エッセイ : 昔の人は初詣ではなく恵方詣りをしていた
今、恵方と聞くと恵方巻きを思い浮かべる人が多いですが僕は個人的に少し問題有りと思っています。
恵方というのは気学の言葉で吉方とも言います。
気学は天の気、地の気、人の気の3つの気から総合判断して未来を占うものです。
年末になると新聞等に挟まれてくる高島暦もその1つ、一白水星とか二黒土星みたいに書かれているのがそうです。
因みに僕は二黒土星で七赤金星傾斜です。
気学は四柱推命と並び高い的中率を誇ると言われているので奥が深いです。
生まれ年から二黒土星だみたいに思ってそれだけ読んでいても、実は充分ではありません。
因みに僕は俗称文徳貴人の組み合わせを持っています。僕の友人は天徳貴人の組み合わせを持っています。羨ましいと思います。
気学では馴染みの多い言葉がいくつもあります。
僕は還暦を過ぎましたが還暦も気学の言葉です。
毎年、甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の十干と十二支の組み合わせがあります。
10と12の最小公倍数分である60通りあります
つまり、自分が産まれた年と同じ組み合わせは
61年目でないと来ません。
60年で暦が一巡し還るので暦が還るで還暦と言います。
毎年、恵方(吉方)の方角が違います。
今年の恵方は北北東です、みたいに言われますが、
恵方は北北東に対して北に何度というように正確に
決まります。
づまり、ここまで正確な方向でないと何のご利益もありません。
皆さん方はお正月に初詣に行かれると思いますが、
昔の人は初詣ではなく、恵方詣りに行っていました。
恵方詣りをするのは現在の正月である1月1日ではなく、旧暦の正月の5日前から旧暦の正月までの間の日です。旧暦の正月は1月22日〜2月19日の間をその年によって移動しています。
この期間内に、自分の家から正確な恵方に向けての直線上にある神社仏閣(但しお稲荷さんを除く)に
お詣りに行きます。
つまり、恵方詣りする神社仏閣はその家その家違っていました。
自分が住む町や村に該当する神社仏閣がなければ、
隣りの町の神社仏閣まで行っていました。
場合によっては歩いて山を越えて行っていました。
恵方詣りは普通のお詣りとは違います。
普通神社にお詣りするとお願い事をします。例えば
受験に合格出来ますように、と神様にお願いをします。
ところが恵方詣りは、お願いをするのではなくて、
その神社仏閣で決意表明をします。
決意表明する事柄は1つだけでなくて、いくつでも良いです。10個でも20個でも良いです。
決意表明は例えば
自分は今年、英検1級の試験に合格します。
自分は今年、介護福祉士の資格を取ります。
自分は今年、血圧を下げ健康になります。
というようにします。
恵方にある神社仏閣で決意表明すると、その年、
決意表明したことを実行に移す時に神様等が、
それが実現出来るようにご加護してくださる、ということです。
僕は以前大病を患い、2年間寝たきり状態でした。
奥さんにも勧められ、車で1時間かけて恵方にある
神社に行き、病気を治し健康体になる、と決意表明して来ました。
その年の秋に病気を完治させることが出来ました。
僕は、今年は必ずこれをやり遂げる、ということが
ある場合は恵方詣りに行っています。
時代が進むにつれ、遠く恵方にある神社仏閣にお詣りに行く恵方詣りをするのは大変だ、ということになり、お正月に近くにある神社でお詣りする、というように簡素化されてしまいました。
これではもう恵方詣りとは言えないので、初詣と言うようになりました。
僕の家では恵方巻きは食べません。
恵方とは今説明させて頂いたように、縁起の良い
大切な方角です。
そんな大切な方角に、手を合わせて頭を下げるなら良いですが、大きな巻き寿司を、それも立ったまま
一気食いしても良いことはないと思っています。
それに、そもそも食べ物は座ってお行儀よく食べるものだと思います。