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第22期 新人王戦 決勝 1回戦 振り返り

はじめに

はじめまして。
日本プロ麻雀協会所属の黒田遼河です。
第22期新人王戦で決勝まで勝ち進むことができましたが、結果は3位でした。

優勝できなかったことはもちろん悔しいですが、決勝まで進めたこと自体相当恵まれていましたし、僕は誰かに自分の麻雀を見てもらうことが大好きなので、はじめての放送対局がめちゃくちゃ楽しかったです。

応援のメッセージをくれた方、本当にありがとうございました。
1つ1つがめちゃくちゃ嬉しかったです。

noteも自戦記もブログも書いたこと無いですが、せっかく放送対局に出ることができたので思い立って書いてみることにしました。
とりあえずモチベーションがある内に1回戦の自戦記だけ書きました。
2回戦目以降も気が向いたら書きます。

完全に自己満足の自戦記かつ文章も拙いですが、是非読んでみてください。

東1局 1本場 供託2本 平和三色を曲げるか

平和三色ドラ1テンパイだが

親の藤井さんが白ポン打8m、4sポン打5s、その後1p手出しの仕掛けを入れている状況で平和三色ドラ1のテンパイ

トップが偉い協会ルール、さらに5半荘打って優勝しないと意味のない決定戦なのでもちろんリーチ!
したい所ですが、、、

  • 仕掛けている親の現物待ちで相当拾えそう

  • 供託2本落ちてる

  • 後述しますが、4pは親の藤井さんが1枚持っている可能性が高いと思っていたので、この14pは実質3枚切れくらいの感覚

以上の理由からダマテンとしました。

そして持ってくる5m

8mは親の現物、5mは本命なので8m切りリーチの選択肢もありますが5m切りダマ続行。
結果的に親の藤井さんに5800は6100の放銃となりました。

藤井さんの「4sポン打5sの後に1p手出し」はスライドの可能性が高いです。
445sから両面固定していないことから、1pが愚形フォロー牌である可能性が低くなっているからです。
スライドの場合ピンズの234pメンツが完成しており、テンパイ確率が跳ね上がります。

つまり
234p xx ab(xxは雀頭、abは両面ターツ)
が残って両面待ちになっている可能性が高まっています。
両面待ち候補は、25m、36m、47m、58pの4筋しかありません。
(まだ1シャンテンであったり、愚形テンパイ、カン2pから25pに変化している可能性も十分にあります)

よって5mを切ってこの手を和了するには放銃抽選を受けてさらに14pを掴まえる必要があります。
対して8m切りリーチなら放銃抽選を受けずに14pの和了抽選を受け続ける事ができます。
リーチによる出和了率低下、三色が崩れる事による打点低下を加味しても8m切りリーチも有力な選択肢になります。

対局後に解説の浅井さんや、僕が勝手に尊敬している最高位戦の浅倉優也pに聞いても8m切りリーチしそうだと言っていました。
こういう所が強者との差なんですかね。
難しかったです。

東2局 0本場 メンツ手or七対子

ドラドラの手牌をもらうが、、

メンツ手を狙うなら打4sですが、ここは七対子に決める打5pにしました。

理由は以下の3つです。

  • 9sと2sが早い人が2人いて3sと7sの場況が良い

  • 9pが1枚飛んでいることからメンツ手にしても待ちが弱くなる可能性がある

  • メンツ手だとドラの3pが出ていく可能性があるが七対子なら跳満まで狙える

次順絶好の4pツモ

4p引いた時は「優勝するやつのツモやん。。。」って思ってました。

ここでさらに3sと7sの比較、リーチ判断がありましたが、7sを切って3s単騎ダマとしました。
しかしここは7s切りで3s単騎リーチが正着だったと思います。

まず待ち取りについてですが、2sと9sが2人から早く切られていて3sも7sも良く見えますが、2sの近くの3sの方が9sの近くの7sより信頼できるので3s単騎優位だと思います。
柊さんが2sの後の南を手出ししたのも大きいです。

次にリーチ判断についてですが、現状の3s単騎がそこそこの待ちで、明確に良くなる手替わりは1s、8m、中、南くらいです。
ここで僕は3s単騎のダマテンにすることで9600を拾いに行きつつ、上述の牌引く、もしくは誰かの仕掛けが入ったら曲げるというバランスを選択しました。

しかし、手替わり候補が少ない事と点数状況を考慮すると3s単騎リーチがトップ率を高める上では優位だったと思います。

平均着順を高めるなら3s単騎ダマ、トップ率を高めるなら3s単騎リーチだと思っていますが合ってるのかは分かりません。

さらに絶好の手替わり

対面と上家から仕掛けが入った同巡に中を引いてもちろんリーチ!!、、、したもののすぐに横移動で流局しました。

東4局 0本場 チャンタか七対子かトイトイか

ドラドラの手牌

チャンタと七対子(トイトイ)を見て打8sとしました。

1sが2飛びなので七対子だけを見ると打1sにしたいところですが、3mや3sを自力で引いたらチャンタでも仕掛けていけるので、一旦は両天秤のような形を取りました。

また、ポン材が優秀なので全てポンしてトイトイにするつもりでした。

1シャンテンまで辿り着くが

親の晃平さんから2mと9mをポンして狙い通りトイトイ1シャンテンになりますが、リーチと仕掛けに挟まれてオリに回りました。
この時に字牌2枚を持ちつつ、最悪1m3枚で気合いオリも可能なので、手牌は短いですが、最低限の守備力が確保できてるのが嬉しいですね。

南3局 1本場 ドラポンに対しての押し引き

カン3pテンパイだが、、、

親の柊さんが9s対子落としの後にドラ2sポン打北、次巡も北手出し
そんな中でカン3pのノミ手をテンパイ、場況は絶好ですが2pツモ切りで外しを選択しました。
ひょっこりツモ抽選を受けつつピンズの5p6p引き手替わりを待つ5s切りダマも有力ですが、5sが親に鳴かれる確率が高いことも考慮して良形テンパイを目指しました。

柊さんの仕掛けについてですが、8p、2m、3pとタンヤオ牌を先に切っていることがきな臭いですが、ドラにつきポンして無理やりタンヤオに行ったパターンもあると思っていました。
ただ、安全度の高い北を手出ししているので手牌の中は全てタンヤオ牌になっている可能性が高いです。
それでもまだ1シャンテンのことが多いかなという感覚でした。

ドラポンの親に通った7mを持ってくるが

次巡、藤井さんが通した7mを持ってきますが、ここで打4pとし柊さんに12000の放銃となりました。

  • 柊さんはまだテンパイしていないと思っている

  • 7mは3枚みえでくっつきとして優秀

  • 4pは47pでしか鳴かれないが、7mはカン7mで鳴かれる可能性がある

との理由から打4pとしましたが、4pをチーされたり、後1回手出しが入ったら無筋は何も切れないのでこの時点でオリという選択もあったのでかなり微妙でした。

ここでの選択について協会と中学高校の先輩である坂本太一p(天鳳ID:広島の種馬)に聞いてみたところ、
『ラスが重いルールを(天鳳等)やってる人はドラポンでも「まだチーなら切る」という人が多いが、チーされることが見合っているのか考えることも重要』
と言われました。勉強になります。

まあ僕は「もうロンでも切る」系雀士なんですけど。。。

南4局 0本場 親リーチを受けてのベタオリ選択

現物0で親リーチを受ける

親の晃平さんのリーチを受けて一発目、現物はありません。
北家の柊さんが北ポン打発、2pチー打8mの仕掛けをしています(最終手出し4p)

ここで打7pとし、7700は8000の放銃となりました。
これが決定戦計5半荘を通して1番のミスで、明確に打3pが優位でした。

平面的にはワンチャンスで愚形には当たらない3pが1番安全でしょう。
また、筋の7p8pの比較なら当たる愚形パターンの少ない8p切るがセオリーです。
僕も多少麻雀を齧っているのでそんなことはもちろん分かっているのですが、以下の思考から7p放銃に至りました。
いわゆる勝手読みというやつです。

まず、東発に晃平さんの第1打2pの14pリーチを見せられて、晃平さんが先切りを多用するタイプだと思い込んでいました。
(しかし実際にはリーチに対応していたら偶然14p待ちになっただけで、全く先切りの第1打2pではありませんでした)
そのため5p先切りの36pを必要以上に警戒してしまいました。

また、5pを先切りしていることから7pシャンポンとカン8pの可能性は比較的薄く、7pが当たるならペン7p、8pが当たるなら8pシャンポンが濃厚だと考え、8pの方がより危険と判断しました。
晃平さんは5巡目に5pを切っており、ペン7pターツが残っていたら先に払っているケースが多いのではないかと思っていました。
対して、8pの対子なら外していなくても手組み的に違和感がないと考えました。

晃平さん打5p時の牌姿

しかし、実際には晃平さんはこの牌姿から三色を見て打5pとしていました。

晃平さんの打牌を一度も見たことがないのにも関わらず、勝手に「先切りが多いタイプ」「5巡目の5pならペン7pターツを払っているはず」と思い込んで平面的には3pが優位だと分かっていながらも7pを切ってしまいました。

そもそも平面的な期待値が人読みによって覆ることってかなり少ないと思うんですよね。
例えば黒沢さんの役牌1鳴きが入っていたとしても、平和ドラ1をテンパイしたら曲げた方が恐らく得ですよね。
(もちろん平面的に微差な選択が人読みによって覆ることはあり得ます)

このケースは平面的に大差で3p優位であることに加えて、僕の人読みも完全なる勝手読みですから、平面的な期待値が覆る訳が無いです。

明確なミスだったので頭が真っ白になりました笑

南4局 1本場 特殊なオーラスでの手組み

素点確保で普通に手組みをしていたが、

3着の藤井さんとは22100差で跳満直撃条件、基本的には素点回復を目指します。

3巡目で親の晃平さんが少牌してしまったことに気づきます。
(僕も2回戦で少牌しかけたところを藤井さんが教えてくれました、ありがとうございました)

これによってこの局で半荘が終了すること、親リーチが飛んでこないことが確定します。

5pを引き入れて良い形に

藤井さんの5s暗カンにより3sが新ドラになりこの牌姿、9mと1sを自分で切っています。

3s、7mの2択でしょうか。
ここで僕は打7mを選択しました。

打7mとすると、跳満ツモ、最高の場合では藤井さんからの跳満直撃まで見えます。
また、親の晃平さんが押してくる可能性が消えているので、14sフリテンリーチも上等です。
対して打3sとすると、マンズで良い形は残せますが平和+ドラの2飜を手放してしまうことになります。

着順浮上は元々厳しいと言えど、せっかく親の晃平さんが来ない実質3人麻雀状態なので最大打点を追う選択をしました。

6pを引き入れてテンパイ

フリテン解消しつつ跳満が狙える4sを先に引きたいところでしたが、跳満になりにくい上にフリテンが残る6pを引いて本当にブチ切れそうでしたが何とか心を落ち着けてリーチしました。

4sツモアガリ

4sツモで満貫になり最低限の素点回復に成功、この局は特殊な状況に合わせてベストな選択ができた気がします。
まあ箱ラスが飛び寸ラスになっただけですけども。

最後に

1回戦だけでも振り返るとそこそこのボリュームになっちゃいますね。

放送を見返すと、浅井さんの解説がかなり僕の思考を拾ってくれていて感動しました。
4人分の手牌を見ながら的確に解説するのってかなりの雀力がないと不可能だと思うので尊敬せざるを得ないです。

ちなみに浅井さんが放送の中で、
「4人の中で一番イキっているのは黒田、自分の麻雀にも自信を持っている」
とおっしゃっていましたが、後半部分だけでも否定させてください!!

僕は自分が麻雀強いと全く思っていないですし、浅井さんを含めて自分より強いと思う人たちからガンガン吸収していきたいと思っています!!

ただ麻雀については思ったことを割と言ってしまうタイプなので、今後は色々な意味で押し引きを勉強します笑笑

最後まで読んでくださってありがとうございました。
気が向いたらまた麻雀のnoteを書くかも知れないので、その時は読んでくれると嬉しいです。

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