伊予灘剛腕物語第39話『剛腕一閃。真紅のショアレッド』
天高く馬肥ゆる秋。
こんな良い季節を楽しまないわけにはいきません。読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋。
いいえ、釣りの秋です。
まあ、年中釣りしかしていませんが。
2024年10月半ば。父と興居島釣行です。
複数本の置き竿による投げ釣りでカワハギを狙います。
父はしばらく体調を崩していたので、今回が投げ釣り復帰戦です。
10日ほど入院していましたが、今は元気です。退院後、サビキ釣りやルアー釣りにはもう行っています。
父の体調も考慮して興居島への前乗りはせず、朝イチ始発のフェリーに車を積載させて渡島しました。
潮はやや大きめ。
満潮が午前8時頃。干潮が午後2時過ぎ。
フェリー乗り場から程なくして最初の釣り場に到着しました。
ここは知り合いの方にご教示頂いた釣り場。
写真にヒントはあるかも知れませんが、公開はできませんのでご了承下さい。
知っている方は知っているということで。
車を降りて海を眺めると、
ナブラやボイルはありませんが、
「青物が居るよ!」
と、海が教えてくれています。
海の表情がそう言っていました。
すぐさまルアーを用意。
ロッドはヤマガブランクス
「ブルースナイパー103ML/M」
リールはシマノ
「'18ストラディックSW5000PG」
にPE1.5号。リーダーはフロロ8号を1.5m
※連日近所でジグ投げて遊んでいたのでそのままフロロがリーダーになっています。
ルアーはマリア ラピード160F。
トップから攻めます。
ルアーの着水に驚き、小さいイワシがピシャッと跳ねます。
ダイビングで誘うもチェイス2回のみでバイト無し。
ならば!得意のドッグウォークを試してみましょう。潮流に対してアップクロスにキャスト。
頭を左右に振りながら泳ぐラピード。
ボコンッ!
よっしゃ、出ました。重みが竿に乗ったらフッキング。3度4度追いアワセを入れます。
引きが強くないので、ドラグも出させず有無言わさず一気に巻き上げて抜き上げます。
ヤズ46㎝。
かわいいサイズを釣る剛腕もかわいいでしょ?
♪私の一番かわいいところに気づいてる~
そんな君が一番すごいすごいよすごすぎる~そして君が知ってる私が一番かわいいの~
やっとそれに気づいた~♪
〈私の一番かわいいところ/FRUITS ZIPPER〉
46と言う数字に心踊るのはドルヲタの性か。
ブルースナイパー103ML/Mで初めての魚。
今年5月頃に購入してから魚運に見放されていましたが、ようやく1キル出来ました。
(ほぼ剛腕の腕に問題アリ)
ベイトになっているイワシは約7~8㎝。
明らかにデカ過ぎるルアーにヒットしました。マッチ・ザ・ベイトとは?
理由は剛腕には分かりません。
父もブレードジグを中心にルアーを投げ倒していましたがバイト無し。
さて、ヤズも絞めたし、そろそろ投げ釣りを始めましょうか。
潮流も速いので竿は3本にしましょう。
※サムネの左の竿と真ん中の竿の道糸がクロスしているのはご愛嬌。
父とはオモリの号数が違うだけです。
父の竿はサーフリーダーFV 405CX-T(30号)
PF4番のみお休みです。
エサは青虫と本虫と塩本虫を用意。
それぞれの竿1本ずつ別のエサをつけて投げます。
少し遅れて父も投げ釣り開始。父は竿2本。
そして1投目にいきなりヒット。
カワハギ26㎝。エサは青虫。
父は復帰戦1投目で本命を釣ってみせました。
父、侮りがたし!
父の勢いは止まらず、連発します。
これも青虫エサにヒットだそうです。
ナンテスゴインダ!
一方、剛腕はテンポ良く投げ返すも小ダイやトラハゼなどのかわいいサイズに悩まされ、本命を捉えれません。
“かわいいだけじゃだめですか?”
♪右 左 正面 キュン4させちゃう
かわいいものはみんなギュギュっとして
時は戦国 小野小町も 多分本気出してた~♪
〈かわいいだけじゃだめですか?
/CUTIE STREET〉
(ドルヲタ全開で草)
剛腕「んー」
いまいち感触?手応え?が無く、剛腕の仕掛けにカワハギの気配がありません。
剛腕の仕掛けにカワハギが触っている感触がありません。
父との違いは強いて言えば飛距離だけ。エサや仕掛けは同じ物を使用しています。
何かがズレているようです。
何かは分かりません。
剛腕は熟考しながら水分補給しようと車に戻もうとすると、、、
〉ガッシャーーーン
ええ!!?
なんとなんと三脚が転倒。
PE3本が薙ぎ倒し。剛腕は茫然自失。
ドラグはどれも程よく緩めている為、何か掛かって倒れたわけではありません。
三脚をよく見ると、
まさかの脚が折損。
そんなバナナ~と言いたい気分。
♪バナナが落ちていませんか?
いつもの暮らしの上に~
滑ったり~(滑ったり~)
転んだり~(転んだり~)
ハプニングを頂戴~♪
〈バナナ革命/SKE48〉
こんなハプニングは要らない!
ダイワ サーフスタンド750赤ですが、
まあ、かれこれ永く使用してきたので色褪せてピンク色になっています。
7~8年位と記憶しています。アームも曲がっていて、満身創痍でした。
そろそろ新品と交換しましょうか。
家に在庫が5台ありますので。
ちなみに色違いの青1台、シルバー1台も所有しています。
とりあえず、戦線離脱した三脚は車に仕舞い、剛腕のロッドケースには常に三脚3台を収納していますのでそれらで代替します。
満潮を過ぎ、しばらくのんびりした時間が流れます。
午前9時過ぎ。引き潮が活性化してきて、またイワシが海面でざわざわしています。
“満ち終わりと引き始めにベイトが動く”
まさに教科書通りの展開です。
剛腕はブルースナイパーに持ち替えてルアーを投げます。(PFは放置プレイ)
ジグはジーク Rサーディン40gをチョイス。
上のレンジから刻んで数投探るもバイト無し。
次のキャストでボトムまで落とします。
パラパラと出ていくPEラインが止まります。
お、着底か。(ん、浅いな)
ワンピッチでシャクリ始めます。
(ん?軽いな)
なんとフォールでリーダーを切られました。
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ー
俺のRサーディン返せええええええ。
剛腕は茫然自失。パート2
恐らくサワラですね。
気を取り直してラインシステムを組み直します。
ルアーはハヤブサのジャックアイマキマキ。
ブレードの巻きでサワラを掛けてやろう作戦
です。
フォールには細心の注意を払いつつ、マキマキするもバイト無し。
ただ巻きや、巻き速度に緩急をつけたり、小刻みなリフト&フォール等を試すもお触りすら無し。
やはりブレードの波動は嫌われているのか?
それともベイトが多過ぎてルアーを選んでもらえないのか?
それならばと、信頼と実績のメジャークラフトのジグパラ40gをチョイス。
カラーは腹グローなんちゃら。
第1投。ボトムまで落としワンピッチ10回。
ベイトがイワシなので少し大きめのアクションで目立つように。
再びボトムを取ろうとフリーフォール。
右巻きの剛腕はPEに右手を添えてフォールに細心の注意を払っていると、
バチバチバチバチバチバチ
放出していたPEが加速!
慌ててベールを倒して巻きアワセ。何度も何度も追いアワセ。
ブルースナイパーが思い切り曲がり込み、キツキツに締めていたドラグがジイイイイイと引き出されます。
ファーストランが無いため、青物?ですが、
徐々に突進と首振りの抵抗をしており、良型の青物だろうと信じて疑いませんでした。
かなり沖で掛けたものでフッキングに自信がありません。
突進がたまにあるものの、疾走しないので
走らない青物やなあ。と感じていました。
剛腕の右手側には海面下に見えるシモリが複数あり、何としてもそちらには行かせたくない為、少しずつ立ち位置を左へズラしますが、足元が悪いので、上手く決まらず。
重量感がかなりのもので、ポンピングで浮かせにかかりますが全く姿を現しません。
“推しは推せる時に推せ”ならぬ、リールは巻ける時に巻け。です。少しでも巻いて浮かせよう浮かせようと屈伸しながらポンピング。
じわじわPEが右へ右へ引かれていきます。
剛腕「行くな、行くな、越えるな」
悪夢のような現実がそこには待っていませんでした。
(待ってへんのかーい)
数回擦れましたが、何とか誘導に成功。
ようやく海面下に姿を見せた時、玉網を構えた父と2人して驚きました。
“魚影が赤い!”
海面に姿を現したマダイはエラ洗いで抵抗。
これにより、ジグのリアフック(トレブル)がマダイの口から外れました。
剛腕とマダイを繋いでいるのは、ジグのフロントフック(シングルのアシスト)のみ。
更に足元に突進したマダイ。
素早くドラグを少し緩めて対応。
無理に浮かせず、時間をかけて慎重に。
姿が見えるまで青物と思い込んでいたので、虚をつかれた剛腕。
途端にやり取りが丁寧になります。
何回も何回もエラ洗いを受けます。
頼むからバレるなよ。
懇願しながらようやくネットイン。
1度のミスが命取りになる為、確実に一発で。
マダイ77㎝。
またも僥倖のショアレッド。
額が張り出していないのでメスかと思われます。
魚が暴れて内出血を起こさないように車に常備しているバスタオルを敷いています。
※普段バスタオルは、クーラーの上にクーラーを置く際に下側のクーラーの蓋に傷がつかないように敷いています。
これまでの剛腕のマダイ自己記録は2017年11月にココ、興居島で釣った74㎝。
3㎝更新しましたが、釣り方が異なる為、記録は分けておきましょう。(個人の見解)
なお、恥ずかしながら剛腕はルアーで初めてマダイを釣りました。
このマダイは歯が鋭利になっており、魚食性の強い個体と思われます。イワシの群れの下層に着いて、イワシボールに突っ込む青物が傷付けてヒラヒラ落ちてくる瀕死のイワシを狙っていたのでしょう。
翻って、底生生物(エビ、カニ、貝)や多毛類(ゴカイ等)を摂食しているマダイは歯先が丸みを帯びています。
さあて、ここで問題が一つ。
この日持参してきたクーラーはシマノ フィクセルの30Lリミテッドと22Lベイシス。
30Lは内寸の横幅が44㎝。22Lは39㎝。
このマダイが入るわけがありません。
神経絞めを執行している為、尾の付け根を半分切って折り曲げていますが、それでも入りそうにありません。
30Lのほうにどうにかこうにか無理やり押し込んでなんとか蓋が閉まりました。
こんな四苦八苦を何回もしている気がする…
これにより押し出されたのは、昼食用に買ってあったコンビニのぶっかけうどん。
仕方ないので急遽、食べました。
うどんを食べ終わり、一旦休憩中の剛腕の視界に飛び込んだのは、イワシの群れ。
海面をザバザバやっています。
剛腕「やりよる!やりよる!」
剛腕が沖を指差しながら吠えます。
父は慌てて投げ釣りを放置しジグを投入。
されど、何投してもバイト無し。
父「アタらないんだよ~」
剛腕も謎に思いながら、試しにまたブルースナイパーを手に取り、マダイを仕留めたジグをそのまま投入。
表層を早めのワンピッチでドン!
剛腕「食ったで!」
朝イチ釣れた程度かわいいサイズの引きなので、一人で取り込むからルアーを投げ続けろとタモ助けを拒否。
とか言ったら足元でフックアウト。
バラしてしまいました。テヘ
♪私のデカい夢に比べたらこんな失敗はちっちゃいかー!
このかわいさに免じて許してお願い♪
〈かわいいだけじゃだめですか?
/CUTIE STREET〉
(許さない)
(きゅーすとゴリ推しで草)
ルアーを投げ続けていた父を尻目に父の投げ竿にアタリ。
「ジャアアアアアアアアアアアアア」
剛腕「こっちアタっとんでー」
慌てて駆け寄る父。
現場がてんやわんやになってきました↑↑
盛り上がってきました↑↑
高速で回転するスプールを手で止め、
ドラグを締め込みアワセを決めます。
竿が気持ち良く曲がります。
なおも、首を振っているように竿先がカクンカクンしています。
魚は右へ右へ走ります。
剛腕「エイけ?」
飛脚のように玉網を肩に担いだ剛腕が尋ねますが、父はやり取りで精一杯。
父「そんな、、重く、ないから、、エイではないと、おも、、」
魚が走るほうに付いていき少しずつ距離を縮めます。必死にリールを巻く父。
やがて力糸がトップガイドを通過し、そろそろ見える頃。
偏光グラスをしている剛腕が海面下でイエローテールを目視。
剛腕「アオモンやー」
スルスルーっと玉網を伸ばし、海面に浮いた一瞬でランディング。
自分で言うのは何ですが、ランディングには自信があります。
ちょっと尻尾曲げて誤魔化しましたけども、
61㎝のヤズ。
エサは本虫でした。
まあ、投げ釣りで青物が釣れてももう驚きません。幾度か経験しました。
回収中にアタってくるならまだしも、待機中に来るんだから参りますね。
本虫がイワシに見えたんですかね。
(すっとぼけ)
これが投げ釣りの仕掛けにトラハゼや小ダイが掛かり、それを喰ったわけではありません。針の掛かり方が違うからです。
小物が掛かった針に青物が喰ったとすると、針が青物の口に掛からずスッポ抜けすると思います。(我々の仕掛けの場合)
船の落とし込み釣りの仕掛けのような青物が掛かることを前提にしている針なら理解できますが、剛腕と父が使用しているのはキス針。フトコロが広い針ではないので小魚が掛かり、それに食いついたとは想像しがたいのです。
(個人の見解)
血抜きして神経絞めして…
さあ、クーラーの中が混沌としてきました。
入りませんよ。これ。
大きいクーラーを持ってきたら良かったなーと思いますが、大きいクーラーを持ってきたら釣れないんです。
釣りとはそういうものです。
自宅にはスペーザ35Lとスペーザホエール65Lがありますが、今日は自宅待機。
65Lに関しては未だ魚が入ったことがありません。しかし、自宅では横柄な態度で鎮座しています。
(はっきり言って邪魔)
氷を少し減らしてデッドスペースを無くし、
どうにかこうにかクーラーの蓋が閉まりました。ギュウギュウ詰めです。
剛腕は常にバラ氷を使用しています。
もちろん、氷を直接、魚に当てないようにしています。
バラ氷
・メリットは魚を早く冷やせること。
・デメリットは溶けやすいこと。
角氷
・メリットは溶けにくいこと。
・デメリットは冷えにくいこと。
両者のデメリットを補う為には、両方クーラーに入れてしまえばいいわけです。
バラ氷は魚を冷やす為に使い、角氷はバラ氷を冷やす為に使用すれば万事解決です。
剛腕も夏場の離島釣行では両方使用します。
更にプラス保冷剤を使用することもあります。
剛腕はクーラーに直接、魚を入れませんので塩氷はやりません。よく冷えるそうですが、冷えすぎて魚が凍傷するとか聞いた事があります。
(真偽不明)
あっという間に平和な海が訪れ、一面沈黙。
正午頃、移動を決断。
車で少し走り、第2釣り場に到着。
早速、父が1投目にカワハギをゲット。
血抜き後に撮影しましたので生命感ゼロ。
それも父が血抜きしましたが、ナイフ入れる所を間違えて肝が飛び出しました。
あれほど言うたのにまだ分からんか!
おっと、失礼しました。怒りがこみ上げました。
サイズは25㎝。エサは本虫でした。
更に父はキュウセンや20㎝半ばのマダイを追加しました。
剛腕もエサが続く限り投げ倒しましたが、
投げ釣りはノーフィッシュで終了しました。
何とも無様な結果。ルアーでいくら釣果を出そうとも関係ありません。
投げ釣りを本職としておいて、
秋にノーフィッシュは目も当てられない。
まだまだ修行が足りません。
脚下照顧の心を忘れず、修行に邁進します。
リザルト
他の魚は乗せきれませんでしたので小物だけ
カワハギ 23~26㎝ 4尾
キュウセン 24㎝ 1尾
チャリコ 20㎝半ば 1尾(針飲み込みの為)
マダイ77㎝
ヤズ61㎝
ヤズ46㎝ (いずれも写真外)