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奈良法隆寺「駐車場の植え込みは古墳でした」と聞いて見に行った話

2023年9月7日の報道によると、奈良法隆寺で、飛鳥時代の古墳があらたに発掘されたそうです。
この古墳は「舟塚古墳」と呼ばれています。

◯舟塚古墳(所在地:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺1丁目1167)

「法隆寺の駐車場に昔からあった植え込みは、やっぱり古墳でした」。

え?見たい。行く!

・2022年までの情報はこんな感じ↓

これまで調査が行われたことがなく、詳しいことはわかっていませんでしたが、令和3(2021)年度に、奈良大学と斑鳩町教育委員会 斑鳩文化財センターが、共同で発掘調査を行ったところ、古墳時代の土器や石室のものと考えられる石材を確認しました。次の発掘調査の結果が待たれる古墳です。

「斑鳩ナビ」より

2023年8月に斑鳩町と奈良大学が発掘作業をした結果、横穴式石室と多くの副葬品が確認されたそうです。
やったね!

・2023年9月8日MBSニュース動画↓

法隆寺駅から歩く

法隆寺へ行く方法は、一つは奈良駅から出ている路線バス。お寺のすぐ近くまで行くことができます。
今回、私は電車で向かいました。JR奈良駅から法隆寺駅までは大和路線の快速で11分。

法隆寺駅を降りると、法隆寺までの距離は約1.5kmあります。
駅からの直通バスがありますが、今日は徒歩で行こうと思います。

暑い。10月に来ればよかったなあ。
でも歩きましょう。法隆寺駅周辺の様子も見たい。
AM9:00の法隆寺駅。奈良の学生さんは、関東よりも日焼け率が高い気がする。
私も焼けました。奈良の日差しで肌がこんがり
マークした1法隆寺、2中宮寺、3法輪寺、4法起寺、全部を見たい。体力と時間の限界を考えると1と2で終わりそう
大通りに出て、まっすぐ先です

県道を北上します。住宅やドラッグストアや信用金庫などがある中で、なんとなく不動産屋が多い印象です。
チョコザップもありました。平日朝9時台、利用者もいました。チョコザップすごい。

空が青いねえ
マンション名に「法隆寺」とついている。ここは地名が「法隆寺」。
盛り上がってきました。
もうすぐです。自分のおばあちゃんちの近所を思い出す風景。
法隆寺の松並木が見えました。どこかのお寺の方が、お袈裟姿でスクーターに乗っている。「僧侶 riding スクーター」は私が好きな日本文化です。
テッテレー
向こうに法隆寺駐車場が見える。朝は観光バスもまだいない。Kofunはすぐそこ

とうとう着きました。

9月9日(日)の説明会に行きたかった

法隆寺参拝の前に、話題の舟塚古墳を見ましょう。

塀の向こうにKofun。
本日は9月13日。発掘現場はすでに埋め戻してありました。
奈良大学の皆さんが作業中。昨夜はスコールのような大雨が降っていた。泥の片付けが大変そう
例の立て看板「古墳につきゴミを捨てないで…」がそっと置かれていました。これが立てられ、最近までは単なる植え込みとして眠っていたKofun。ここは国有地だそうです。

2023年9月9日 舟塚古墳現地説明会資料のまとめ

・かつて、樟(くすのき)の舟が出土したという伝承があった。
・2019年度   第1次調査、遺構や遺物の発見なし
・2022年3月 第2次調査、墳丘の測量と発掘調査。石室の存在可能性。石材と副葬品が出土
・2023年5月 第3次調査、横穴式石室の一部を確認、土器が出土
・同年   8月 第4次調査、横穴式石室の詳細状況を確認。石室床面付近から出土した遺物は武器、馬具、玉、土器類。

・出土した土器(須恵器)の型から6世紀後半の古墳と推定される。
この調査結果は、藤ノ木古墳(法隆寺の西350mにある6世紀後半の円墳)築造以前の、斑鳩における古墳時代を知る上で重要である。

令和5年度第4次調査 現地説明会資料より

ああー説明会当日に来たかったです、と残念がる私。
発掘作業の方や料金所のおじさんに教えていただき、駐車場内の案内所で調査報告を見学しました。

パネル展示
小さいけれど、紛れもなく石室
説明会資料
南東方向に開口する横穴式石室が確認されました。
遺物は、大刀が2振も出たの!展示公開が待たれます。

この後に訪れた法隆寺の金堂で、案内係のおじさんに「舟塚古墳を見に来た」と話すと、おじさん「その辺をちょっと掘れば、まだあちこち出るんだから」
と言って笑っていました。

…それは話を盛ってないですか?(墳丘墓だけに)

いえ、きっとその通り。斑鳩は今までもこれからも、トレジャーミステリーハンターの聖地だと思います。

盗掘、ダメ、絶対!

法隆寺、どんどん行きましょう

さあ世界遺産へ飛び込みます。

1993年「法隆寺地域の仏教建造物」は日本初の世界文化遺産として登録されました。

南大門(国宝)
美しい
絵になる
最高。住ませて

境内の片隅にある管理小屋でいいです。1ヶ月くらい住ませて…

中門と五重塔(国宝)
五重塔と大講堂と金堂(すべて国宝)
素敵
映えてる。飛鳥時代から1400年以上、ずっとここで映えている。

飛鳥時代とは
6世紀から7世紀、大陸から伝来した仏教による政治と文化が盛んになり、710年に平城京へ遷都する前の時代。キーワードは、推古天皇、聖徳太子、仏教文化、蘇我氏、大化の改新。

法隆寺のご本尊は金堂(右)に安置されている

釈迦三尊像(国宝、飛鳥時代)

法隆寺の本尊です。中尊と左右脇侍の三尊からなる仏像。聖徳太子のために太子等身の像として造られたことが、仏像光背の裏面に刻まれています。金堂内に安置。

実は、2016年、この仏像を原寸大に完全再現するプロジェクトがありました。

東京藝大の最新技術による画像制作をもとに、3Dプリンタで釈迦三尊像の樹脂原型が作成されました。
原型は富山県高岡市へ送られ、伝統文化である高岡鋳物の職人チームによって仏像鋳造が行われました。

その様子を詳細に、現場の緊張感とともに記録したドキュメント番組を見ることができます。

「法隆寺釈迦三尊像再現プロジェクト」
by 高岡市、砺波市、東京藝術大学、伝統工芸高岡銅器振興共同組合、井波彫刻共同組合の連携チーム
(↓動画あり)

法隆寺から中宮寺へ

東大門(国宝)
夢殿(国宝)
名作漫画『日出処の天子』みんな読んでるよね?まだの人はぜひ読んで
鐘楼(国宝)
屋根の反りを見るがいい。
鐘楼そのものが「美」という漢字に見えてきた
中宮寺。美しい仏様(国宝)でした。

(国宝)という文字を打つのが面倒になってしまうほど、国宝が連発

日本が誇る歴史の深さと圧倒的な美しさ。
法隆寺は、やっぱり青春時代に見ておきたいと思う。

この日の法隆寺は、修学旅行の団体さんでいっぱいでした。
私の知人の中学教師(埼玉県教委)も、この日は修学旅行で来ていたらしい。

学生さんたち、もうコロナには永遠に黙ってもらって、これからも修学旅行へ無事に行けたらいいね。
良くも悪くもいい思い出にしろよ!

終わりに

1.コフィーちゃんと古墳

知ってる人はみんな知っているコフィーちゃん。
前方後円墳ギャルのコフィーちゃん、大好きです。
コフィーのおかげで墳丘墓たちの人気が爆発しましたよね。

古墳は、奈良県以外にもあることを忘れてはいけない。
大阪の堺市には有名な仁徳天皇陵がある。

奈良の前に、じつは堺へも行きました。堺の話は次で書きます。

前方後円墳のトップといえば仁徳天皇陵。
堺の古墳キャンディ(塩味)。汗だくの身体に甘じょっぱさが染みました

2.和洋折衷建築

旧奈良駅舎。美しい。泊まらせて

旧奈良駅の駅舎。
和洋折衷様式は、近代日本建築の魅力の頂点だと思う。

私も奈良駅舎みたいな心意気で生きたい。
新旧と東西のいいとこ取り。絶妙な美的センスを堂々と発揮している。憧れます。

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maamne
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