良曲紹介13 浮遊感UFO(月ノ美兎)
作詞:大槻ケンヂ
作曲:NARASAKI
編曲:NARASAKI
にじさんじ楽曲特集3曲目、今回紹介するのはにじさんじの始祖・委員長こと月ノ美兎の1stオリジナルアルバム「月の兎はヴァーチュアルの夢を見る」より5曲目の「浮遊感UFO」。
これまでこのブログではにじさんじを知ったきっかけは太鼓の達人コラボだという風にずっと言っていて実際そうなんだけど、知った上で自分が動画を追うようになったのは実は委員長の下記の動画がきっかけだったりする。
いきなり3日目?と思う人もいるでしょうがたまたまホーム画面の一番上に出てきたのが本当にこれだったんです。あの出会いを逃していたらここまでハマってなかったかもしれないと考えるとやはり一期一会大事にしなければならない。そんなに長くない動画だし面白いから未見の人は是非見てね。
話を音楽に移すと、アルバムの発売は2021年8月。ただしMVの無い楽曲がYouTube上に解禁されたのはつい最近のようだ。委員長は本作について「ご学友から『美兎ちゃんのプレイリストを聞いてると疲れる』と言われるぐらいバラバラのジャンルの音楽を好んで聴いていたのですが、今回はまさにそれを体現したような、コロコロと顔の変わるアルバムができました」とコメントしており、実際多種多様なナンバーが揃っている。このアルバムからもう1曲紹介する予定なのでこの辺の話はその時にするとして、この曲はナユタン星人を思わせるようなコズミックでタイトル通り浮遊感のある1曲。ただし作詞担当の筋肉少女帯ボーカル・大槻ケンヂは1966年生まれ、音楽担当のNARASAKIも69年生まれという結構高齢な製作陣だったりする。そしてNARASAKIは自身の音楽性の中心にあるのはニュー・ウェイブだと発言しており、実際影響を受けたアーティスト一覧の中にはYMOもいる。更に同じく影響を受けたアーティストとして挙げたMy Bloody Valentineの得意ジャンルの1つであるドリーム・ポップはWikipediaによればまさに「めまいを誘うような浮遊感のある音世界が特徴」であり、その派生ジャンルの1つにしてやはりマイブラの得意ジャンルであるシューゲイザーもまた「ポップで甘いメロディを際立たせた浮遊感のあるサウンド」が持ち味らしいので、とにかくこういうテクノ調で不思議な感覚を呼び起こすサウンドを目指した製作体制なのは間違いない。フワフワしていながらダレてはいないメロディーが心地良く耳に入ってくるし、サビの高揚感はかなりのもの。委員長の特徴的な声質も幻想感を引き立てている。
一方歌詞は少々解釈に困る感じではある。なんせUFOを「ある日教室の窓から見た」はずの主人公がいつの間にかUFOそのものになっていて、しかもサビが「恋は浮遊感」等と言って始まるのでこれでもラブソングらしいのだから……。
一応初恋の衝撃をUFO出現に例えて(主人公はUFOに出会う側)、一方で好きな人の気持ちが分からず悶々とする様を地球外生命体とのコンタクトに例えている(主人公が地球外生命体側でも自然)とすれば諸々の辻褄は合うと思う。2番Bメロに顕著だけど主人公は大層な妄想少女みたいですね……。
ところで、今年はROF-MAOもChroNoirも月ノ美兎もミニアルバムの新譜が出るらしい。それまでにRain Dropsを聞き終わらないと……。