おっさん50sふたり旅(仮)#4
前回はこちらから👇
前回はコチラから⬆️
day1-④
9月6日金曜日PM16:00
ダナン行きの掲示板に表記されてるDelayed、遅延、いったい何時間待たされるのか、そしてこの暑さ、汗がダラダラ垂れる。
シミケンの方を見るとシミケンも汗まみれで困惑な表情している、だがここはもう仕様が無い。
ダナン行きのフライトが何時になろうが何時間待たされるのか突き進むしか無い。
「シミ!どないする?俺はチェックインして中で涼みたいと思ってる、だがチェックインしたらもう外には出られへんけど」
「同意!俺もこの暑さ、耐えらへんわ」
ふたりともチェックインしてクーラーを浴びながら座りたかったのだ。
我々はベトジェットのチェックインカウンターに向かった、その光景に唖然とした、30組以上、人数にしたら70名はゆうに超えている長蛇の列だった、またもや汗が滴り落ちる。
オーーーーーノーーー!
どうしよう?並んだ方が良いのか分からない、並ぶのは嫌いだ、だがしかしこの長蛇の列…私はとりあえずシミケンに聞いてみた。
「おい、どーする?どっか座る場所探して空くまで待つか?それともこのまま並ぶか?」
「おうよ マボっ!どの道時間はかかるし、一緒ちゃうか、暑いしよ、とりあえず並ぼうや!」
ある意味シミケンは即決即断力が早い方である。
その点、私は優柔不断だ、ひとりでランチを食べに行く時も店が定まらずウロウロして気が付いたら1〜2時間経ってしまってランチタイムが終わって入れない時もある。
夜も夜でひとり呑みに行くのが多いのだが、これまた店が定まらない、結局右往左往してあんまりなとこに落ち着いてしまう、しかもメニューを見てからの優柔不断もこれまたタチが悪い、結局残念な物を頼んで後悔してしまうのだ。
その点、シミケンは店を決めるのもメニューを頼むのも物凄く早い。
よくふたりで呑みに行ったりするのだが
私はメニューを見て悩んでいると、もうその横から店員に赤ウインナー下さい!
だし巻き下さい!ハムエッグ下さい!と連発である。(なんともオーソドックス過ぎるやつをよく頼むのである)
私は悩んで悩み尽くして、よし!これだって頼もうとすると、また横から赤ウインナー下さい!と同じ物を連発するのである。
単なるアホであったのだ、私も含めて…。
チェックインカウンターに並んで15分ぐらい過ぎた時だろう、シミケンが段々と無言になって行く、関空から酒を呑みホーチミン着いても酒を呑み、そしてこの暑さ初日からの旅の疲れも出てくるし、お互い言葉数が少なくなってくるのは当たり前だろうと思った。
ふとシミケンの顔を見たらなんだか遠くを見つめている。
更に10分経っただろう、シミケンが遠くを見つめながら重い口を開いた。
「うーーん、腹痛くなって来たわ、食い過ぎたんかな?わはは」
「えっ?うんこか?大丈夫か?行けるか?」
「いや、いけるいける!全然大丈夫!や!まだ我慢出来る..。いげる!あのよ〜あそこの店美味かったよなー!ゔーん 」
私は思った 全然ダメじゃん。
列も残すところ8組ぐらいだった、後20分、いや早ければ10分ぐらいで我々の番になるだろう。
相変わらずシミケンは冷や汗掻きながら遠くを見つめている、、。
その顔は儚げな表情にも見えた。
「ほんまいけるか?ここで漏らしたらめっちゃくっちゃ笑うで!」
「いや、行こうかな、いやいや、まだいける、いや、行こうかな、いやいや、あともうちょいやし、我慢するわ…。」
「今やったら引き返すのもありやで、まだ時間はあるし……。」
とか言いながら折角ここまで並んだので命をかけてでも我慢して欲しいと私は思っていた。
「ん〜〜、いける!あっ!ヴ〜〜〜、いや、いける、いける!マボ、ここまで並んだんやし、ヴ〜〜〜〜、い、け、る…。」
落ち着かないシミケンは遠く見つめながらそう言った、その顔は血の気が引いて青ざめてる風にも見えた。
そこから更に10分近く経って残り2組になった、もうあとちょっとだ。
我々の出入り口が早く着くか、それとも
シミケンの出入り口が先に着いて爆発しないかが不安だ、だがここまで並んだのだから、このまま突っ走りたい、漏らしてまでも…。
するとシミケンが大きな声で言った!
「あかん!マボっ!俺限界や!悪ぃほんまごめんやで!トイレ行ってええ?かまへん?もう無理や!ヴ〜〜!」
私は苦笑しながら、ええよええよと言い、シミケンはトイレに走って行ったのだ、どうせなら、並ぶ前に即ケツ力と即ウン力をして欲しかったと思った…。
何分待っただろう…私はチェックインカウンターの近く椅子に腰掛けシミケンがトイレから戻って来るのを待っていた、中々戻って来ない、もしかしたらトイレが見つからず途中で爆発したのかも知れない、不安と笑いが押し寄せてくる。
緊張と緩和だ。
すると遠くから長身のシミケンが現れた、その顔は爽やかでキョロキョロしながら私を探している、私を見つけると片腕を上げ何事も無かった様に私の方に向かって来た。
その手は勝ち誇った様に拳を突きげていた。
そうジャンボ鶴田の様に…。
オーーーーーー!
そして…また我々は長蛇の列のチェックインカウンターに並んだのであった……。
オーーーーノー!
ダナン行きの飛行機は轟音経てながらタンソンニャット空港から飛び立って行った。
結局2時間半近くの遅延で18時発のフライトが21時発のフライトになってしまい、約4時間近く出発GATEで待たされた。
しかもクーラーなんか全然効いてなく出発GATEが頻繁に変わり最後には2階のフロアにまで移動させられ、座って待てば良いものを誰かが並び出した事で全員が並び出し、並んだ状態で40分も待たされたのである。
こいつら全員アホかと思いつつ我々らも後方の方ではあるがちゃっかり並んでしまったのである。
座って待ってれば良いものを。
アホなのだ。
タンソンニャット空港には歴史がある1930年代植民地としていたフランス政府により作られ、1956年には南ベトナム主要国際空港としてアメリカ政府の支援によって拡張された、ベトナム戦争中空軍基地として活用され終戦後にはエアベトナム運航停止、2004年アメリカ期合衆国の航空会社の飛行機が再出航、2007年日本政府の援助で新国際空港ターミナルビルがグランドオープン、とまあウキペディアを簡単にまとめた様な説明だがタンソンニャット空港は歴史の古さを感じる作りになっている。
だからクーラーも効かないのかも知れない…。
因みに2025年にホーチミン郊外に新空港として開港するロンタイン国際空港が出来るみたいだ、ピッカピカでクーラーもガンガンに効いてるのだろう。
飛行機は着陸体制を取り滑走路に向かって行った、22時15分やっと念願のダナンに着陸だ!
ダナン国際空港は思ったより広く、綺麗いや、綺麗どころか最近新しく出来た空港を感じされられる。
2017年開港だがピッカピカだ!
勿論クーラーもガンガンに効いている
2024年Sky TRAXが発表した「世界の空港トップ100」で94位になったみたいだ!知らんけど。
入国審査済ましGrabタクシーを呼んでまずは予約していたホテルに直行と行きたい。
スマホアプリのGrabタクシーは非常に便利で行き先を打ち込めばそこまでの距離と値段が出てくる明朗会計だからボラれる事はまず無いのである。
空港の外に出たら夜の22時だと言うのにやっぱり蒸し暑い、体感で言うと30度はある様に感じる。
シミケンが言った。
「あっち〜💦 マボっ!ホテル着いてすぐどっか呑みに行こうや!」
「勿論!この時間やったらホテルからすぐ近くのナイトマーケット間に合うんちゃうか、そこで軽くビール呑んで!まずはホテルでシャワーやな」
「シャワー要らんやろ、どっちみちまた汗かくで」
「そやな、シミケンの言う通りやわ、ほならGrab呼んでホテル行こっ!」
ダナン空港にはGrab乗り場が設けられていたので我々はすぐピック出来た。
空港からホテルまでの距離は時間にすると15分と出てる、飛ばしそうな運転手だから10分で着きそうだ。
車から見える夜のダナンは静かでバイクの量も少ない、運転手にその事を伝えるとホーチミンよりも夜は全然治安が良いとの事だ。
道も空いてるのでスピードも出る、5分もしたらダナンでも有名なドラゴンブリッジと言う橋に差し掛かった、遠くに巨大なベトナムの国旗が映し出されてるビルが見えた、シミケンが興奮気味ながら言った。
「おおおーめっちゃ都会!大都会やなー!
道も綺麗やしめっちゃ都会ー!」
ハン川を跨ぐドラゴンブリッジを海方面に渡り2分ぐらいしたら我々が泊まるD&Cホテルに到着した。
空港からホテルまで約9万ドン、日本円にして540円だった。安し!
ホテルの周りは生い茂った木々があり舗装もデコボコ人通りも少なくゴミも落ちていて、さっき見た大都会とは雲泥の差だった、私は逆にこれはこれで安心した。
肝心なホテルは外観も綺麗で、スタッフも凄く優しく丁寧で、エレベーターも有り、部屋は広く綺麗でトイレと風呂に仕切りがあって申し分無いパーフェクトだ!肝心な値段だが3日泊まって6000円ちょい、ふたりで割るのだから1泊ひとり1000円ちょいなのだ!安い!安過ぎる!
我々はお腹も減っているし、酒も呑みたいので予定通りホテルから歩いて5分もかからないSon Tra Night Marketに到着した、時間はもう22時45分を回っている0時までのマーケットだから客足もまばらだが一応賑わっている、とりあえず露店でタイガービールを2本頼んで歩きながら呑んだ。
タイと比べるとこじんまりとしたナイトマーケットで1周したら飽きてしまった、初めての東南アジアのナイトマーケットがここだったら面白いかも知れないが…おっさん50代には経験値にもならなかった。
「どっか座って飯でも食べようや!
レストランみたいなとこでもええし」
「そやな、暑いしマボっ!任すで!」
「川の方行ってみよう、なんか店あるやろ」
我々はハン川沿いの方に向かって行ったすると、ドラゴンブリッジが見えて来た
殺風景なドラゴンブリッジを後にし、川沿いを北の方に歩き出した。
時計は23時を回っている、やはりもう店仕舞いしてるとこが多い、すると一軒オープンテラスでお客さんが盛り上がってる店を発見した、私の直感だがお客さんが多い店は間違い無いだろうと思い(日本では優柔不断でそんな事はしない)その店の店員に何時までやってる?と下手な英語で聞いたのだがそれ以前に英語が伝わらない、軽い押し問答をしてるとお客さんとお酒を呑み談笑してた女の人が席から立ち上がって睨みつつ我々の方に向かって来た。
喧嘩が強そうなガタイが良いおばちゃんだった、(でもこっちにはジャン鶴が付いている負けへんぞ!)おばちゃんは自分の腕時計差し、
「フードは終わった、あと1時間で店は終わりだよ」
と身振りそぶりで伝えてくれ
「コリアン?」
と言われたので
「ノーノー!ジャパン」
と言うと
ニコニコしながら
「おージャパン!あ、り、が、と、ご、ざ、ま、す〜明日は早い時間に来てくれよ!」
なんとおばちゃんは店のオーナーだった。
シミケンも私もおばちゃんと固い握手してその場経った。
優しいおばちゃんだった。
夜も23時30分深夜になってしまった
腹ペコとまだまだお酒が呑みたい、ウロウロしても開いてる店が見つからずここは奥の手、ギガを使うがGoogleで店を探す事にした。
すると近くに朝の4時までやっている店があるじゃないか、我々は急足でその店LÊN BEER - Hải Sản Bình Dânに向かった、辿り着くと店の扉は無くさっき行った店と同じで剥き出しなレストランであった。何個もある浴槽には魚や海老が泳いでいる。
客は誰も居ない、とりあえずテーブル席に腰掛け若い男の子のスタッフがメニューを持って来た、まずはビールだ。
メニューを見ると1番安いタイガービールの小瓶が17000ドンとなっている日本円にして103円だ!タイガーを頼み、この時ベトナムに来て初めてダーも頼んだ。
ダーとは氷のことである、東南アジアではグラスに氷を入れてビール注いで飲む所が多い、私はこの呑み方が大好きだ。
因みにタイではナムケーンと言い、しむけーんと覚えておけば忘れる事は無いだろう知らんけど。
料理は揚げ春巻き、ガーリックチャーハン、牛肉の炒め物、骨付きチキンみたいな物を頼んだ。
まずは揚げ春巻きが来たのだが、量が多い!これはもしかして二人前分来てるのじゃないか?値段も日本円で294円だ。しかもめちゃくちゃ美味い!
その他の料理も運ばれて来たが全部量が多い。
「マボっ!これやられたんちゃうか?この量でこの値段はおかしいで」
「俺もそう思うわ、ほんでこの量食われへんわ笑、シミケン頼むで食うてくれよ」
「あかんで、俺も腹一杯なって来たし無理ちゃうか!」
「しかし、この牛肉のベトナム風炒めなんか400円ぐらいやのに確実に二人前の量あるで。このチャーハンやって半チャンセットが3つ分以上あるで!ボラれたかもよ、それか間違って俺が二人前づつ頼んでしまったとか…」
私は段々不安になってきた
ここで2倍の料金を取られたら元も子もない…。チラッとシミケンに目をやった。
「あー美味!このガーリックチャーハンめちゃ美味い!」
気にして無い様だ。
そしてチャーハンばかり食べていて他の料理には全くと言って手を出してない。
むむっ!まあしょうがないビールでも追加するか!宴は始まった。
1時間後、結局我々は全部食えずギブアップしてしまった。
肝心の会計は、ビール5本と4品で合計38万8千ドン日本円で約2400円ぐらいだった、二人前じゃなく全て一人前で来ていたのだ。
量も多く安い!疑った自分が情け無い。
残してしまって申し訳ないとスタッフに言うと全然問題ない気にしないで下さいありがとうございました的な事を言われた。しかし今んとこベトナム人はみんな優しいし、親切だ。たまたまかも知れないが着いてばかりなのだが、ベトナムええやんと思ってしまった。
ホテルに戻ったら深夜1時を過ぎていた。
我々は順番にシャワーを浴び(ゲイでは無いで勿論別々だ!)
寝る準備をしてベットに寝転んだ。
私は短パン一丁上半身は裸。(Tシャツがもったい無いから寝る時は裸で寝ようと決めた)
シミケンは短パンにTシャツだ。
私は思い出したかの様に言った。
「あっそうや、寝てる時、絶対寒くなるからクーラーの温度23度か24度ぐらいにしとこや」
そう、ホテルに着いた途端シミケンはクーラーの温度を最低の18度にしていたので、流石に18度で寝たら風邪をひいてしまうと思いシミケンに言ったのだ、するとシミケンが。
「な、なにー!24度とか暑いわ!18度でええやん、俺めちゃ暑いねん!あーあつ」
「いやいや、18度なんかほんまに風邪ひくで、あかんあかん、ほなら22度にしとこや、それかお前も上脱いで寝たらええねん」
「嫌じゃボケぇ〜裸とか気持ち悪いわ!マボよ俺めっちゃ暑いねん、あーあつ」
「お前おっさんの更年期障害ちゃうか、ガハハ〜笑」
「ちゃうわ!暑がりなだけや!お前も暑がりやんけ あーあつ」
「まっまあな、でもおっさんになって来たら寒いのあかん様になってん、まあとりあえず風邪ひいたら、かなんからな、明日も明後日もまだまだ5日ぐらいあるし」
私は半ば強引に説得し、温度を22度にして部屋の電気消し、ふとりとも寝床についた。
疲れていたのですぐ気絶した。
1時間ぐらい経ったであろう、私はオシッコと寒さで目が覚めた。
なんか寒いな?トイレに行く時クーラーのリモコンを見たらなんと18度になってるじゃないか!あの野郎〜!俺が寝ている隙に18度にしやがったな!私は今度は23度にして用を足して再びベットに潜り込んだ。
さらに1時間経ったであろう。
また私はオシッコと寒さで目が覚めた、
今度は本当に寒い、マジで寒い、まさかと思いクーラーのリモコンを見ると、また18度に戻されてるじゃないか!あの野郎〜!めっちゃ寒いやんけ〜!何してくれとんねんと思い、私はシミケンのベットの方を向いた。
すると、なな、なんと!シミケンは頭から布団にくるまって寝息を立てて寝てるじゃないか!
お前も寒いんやないかーーい!
オーーーーーノーーーーー!
つづく