私が体験した不思議な話。３

　白猫。

　私が4階建てのアパートに住んでいた時のことです。
私はそのアパートの３階に住んでいました。
4階建てなのでエレベーターはなく、階段が真ん中にある構造で、私の部屋は階段のすぐ目の前の部屋でした。

そのアパートの周りには、戸建てもありましたが、アパートが多い地域でした。

私の住んでいたアパートの付近には、なぜか野良猫が多くいたので、猫が好きな私には、眺めてるだけでも心が和みました。

　ある日の朝、ゴミ出しをするのに玄関を出ると、上り階段に白い猫が寝転がっていました。
私は、近所の猫をあらかた把握していたつもりでしたが、初めて見る真っ白な猫、そしてなにより、階段に猫がいることに驚きました。
今まで数年住んでましたが、猫が階段を上がってくることはなかったからです。

出勤時間になり、玄関を出ると、まだ階段に白猫はいました。
「まぁ、帰ってくる頃にはいなくなってるでしょ」

　
仕事から帰宅すると、驚くことにその白猫はまだ階段にいたのです。
朝よりグッタリとしているようにも見え、少し気になった私は、その白猫にお水をあげようと、お椀に水を入れ、階段に行きましたが、白猫が少し上へ逃げたので、お水をそこへ置き、私は２、３步下がり様子を伺いました。

すると、白猫は勢いよく水をガブガブと飲み始めたので、
「あぁ、喉が乾いてたんだね」
と、思いながら少し見ていると、今度は勢いよく階段を下りて行きました。
私は、階段の踊り場から下を覗いてみましたが、すでに姿は見当たらず、、、でした。

　それ以降、その白猫を見ることはありませんでしたが、私がそのアパートを引っ越しするまで、階段を上がってきた猫は、その白猫だけでした。

　なにか理由があったのでしょうか。

　最後まで読んで頂き、ありがとうございました☘️✨