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【会社用時計更新 3/4】SEIKO セカンドダイバー



6.Captain Willard(ウィラード大尉)

 海外においてセイコー セカンドダイバーは、映画「地獄の黙示録」主人公のウィラード大尉が着用していたため「キャプテン ウィラード」と呼ばれてます。主演は、チャーリー・シーンの親父であるマーティー・シーン。マーティー・シーンはアメリカ人にしては背が低く、170cmしかありません。日本人の平均身長と変わらないため、自分が時計を付けた感じを何となく予想できて、映画を見ててとても参考になりました。

6-1 黙示録

 黙示録とは、新約聖書における預言書。夢や幻を通じて知られていない真実を伝える書と定義されているようです。つまり、、、、
ベトナム戦争はアメリカ国民が知らされていること以外にも、色々な事があったんだぞ。いや、むしろお前らは本当のことは何も知らされていない。ここにべトナム戦争の真実を伝えてやる!
 って意味をタイトルから読み取れます。amazonプライムを確認すると、ファイナルカット版が100円で見れるようなので、早速見てみました。

ウィラード大尉

6-2 地獄の黙示録概要

 みんなそれぞれの正義に則って頑張ったんだけど、良かれと思ってやったことが、どんどん地獄へ引き込まれてっしまって、もう後戻りできなくなってしまった話。見終わって真っ先に思ったのが、「ビルマの竪琴」にメッセージがとても近い。前線の部隊に撤退を進言しに行くが、かえって玉砕を招いてしまって、絶望する中井貴一。この中井貴一とウィラード大尉・カーツ大佐が重なって見えました。地獄の黙示録は大きく以下3章から成り立ちます。

  • 第一騎兵団のヘリボーン強襲

  • フランス軍の生き残りとの出会い

  • カーツ大佐が築く王国へ潜入

ヘリボーン強襲

6-3 第一騎兵団のヘリボーン強襲

 ベル社のヘリコプター「イロコイ」で、ベトコンが支配する村を強襲する有名なシーンです。ワーグナーの「ワルキューレの騎行」を流して突入するシーンは、ドイツの爆撃機シュトゥーカが、サイレンを鳴らしながら急降下爆撃を行ったことを思い起こさせます。
 ナパームで森を焼き払った後、第一騎兵団のビル・キルゴア中佐がナパーム弾の匂いを
「勝利の匂いだ」
と言い切ってましたが、この数年後に米軍は南ベトナム国民を見放してアメリカに逃げ帰ります。しかも最悪の結果を残して。この「勝利の匂いだ」ってセリフを聞いて、私の頭の中には、サイゴン陥落の様子が浮かんできました。まさに黙示録です。

北ベトナムにサイゴンを包囲され逃げ場を失い、
アメリカ大使館の上で、蜘蛛の糸状態になってる南ベトナム人

6-4 フランス軍の生き残りとの出会い

 カーツ大佐が支配する地域へ侵入すべく、ウィラード大尉は船で川の上流へと昇っていきます。ここで、フランス人の生き残りと遭遇します。
ベトナムは、元々「フランス領インドシナ」。そう、我らが帝国陸軍の南部仏印進駐により蹴散らされた後、日本の敗戦によってもう一度植民地として支配しようとするも、今度はベトコンに蹴散らされてしまう、劇弱フランス軍の生き残りです。
 現在の荘園を辛うじて保っているが、もうギリギリダメな感じ。でも、フランス本国にも全く伝手がないため、このここに居ることも、帰ることもできないドン詰まり人生。
 数年後のアメリカをイメージさせてて、ここも黙示録。ちゃんと作られた映画だなーと、感心しました。好きなシーンです。

本国へ帰るに帰れない、ベトナムで死ぬしかない、絶望のフランス人

6-5 カーツ大佐が築く王国へ潜入

 ウィラード大尉は、カーツ大佐の暗殺のため大佐が築く王国へ潜入します。大佐の直接の罪状は、スパイ2名を軍にも相談せず、裁判にもかけずに処刑した罪です。
 そんなことはベトナムでは日常茶飯時であり、ましてやスパイ2名は二重スパイであったため、この2名を処刑した後、カーツ大佐の陣地への攻撃が止んでいます。つまり2人を処刑したのは正しかったのです。
 おそらくカーツ大佐は、王国を築きたくて築いたのではなく、自身が正しいと判断した道を歩んだ結果、王国を築いてしまったのでしょう。ベトナム戦争もしたくて始めたのではなく、始まってしまった戦争で、辞め時がサッパリ分からん状態になってしまい、大佐の王国と同じくもうコントロール出来ませんってことを表しているのだと思います。

カーツ大佐を殺しに行く、ウィラード大尉

 最後、カーツ大佐はウィラード大尉に暗殺されて映画は終わりますが、決してハッピーエンドではなく、任務を終えたウィラード大尉も妻に見放されて、帰る先はありません。全員は不幸になって終わる、アメリカっぽくないエンディングです。
 「黙示録」といったテーマに沿って、様々な角度からベトナム戦争の頭おかしい具合を表し、これを緻密に構築した映画であると感じました。

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