株式会社たかもちげん漫画製作所について その1
2000年7月5日に死去しました父である【たかもちげん】より生前に私を含む4兄弟は財産放棄の書類にサインを求められており、意向に添い兄弟皆快諾し全ての財産は母に承継されておりました。
ですので、電子書籍化等に関してはこれまで全くノータッチで母が出版社さんとの契約を結びほぼお任せで発行しておりました。当然私は売上金額なども知りません。
ちなみに2002年に各方面、皆々様にご尽力いただきドラマ化が実現しシリーズ5まで制作された警察署長ですが、頑固な父が存命であれば絶対に首を縦に振らなかっただろうと母は申しております笑
さて、このまま放棄し母任せ状態でも良かったのですが2018年に少し状況が変わります。著作物の保護期間は死後50年までだったのですが死後70年となんと20年延長になったのです。つまりもともとあと30年、母が存命期間だけ保護されていれば良かったのですが誰かが権利を引き継がなければならない可能性が出てきたということです。
【これは放棄しノータッチなので何も知りませんでしたでは済まされないぞ】と感じた一応、長男である私は電子書籍の各出版社からの売り上げや、ドラマ化のロイヤリティを母に状況確認をすることにしました。ドラマ化での著作権料は流石に良いお値段ではあったものの、電子書籍化におけるロイヤリティは大人ひとりが多少働きながら暮らしていける程度の収入でした。(語弊なきように申し上げますと、母は食べていけないから働きに出ている訳ではございません。)
また、ご時世柄書籍の重版なんてものはありません。*一冊のみ重版され続けている作品は存在します。
ただ、三男で音楽ライターを生業としている南波一海がカミングアウトした年の売り上げは良かったと母が嬉しそうに言うのでそりゃそうだろうと。SNSで若い世代にリーチできた好例ですが、作者が亡くなって新作も出ない20年前の漫画なんて誰が知っているんだという話です。出版社さんもただストアに置いているだけで販促に力なんて入れてくれるはずもない訳です。
さておき、売上は微少であったにせよ、作品のデジタルでの保管は検討しなればと色々調べ始めましたが予想以上に費用が…
出版済単行本の冊数で約80巻あり、契約上電子書籍のデジタルデータは出版社に帰属しているので手が出せない。さぁ困ったぞと最初から躓きます。
*西みつさまより許諾を得て掲載しております。
息子ですら知らない情報もあり大変感謝しておりますm(__)m
そんな中、【ブラックジャックによろしく】等の著名作家である佐藤秀峰先生のnote記事に辿り着きます。
売上金額もさることながら、デジタルデータを作成してくれ、帰属も作家にという夢のようなお話です。しかも電子書籍化が始まった2000年代当時から比べ、技術は進歩しているはずなのでデータクオリティも高そうです。
公表されている売上には到底届かないかもしれないが、現状よりも多くの収入を母に渡すことが出来るかもしれない…
こうした経緯で私は「そうだ!たかもちげんの作品を管理する会社を設立しよう」と奮起したものの時は2020年、世界はコロナ禍に陥り私自身それどころではなくなってしまいます…