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TOEIC800点台でも英語会議を仕切れます

オイラは某大手不動産ディベロッパーでサステナビリティを担当しています。

サステナビリティという仕事柄外国人との打合せの機会が多く、特に先週はほぼ毎日何かしら英語会議に出ていました。しかもほぼ全てでオイラがメインスピーカーになっています。純ジャパで帰国子女でもなく海外経験もないオイラがなぜ英語会議を仕切れるのか?
今日はそんなオイラの経験と秘訣をシェアしたいと思います。

0.  オイラの英語力は? 何故それで英語会議を仕切れるのか?

オイラは冒頭申し上げた通り、全くの「純ジャパ」です。英語は40過ぎてから業務上の必要に迫られて勉強しました。大体3年間くらい必死に勉強した結果、TOEICの最高点は835点、ビジネス英語話者のスコアとしては低レベルと言ってもいいでしょう。

そんな「800点台」の実力は、
・話すのは大体できるが、文法はイマイチ、語彙も少ない
・リスニングはかなり怪しい。ネイティブの早口、特定地域の訛りは聞き取れない。
純粋に英語だけに関して言うと、これが800点台の現実です。それでも上述の通り、オイラは外国人相手でも会議を招集し本番で仕切り役をやっています。また面識ができた外国人とは名刺交換で終わらず、仲良くなってその後も交流が続いています。

なぜそんなことができるのか? それはコミュニケーションは英語力だけではないからです。必要なことは以下の4つの掛け合わせです。

英語力   ×   専門知識 経験   ×   準備 気遣い   ×   覚悟 度胸

一つずつ順を追って説明して参りましょう。

1. 英語力自体を伸ばす  (残念ながら楽な道はない)

前述の通り、オイラは純ジャパで40過ぎてから英語勉強し始めました。どうやって勉強したかの詳細書き始めると長大になるので別の機会に投稿したいと思いますが、少しだけ触れます。

私の経験で言うと、①期間は2〜3年、②その期間は仕事以外の生活の全てを英語習得に捧げる覚悟で、朝・昼・晩・休日も勉強することです。
よく言われるのは、トータル1000時間位、期間として2〜3年、その間は高密度で必死に勉強しないもモノになりません。

でも2〜3年で英語話者になれるなら、安いモンだと思いませんか?  
オイラの経験と感覚で言うと、「2〜3年私生活棒に振って英語勉強した」経験は、投資に例えるとその後の人生で想像以上にリターンがあったと思います。

2.  専門知識と経験

オイラが出席する会議の種類は色々です。IRで投資家と面談、海外プロジェクトに絡んで海外パートナー(物件周り)の実務者との面談など様々です。役員・部長でもないオイラが結構大事な海外ステークホルダーとの場で話ができるかと言うと、オイラが専門性(サステナビリティ&不動産の実務経験)を持っているからです。

例をあげましょう。
Netflixに「スペース・フォース」と言うと米国宇宙軍を描いたコメディドラマがあるのですが、その中でジョン・マルコビッチ演ずるロケット権威のマロリー博士が、月着陸に成功した中国の張博士に対して言います。
「I'm delighted to be speaking with you, colleague to colleague」(同じ科学者同士で話ができて光栄です)

この場合の「colleague to colleague」は単なる「同僚」ではなく、同じ専門分野同士」を意味します。ドラマの宇宙ロケット程の高度な専門領域でなくとも、同じ業界・同じフィールドで専門性が一致していれば使えるフレーズです。
会議の中の会話で、相手に「あ、こいつは自分と同類だな」と思わせれば成功でしょう。

この項で言いたいことは、皆さん担当分野を持って仕事されている場合、自分が詳しい分野や専門領域がある筈です。ホットトピックやjargon(専門用語)もある筈です。それらに明るくなる為に英語圏内の情報にもアンテナを張りましょう。

私の場合は、Linkedinを活用しています。Linkedinはビジネス特化のほぼ英語圏のSNSです。
知り合った同業のアカウントをフォロー、また関係のある海外団体や企業をフォロー、そして普段からタイムラインをチェックしておくと、早く且つ無料で英語の業界情報が取れます。

3.  準備と気遣いをする / 相手にも・日本人側にも

外国人との面談に向けては、多くの人は丸腰で参加、名刺交換したら後はダンマリで終わる、みたいなケースが多いかと思います。しかし、これを続けているといくら英語を勉強しても周りから「◯◯さんは英語もイケるんだね」と言う評価は取れません。
やはりリアルな英語会議で活きた会話能力を見せるのが一番印象に残り、評価や次の仕事にも繋がります。

その為にはできる限りの準備はしておくことです。列記しましょう。
①プレゼン資料の準備・・・・英語の説明は口頭だけだと大変、分かり易い資料を用意しておくと、説明者的には「自転車の補助輪」の様な役割を果たしてくれるのです。

②相手についての予習・・・・Linkedinで相手のプロフィールやバックグラウンドをチェック、相手企業のリリースなどもチェックしておきましょう。

③ジョークを用意しておく・・・・会議中に一回でもジョーク言って笑いが取れると、全てがスムーズに進みます。

④リアルの会議でのホスピタリティ・・・・基本的な事ながら、まずは部屋や飲み物などロジ周りはしっかり準備しましょう。会社のプレゼン設備やショールームなどは英語の弱さを補ってくれるので活用しましょう。

⑤エンターテイメント・・・・site visit(施設や物件の見学)は喜ばれるし、説明側も楽です。また食事・宴席などに誘う場合「dietary restrictions(食事の制限)」と言う聞き方が便利です。食べられない物は、体質的・嗜好的・宗教的など色々理由ありますが、この言葉は全てカバーして聞けます。

ここからは、意外と難しい日本人側への配慮について書きます。
大手JTCは高学歴・高プライドながら実は英語力が微妙と言う人が多いのです。ここで一番気を遣うべきは、月並みですが、偉い人です。(会議での意思決定者、もしかしたら貴方の上司で評価者)
対応次第で貴方の評価を左右します。大事なのはとにかく恥をかかせないことです。

偉い人には、極力通訳つける、事前のブリーフィングをしっかりやる、などが大切です。そして会議中で偉い人が置き去りになりそうだったら、すぐ側に言ってサポートしてあげましょう。
※通訳が付いていても、話が噛み合わなくなったり、お互いの言い分が伝わらない時があります。そんな置き去り状態を放置したまま下っ端が勝手に仕切ると、偉い人はメンツ丸潰れです。逆に置き去り状態を解消してあげれば、感謝されるでしょう。

4.  覚悟と度胸を持って臨む / 最初は辛くともいずれは楽しい世界に

日本語がネイティブな人で、英語を全く苦もなく使いこなせるのはほんの一部の人だけです。殆どの人は完全ではない状態で実践の会話に臨まなくてはなりません。

ここで邪魔になるのが、「プライド」や「恥をかきたくない」と言う心理です。高学歴・ハイキャリアで来た人ほどその傾向が強く、人前で話したがりません。

こうした人が目を気にするのは、実は相手の外国人ではなく、日本側の同席者だったりします。

例えば以下の心理状態でしょうか?
・上司の前で下手な英語見せたく無い
・海外経験者や英語堪能なライバルの目が気になる
・後輩や部下の前では弱みは見せたく無い
・もっと勉強して完璧になってから披露したい

でも考えてみて下さい。
英語の実践の場を避け続けて、いつになったら「英語完璧な自分」になれるのでしょうか? 覚悟を決めて、実際のビジネスの場でデビューして恥をかかない限り上達はしません。私も何度も英語会議をこなしながらも、今でも英語力不足ゆえの後悔や恥ずかしい思いをし続けています。

と言うことで、「自分は極力前面には出ず、大人しくしてよう」と言うマインドセットを変えて下さい。主体的に準備し、本番では可能なら自分が仕切る、それが無理でも何か発言して、その会議に「爪痕」を残す様にしましょう。

逆に「思いきってやってよかった」と言うことも沢山あります。海外での同業の知り合い・友人が増えます。そして会議が終わった後、オイラは必ずLinkedinで繋がるようにしています。前述の様に情報ソースになるだけでなく、ネットワーク構築にも役に立ちます。
※Linkedinは、また別投稿で説明したいと思います。

自分の感覚的に言うと、自分のフィールドというか世界が一気にに広がった感じがします。ただ知り合いが増えた、という以上に、自分の中で価値観も多様化した様に感じます(観念的ですいませんが、英語を学ぶって言葉だけじゃなく、相手の文化や価値観も学ぶことなのです)

つまり、大変な英語学習と覚悟を決めた実践の場への踏み出しの先には、凄く楽しい世界が待っていた、と言うことです。ぜひ皆さんにも是非一歩を踏み出して頂きたいと思う次第なのです。

この投稿がこれから英語を勉強する人、また英語で仕事をしようと思う人のお役に立てれば幸いです。最後までお読み頂きありがとうございました。





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