妊活中の心と尊厳の守り方
「憂鬱だ…」
今年は特にそう思わずにはいられなかった。
毎年、年末年始は夫の実家に4〜5日帰省していた。
夫の家族と紅白を見たり、甥と遊んだり、初詣に行ったり。
夫の家族とももう長い付き合いになるので
実家が遠方にあるわたしにとって、義実家は第二の実家くらい心休まる場所であった。
しかし、今年は何としても帰省したくなかった。
理由は明確だった。
義姉の妊娠・出産だ。
義兄夫婦にとって初めての子が生まれた。
そして、夫の兄弟のなかでついに子無し夫婦がわたしたちだけになった。
「次はあなたたちね!」
「予定はあるの?」
「いつ頃までに欲しいとかってあるの?」
「まだ遊びたいの?」
「まだ仕事を優先したいの?」
「男の子と女の子どっちがいい?」
こんな会話が実際にされるのだろう。
(実際にお盆に帰った時にこんな感じだった)
そう思うと、楽しみだったはずの帰省が
なんだかどんどん憂鬱になった。
子が欲しくないわけじゃないし、
実際に半年くらい前から妊活はしている。
けど、こんなふうな会話が本当に不快だった。
「妊活」には、人それぞれ捉え方や感じ方がある。
わたしにとっては予想以上にすごくしんどいことだった。
まず、普通に身体的にしんどい。
いろいろ妊活のことをネットで調べ過ぎて仕事に集中できない。
性交渉のタイミングとか回数とか誘い方?もどうしたらいいかわからない。
毎月生理が来るたびに「あーあ」って思う。
なかなか授かれなくて不安。けどなにが悪いのかもわからない。何を投資してもコントロールできないストレス。
そのくせ、もし授かったらキャリアとの両立どうしよう?とか考えちゃう。
不妊治療は絶対にしたくない。
そんなこんな考えて、「こんな人が母親になっても良いんだろうか?」と不安に。
など、この半年間、本当にたくさん考えたり悩んだりした。
(電車の中でマタニティマークをつけている女の人を見て、どうしようもなく悔しくて涙が出そうなのを必死に堪えたりもした。笑)
それでもやっぱり愛する人との子は欲しいし、母親になってみたい。と決意して、ようやく最近妊活に前向きに取り組めるようになったのだ。
しかしながら、当たり前だが、そういったわたしの思考や葛藤なんて親戚たちは知る由もない。
おそらく興味が無いだろうし、伝えたところで、100%理解されることも、共感されることもないだろう。
ただ、彼らにとって今のわたしたちは
「結婚して5年も経つのに子どもを作らずに遊びや仕事に明け暮れている二人」でしかないのだ。
表層的な部分だけでいろいろなことを推測するしかない。
結果、なんで?どうして?と、質問攻めに遭ってしまうのだ。
まるで、わたしたちが「異常」とでも言うかのように。
(たぶん、そこまでは思っていないと思うけど…笑)
ただ、それがどうしても耐えられないと思った。
わたしは義実家の家族も自分の家族と同じくらい大事に思っている。
だからこそ、こういうことで嫌いになったり、苦手になったりしたく無かった。
だから距離を取ろうと思った。
夫には上記の内容は伝えずに、
ちょうどよく(?)喧嘩というか些細な揉め事があったタイミングで「今年の年末年始は自宅で1人ゆっくり過ごしたい」という旨を伝えた。
結果、よかったなーと思った。
人のことも自分のことも100%理解できる訳がない。
理解できる、と思っている人は明らかに傲慢なので考えを改めた方がいいと思う。
「嫌いだな」「苦手だな」
と思ってしまう前に、相手のことを好きでいられるような適切な距離感を見極めて
自分のことを守ったり、人のことを無闇に傷つけることを避ける。
そういうことは、実はすごく大切なことなんじゃないか?と思ったりした。
そんな2025年のはじまり。