べられなかったようで、きっとお瘦せになったことでしょう。

入院はなぜ出来高請求か

慶應大学病院はDPC対象病院です。原則として、注射、薬剤や検査料は診断群分類ごとの包括請求となります。これは焼肉の食べ放題コースのようなものです。検査をいくらしようが薬をいくら投与しようがコミコミなので、わが国の医療費の削減していくという制度です。

さて、堀口くんの入院領収書は包括評価料の区分が空白ですので、出来高での請求でした。
例外的に出来高請求となるのは入院後24時間以内に死亡した場合、臓器移植、治験中、そして指定された高額薬剤などがあります。

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000914208.pdf

堀口くんの投稿によればリンヴォック錠を服用しているようですが
https://archive.md/y3VqH
潰瘍性大腸炎にリンヴォック錠を使用した場合は高額薬剤で出来高となりますので、それで説明は一応つきますね。
投薬料もかなり多いですから。

https://bone.jp/dpc/22/060185.html

止血は行われていない

堀口くんは自らの潰瘍性大腸炎を全大腸炎型だとしていますから、内視鏡で止血を行った場合、出血部位が直腸より奥のS状結腸かそれより奥なら、小腸結腸内視鏡的止血術 10,390点。
直腸の出血であれば安くなって内視鏡的消化管止血術 4,600点の算定となります。どちらも手術の算定区分になります。
入院の領収書には手術・輸血の区分が0、外来の領収書には手術の区分に3,030点とありますのでどちらにしても足りません。この救急外来の手術の区分は3,030点はすべて輸血料であったと考えます。
ちなみに慶応義塾大学病院の「手術・輸血」と謎の病院の「手術」という区分の名称の違いからもやはり入院と外来は別の病院だと感じられるのです。
ちなみに、公開された慶応義塾大学病院の施設基準を元に輸血料のパターンを検討してみましたが、10点合いませんでした。何か見落としているのでしょうか、医療事務臣民にお尋ねしたい。

輸血同意書

堀口くんの輸血同意書は慶應大学病院のものではないように思います。
フォーマットおよび輸血の選択肢に濃厚赤血球とあるのが気になります。

https://x.com/himasoraakane/status/1870513159326572712

赤血球製剤の販売名から「濃厚」が消えて久しいので、濃厚赤血球との記載があるのは長期間改定せずにほったらかしている中小病院なのではないかと思います。

また、慶應大学病院の同意書のフォーマットは統一されているように見えます。

https://www.keio-hpbts.jp/about/image/explain_No20221020_20220602-ver2.0.pdf

日本輸血・細胞治療学会が出している書式例です。赤血球製剤であって濃厚赤血球という言葉は使っていません。

https://yuketsu.jstmct.or.jp/wp-content/uploads/2021/04/c2da197784bce7b91ff8e203959a3dcd.pdf

日本輸血・細胞治療学会輸血機能評価認定 制度(I&A 制度)を受審していると病院年報で書いていますので、学会の標準に合わせていそうなものです。

https://www.hosp.keio.ac.jp/about/special/disclosure/annualreport/annualreport2022.pdf

なお、患者控えにサインがある点にご指摘がありましたが、これは輸血同意書は規定が特殊なのです。平成24年保医発0305-1では、署名捺印した「原本は患者に渡して」、写しを診療録に貼付するとされています。
輸血療法の実施に関する指針においては二部作成することとされています。

病理診断料

病理診断料の区分に計上があるということは、内視鏡検査の際に腸からサンプルをとってきて診断していると考えられます。
堀口くんは、例えばがんなどを疑われているのでしょうか…

11月上旬に慶應大学病院で患者情報を含むPCの盗難事件があった

なんともなタイミングですね。



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