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警備員の仕事を永く続ける秘訣

まずはじめに言いたいんですが
警備員なんて仕事を生涯の仕事にするべきではないです。

学校を卒業してから警備員一筋でやってきた僕が言っても説得力はないでしょうが
逆に言いますと
警備員一筋で生きてきたからこそ、説得力があるというか、その言葉に重みがあると思って下さるとありがたいです。

新卒で入社してしまったのなら、なるべく早く再就職活動を死にもの狂いで頑張って、一日でも早く警備業界から足を洗った方が良いです。

第二新卒のカードを使える内に早く脱出すれば、その後の人生に大きな痛手はないかもしれません。

ですが、警備会社に在籍して2年以上経過したら、もうほぼ絶望的です。人生終了のゴングが鳴らされたようなものです。

すっかり身も心も底辺労働者と成り下がった君の経歴はブラックリストも顔負けの真っ黒焦げ。
そんな君を欲しがるのは、警備業界と寸分変わらない、違法な超過労働と過重労働が過労うつや過労死上等!のブラック企業だけです。
警備員を辞めたところで、結局はブラック労働で心身共にすり減らす人生が確約されたようなもんです。

もっとも、一流大学の優秀な人材ならばそもそも警備会社(警備職)になんて入社しないからね。
というより警備会社自体、目指さないでしょ。

警備会社と言っても、そこそこできそうな学生は総合職や営業職での採用となり
そうでない子は現場の警備員として採用される。
これガチですからね。

さーて、某大手競馬会社では今年もそろそろ新卒の新入社員がぽつぽつと離職していってますが、果たして今年は何人残りますかねぇ…

早ければ新任教育中に脱走していたし
現場に配属されて、OJT1日目で脱落する事も当たり前にありました。
まあこれは毎年の恒例行事ですから今更驚きませんけど。

その一方で僕みたいに20年近く警備員を続けているもの好きもいるんです。

とはいえ僕も、今の警備会社に入るまでは他の会社で1年持てば良い方だったんです。

それはですね、自分で言うのもあれですけど
僕は真面目で責任感が強かったから。

真面目で責任感が強い、というのは一見すると良い事のように思われますし、警備員をやる上では大切なことです。
警備員だけでなく、社会人として大切な事です。

ですがその一方で、致命的な欠点でもあるんです。
真面目で責任感が強い人は、総じて要領が悪いもんです。
ズルイ人たちにいいように利用されて、気がついたら心身共に消耗して、ズタボロになって立ち上がる事が困難になっても、誰からも助けてもらう事もなく、ひとりで悩んで傷ついて、散って行く運命なんです。

警備員になるような人たちがどういう人なのか考えてみるといい。

程度の差はあれど、警備会社というのはどこの会社も所詮は掃き溜めなんです。

ですから、それ相応の人間が多く集まりやすいんです。
そういう人間というのは、碌な事を考えてないし
碌な事をやらない、
他人のアラ探しが大好き
他人の不幸は蜜の味、なんてのを本気で思ってて
自分が損しない為に常にガツガツしていて
どこまで行っても自分の事しか考えられなくて

こういう人間は警備員に限らずどこにでもいるけど、
警備会社は特にこの手のタイプの人間が多く集まりやすいんです。

そんな連中は、楽してその日の日給をいかに稼ぐか、それしか考えてないんで
ぼくみたいなバカ正直な人間をうまく利用して美味しいところ取りをするのが得意なんです。

僕みたいに要領の悪い警備員は
「あーまた◯◯さんはしょーもないミスをして…」
と、彼らのフォローをしつつも自分の仕事もやる

ダメ警備員は
「すいませーん今度から気をつけまーす」
なんて言いながらも同じミスを何度も繰り返しては学習しない

「だってさ、別に仕事覚えなくてもフォローしてくれるドMなバカがいるからちょれぇじゃん?どうせ真面目にやっても、俺みたいに不真面目でも、出勤して配置についてりゃ日給は確定じゃん?じゃあ適当でいんじゃね?」

最終的に警備員として長続きするのはこういうタイプなんです。

ただし、会社によっては
この手のタイプと判明したら、わざとキツい現場や逆に一日中行き止まりのところで立ちっぱなしでやる事が何もない、ひたすら時間潰しだけの現場とか、クセの強い隊長がいて毎日強烈なパワハラの嵐みたいな現場など、かなり悲惨な現場に放り込むこともありますので、ほどほどにね。


でも、前の某大手警備会社で働いて間もない頃の話なんですけど
そこには本気でヤバい無能なおっさんがいたんですよね。
と言ってもそこの会社はそんなおっさんや使えないおばさんも割と多かったんです。
社会人経験ゼロで40代になった、常識ゼロの変な中年の男女でも普通に採用する会社だったんで。

で、その人が社内でも有名なパワハラ隊長(鬼軍曹というあだ名だった)の隊に放り込まれたんです。

先輩たちはみんな
「あーあそこの隊に行ったら一ヶ月もつかな?」
ってニヤニヤしてたんですけど

そのおっさんは飛び抜けたレベルのスーパー無能だったもんで
しかも頭のネジがどっかいってる系というのもあって
鬼軍曹からパワハラ激詰めされてもまったくこたえてなかったみたいなんです。
どこまでもマイペースにやり過ぎて、逆に鬼軍曹がうつになって退職して行きました。

…もしかしたらそのおっさんみたいなのが理想の警備員の働き方なのかもしれません。


その時に僕は悟ったんです。

今まで長続きしなかったのは、仕事に対して真剣に取り組み過ぎてたからなんだ、と。

現場の警備員って結局、ワガママ言ったもん勝ちなんだな
自分のやりたいように、マイペースに周りを振り回すような働き方をした者勝ちなんだな
自分を抑えて理不尽に耐えても、その先に何もないんだ
どうせブラックなんだから、いかに会社を巧みに利用して、自分にとって居心地良くするためだけを考えて働いてればそれでいいんだな
自分から主体性を持って働かなくても、まあそれだけでとりあえず食いっぱぐれる事はないからね、少なくとも大手なら
向上心なんてむしろ邪魔になる。どうせ上には上がれなくて一生現場で飼い殺しなんだから
そして、会社から悪い意味で目をつけられないように可もなく不可もなく働いてればそれで充分なんだ、と。

向上心のない人にはすごく働きやすい仕事なのかもしれません。

ただ、少人数制の規模の小さい警備会社とか
それなりに大きな警備会社でも能力主義な会社もある事はありますので、そんな会社でそれだとすぐに「自宅待機」と称して仕事を干されるリスクもありますが。

少なくとも僕が働いていた某大手警備会社は現場の警備員は一生現場でしか働けないので、むしろ向上心のない無気力な人材を好むと思います。



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