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小麦畑に飛び込みたい

青空のもとで風になびいている黄金色の小麦たち。太陽の光で輝いて、とても綺麗だ。

そして同時にこう思う。

この小麦畑の中に思いっきり飛び込みたいと。

なんかすごいふかふかそうに見えないか。
いや、正確に言うとふぁさふぁさか。


私には小麦畑が大きな分厚いお布団に見える。太陽の下で干されたお布団が目の前にあったら、誰でも飛び込みたくなるだろう。
つまりそういうことだ。

だから、飛び込みたいと思う。
だが、それは叶わない。


なぜならこの世の小麦畑はだいたいというかすべて、誰かの所有物だからだ。
飛び込んだら普通に怒られる。
その場に小麦畑の主がいなくても、人型に空いた穴を見られた瞬間バレる。
(もしかしたら奇怪な事件が起きたかと思われるかもしれないが)

それに小麦たちがかわいそうである。
強風で倒されるならまだしも、こんな自分勝手な人間に何十キロもの重さで押し潰されたらたまったもんじゃない。

麦生(小麦の人生)の一片の悔いとなるであろう。

そしてこれは最初から気づいていたことなののだが、実際、小麦に飛び込んだら穂の周りのなんかとげとげした部分が身体中に刺さってかなり痛いだろうし、その後、肌にちっちゃい赤い跡みたいなのがめちゃめちゃできると思う。

それは普通に嫌だ。
飛び込みたいと言ったのは私だが、避けられる痛みはなるべく避けたい。それが人類のあるべき姿というものである。



でも小麦畑の前を通るたび
「飛び込みたい」って思うんだよなぁ~

どうしよ~
もし今、目の前にどっかのテレビ局の人が現れて

「あなたの願い事なんでも叶えます!」

とか言ってきたら

「小麦畑に飛び込みたいです!」

って元気よく言えるかな~


言いたいな~ だって面白そうだし


もし本当にできるんだったら、
まず飛び込みたい小麦畑をリストアップして、その麦主に許可取りして、菓子折り持って挨拶しに行って、それで飛び込ませてもらおう。

念願叶ったあとは、自分で倒したその小麦を製粉しに行って、美味しいパンにして食べたい。

撮れ高あるようで全然ないような気もするけど、それが私の小さな夢。

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