The guardian書評 3年秋

9/25

Who are ‘the Irish’? History shows we’ve been a mixed bunch for centuries
「アイルランド人」とは誰なのか?歴史は、私たちが何世紀にもわたって混血であったことを示している

〈要約〉
この記事は、アイルランドの移民と多様性の歴史を振り返り、現代における反移民感情の高まりを分析している。1921年のアフリカ系移民ジャズバンドの映像を例に、アイルランドが国家として成立する以前から、多様な人々が暮らしていた事実を強調している。また、アイルランド例外主義が崩れ、移民問題が選挙で重要な争点となっていることに言及し、極右の台頭や誤情報がもたらす暴力や敵意が島全体に広がっていることを指摘している。19世紀の飢饉をきっかけに多くのアイルランド人が移住した歴史がありながら、現代では移民が増加し、多文化主義が進行する一方で、純粋な「アイルランド人種」という架空の概念が反移民感情を助長していると批判している。

〈感想〉
アイルランドの多様な移民の歴史に光を当て、現代における反移民感情の高まりを問題視している。特に、国家として成立する以前から他文化と共生してきたアイルランドの歴史を振り返ることで、現在の移民排斥運動や極右の台頭がいかに時代錯誤であるかを浮き彫りにしている。多文化主義が進む中で、純粋な「アイルランド人種」という概念に囚われず、多様性の社会の中で共生していくことの重要性を改めて考える必要があると感じた。

10/3

‘Life is pretty brutal’: concerns in India over high-pressure corporate jobs
「人生は実に過酷だ」:インドでは企業の仕事に対するプレッシャーが高まっている

要約
インドでは平均労働時間が週47時間に達し、世界で最も長時間労働が行われる国の一つとなっている。過酷な労働文化で知られる中国、シンガポール、さらには日本よりも長時間労働を強いられている。平均すると、インド人はドイツの従業員よりも毎週13時間長く働いている。非公式部門で働く労働者が約90%を占めるが、企業部門でも過酷な労働条件が問題視されている。特に会計大手会社インド支社アーンスト・アンド・ヤングで働く若い女性が過労死した事件が注目され、労働環境への懸念が高まっている。競争が激しい企業では、過剰な労働要求が常態化しており、労働者の健康や幸福が軽視されていると批判されている。

記事を読んだ感想
インドの労働環境がここまで過酷だということを初めて知って衝撃的だった。特に、競争の激しさが労働者の権利を軽視し、過労や精神的な負担を引き起こす構造は非常に問題であるといえる。労働者の健康や幸福が優先されるべきであり、企業の姿勢に大きな改革が求められる。大学に進学し、会計などの資格を取得するインドの若者は増えているが、企業部門の職の数は需要に追いついておらず、卒業生のわずか40%しか就職していない現実から、一つの職に何万人もの応募者が集まることも多く、アーンスト・アンド・ヤングのような世界的な企業は特に憧れの存在とみなされている。大企業だからこそ社員数が多いため、一人一人の労働環境において重要視されていない現実があることを知った。

10/10

US states sue TikTok, claiming its addictive features harm youth mental health
米各州がTikTokを提訴、中毒性のある機能が若者の精神衛生に悪影響を及ぼしていると主張している

要約
火曜日、12以上の州がTikTokに訴訟を起こした。
プラットフォームが若者の間で広く使用されており、ドーパミンを素早く放出する能力を考えると、TikTokのアルゴリズムは特に危険であると主張している。無限スクロール、プッシュ通知、アプリ内購入などの設計上の選択が若者を食い物にし、ユーザーの間に中毒性の習慣を生み出していると主張している。米国には月間1億7000万人を超えるTikTokアクティブユーザーがおり、世界中では10億人を超える。
各訴訟の中心にあるのは、TikTok のアルゴリズムだ。このアルゴリズムは、ユーザーの興味に合わせたコンテンツをアプリのメインの「おすすめ」フィードに表示することで、プラットフォーム上でユーザーが目にするものを強化している。
このアルゴリズムを「ドーパミン誘発性」と呼び、意図的に中毒性を持たせて、多くの若いユーザーを過度の使用に陥れ、何時間もアプリを使い続けられるようにしたと述べた。
TikTokは、こうした行動が不安、うつ病、身体醜形障害、その他の長期にわたる問題など「深刻な心理的・生理的害」につながることを知りながら、これを行っていると訴状は述べている
る。
「ドーパミンの『報酬』は、特に報酬が予測できない場合、中毒性のある行動につながる可能性がある」。
TikTokの美容フィルターは、特定の白人やヨーロッパ人の特徴を優遇するなど、美の固定観念を助長していると訴状には書かれている。TikTokの高度な『エフ​​ェクト』が空想と現実の境界を曖昧にしていると述べている」と訴状には書かれている。
「TikTokは児童の性的搾取から利益を得ており、まるでバーチャルストリップクラブのように運営されている」とシュワルブ氏はXで語った。

感想
自分の研究範囲の記事だったので今回選んだ。おすすめ機能のせいで自分の興味のあるコンテンツが次から次へと来るため中毒につながることを改めて認識した。中毒だけでなく、不安、うつ病、身体醜形障害にもつながる。配信者は注目を集めるために必死になり、視聴者は配信者と自分を比較して鬱に陥ったりする。現代に生じた新たなSNSという問題に対し、適切な付き合い方を考えていくべきである。

10/17

‘Music, friendship, opportunity, freedom’: the rise in clubs and gigs for neurodivergent people
「音楽、友情、機会、自由」:神経多様性を持つ人々のためのクラブやライブの増加

要約
ロンドンで開催される「Out of Body Pop」を含む神経インクルーシブ音楽イベントは、自閉症、ADHD、失読症など神経多様性を持つ人々が、感覚的な負担を軽減しつつ音楽を楽しめるように設計されている。これらのイベントは、神経多様性を持つ人々が従来のライブイベントで感じやすい圧倒感やストレスを和らげ、自由に参加できるようにするために工夫されている。例えば「Out of Body Pop」では、ダンスだけでなく絵画などのアート活動も取り入れられており、参加者がさまざまな方法でイベントに没頭できるようになっている。また、プロモーターは「カオスルーム」のように感覚刺激を求める参加者のための新しい取り組みを導入しつつ、他の参加者が安心して楽しめる空間を提供している。これにより、神経多様性を持つ人々がライブ音楽に参加しやすい環境が整えられている。一方で、全員のニーズに対応することが難しい場合もあり、イベントごとに工夫を凝らしながら最適なバランスを模索している。音楽と友情、自由が含まれる空間は、神経多様性を持つ人々にとって貴重な体験となり、彼らが孤立せずに楽しめる場を提供している。特に「Out of Body Pop」では、少人数の観客、アート活動、再入場可能なポリシーなどの対策が施されており、参加者にとって居心地の良い空間が作られている。

感想
神経多様性を持つ人々に特化した音楽イベントは、社会的に孤立しがちな彼らにとって非常に重要な意味を持つと感じる。感覚過負荷やストレスを軽減し、彼らが安心して楽しめる空間を提供することで、音楽体験の幅が広がり、社会的交流の場ともなっている点はいいなと思った。特に、ダンスや音楽に加えて絵画などのアクティビティが含まれていることで、参加者が自分に合った方法でリラックスしながら没頭できる点が魅力的だ。今後もこうした取り組みがさらに広がり、多様な人々が平等に音楽を楽しめる社会が実現することを期待したい。

10/31

At least 95 people dead in Spain’s worst floods in three decades
スペインで過去30年間で最悪の洪水、少なくとも95人が死亡

スペイン東部、中部、南部で少なくとも95人が死亡した。豪雨により過去30年間で最悪の洪水が発生し、泥水の奔流が都市、町、村に押し寄せ、人々は家の中に閉じ込められ、木々が倒れ、道路や鉄道が寸断された。
行方不明者数十人の捜索が続く中、厳しい天候はまだ終わっておらず、死者数はさらに増える可能性があるとの警告が出され、運転手らは道路や増水した川から離れるよう呼びかけられた。
バレンシア州政府の緊急調整センターは、水曜日の午後までに、同州で確認されている最新の死者数は92人であると発表した。一方、隣接するカスティーリャ・ラ・マンチャ州の中央政府代表団は、クエンカ市の88歳の女性を含む2人の死亡を報告した。アンダルシア州マラガ県でも別の死亡が報告された。

感想
日本でも9月2匹起こった能登半島での豪雨災害のように世界各地で同様の被害が最近多いと思った。温暖化などの対策を行い異常災害が起こらないようにすることともに、自然災害への備えの重要性を改めて感じさせられた。

11/07

Olympic boxer Imane Khelif takes legal action over male chromosomes claims
オリンピックボクサーのイマネ・ケリフ選手が男性染色体に関する主張で法的措置を取る

本文
アルジェリア出身のオリンピック金メダリスト、イマネ・ケリフ選手が性別論争に巻き込まれた経緯を報じている。フランスでの報道により、彼女がXY染色体を持つとされたことがきっかけで、彼女の出場資格を巡る議論が再燃した。ケリフ選手は、医療記録が漏洩したとして法的措置を取る方針を示しており、IOCもこの件に関し声明を発表している。IOCは、ケリフ選手が過去のオリンピックや公式大会で女性選手として出場してきた事実を強調し、彼女の人権保護に尽力する姿勢を示した。また、ケリフ選手は誹謗中傷を受けていることに心を痛めながらも「私は女性」と強く主張し、競技に参加する資格があると明言した。

記事を読んだ感想
ジェンダーの多様社会を目指される現代で、スポーツ界におけるジェンダー問題は複雑である。男性と女性の身体的格差がある中で、気持ちとしての性自認を尊重するか、染色体として、生物学的な性別を尊重するか難しい問題だと思った。不平等だと言う一方的な意見で、ケリフ選手が受けている批判や誹謗中傷を正当化させることはできない。彼女が自らのアイデンティティを守り抜き、実績に基づく正当な評価を受けることが求められる。

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