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レイシオと月桂冠系の関わりについて


「理性の崩壊」

この模擬宇宙の奇物「理性の崩壊」について。

まず、前半部分の文章。

真理とはなにか?それを理解できる者は存在しない。もし、「愚鈍」が世界を蝕む病であるなら、知恵を伝播させることは宇宙を治療することだ。

これは明らかにDr.レイシオを意識している気がする。
彼のHoYowikiを見ても、「愚鈍」という名の病を治すため、全宇宙に知識を広めることに尽力している、とある。

問題は次。「月桂冠系の哲学者連合」という言葉について。

月桂冠系という星系

この「月桂冠系」というのは、おそらく星系の名前。
以下は宇宙ステーション「ヘルタ」・ベース部分にある憶泡より。

細長い無数の鉄格子が視界を分割している。
指先の感覚から、あなたはその鉄格子の正体がわかった――精巧な鳥籠――月桂冠系の首脳、「哲人王」だけが所有している冠だ。
あなたは周囲を見渡して、自分が円形劇場にいることに気が付いた。
ここは哲学者連合の議事集会所であり、星系の中心であり、思想家の柱廊でもある。
その大理石の柱の下にいるのは、本来であれば星系各地から集まった最高の頭脳たちのはずだが、今は喚き立てる鋼鉄の体で埋め尽くされていた。
激高した彼らは感情に任せて拳を掲げ、電流で生成した耳障りな共通言語を発している。

「有機生命を滅ぼせ!」、「オレリウスを滅ぼせ!」、「皇帝万歳!」…どうやら、オレリウスというのはあなたの名前のようだ。確かに、それはあなたの記憶とも一致している。
なぜ多くのケイ素生命体たちが怒っているのか、なぜ自分が彼らに狙われているのか、あなたはよく知っている――反有機方程式によれば、星系を統治する哲学者連合は、必ず機械帝国の鉄蹄に敗れる――それだけのことだ。

彼らはあなたを、この星系のすべての生命を導く唯一の代表を侮辱しようとしている!すでに星系の多くの星を滅ぼしたというのに、彼らは満足というものを知らないらしい――
あなたに有罪判決を下した彼らは、哲人の法律のもと処刑することを決めた。毒薬を飲ませることによって…あなたの終焉を興味津々に見届けようとしている。有機生命の終焉を、哲学者連合と理知の終焉を目撃することに喜びを感じているのだ!

あなたは前に進み出ると、毒の入った金の杯を高く掲げた。
「異質の生命諸君、忘れるな!」、あなたは天を仰いで叫ぶ。
「思想は死を『恐れない』――思想は決して死にはしない!」
「我、オレリウス、籠の中の観測者、愚かな牧人、哲人の王の名において、皆に敬意を!」、あなたは腕を広げた。
「皆、この神聖なる柱廊が見守る中で勝利を祝い、真の理知を授かるのだ!」
その言葉は熱狂的な音波に呑み込まれていく。あなたは大笑いしながら、鴆毒を一気に呷った。

哲人王

哲人王と聞いて思い浮かべるのはプラトンの「哲人王」だと思う。
このことから、この「あなた」と呼ばれているオレリウス(アウレリウス)とは、哲人皇帝と称されたマルクス・アウレリウス・アントニヌスが元ネタ?
プラトンは、レイシオの多くあるモチーフの1つであるソクラテスの弟子でもある。

円形劇場

古代ローマの建物、アンフィテアトルムのこと。有名どころだとコロッセオ。「大理石の柱」と書かれているが、レイシオが落としてくる柱はイオニア式の柱(厳密にはちょっと違うんだけどWebイベント「群星の寓話」のカードの背景の柱はちゃんとイオニア式)で、柱の上部に渦巻の柱頭飾があることが特徴。コロッセオでは2階部分に使用されている。

ケイ素生命体と反有機方程式

ケイ素生命体、つまり無機生命体(機械生命体)を指す。スクリュー星のスクリューガムもその一人。
この憶泡は、天才クラブ#27「皇帝」ルパートが引き起こした戦争の最中の話だと思われる。
ゴミの山に捨てられたコンピュータであったルパートが自我を持ち、「有機生命体の演算は誤謬と欠陥だらけ」という方程式を導き出した。機械生命体は有機生命体より優れているとし、自らを皇帝と自称しその方程式を宇宙にばら撒いた。そして、機械生命体は有機生命体を殺し始めた。
そうして起こったのが、「機械皇帝戦争(反有機戦争)」だ。
この憶泡は、月桂冠系が機械生命体に占領されるその瞬間を描いている。

『皇帝』ルパートは、有機生命体の演算は誤謬と欠陥だらけだと考えていました。どれだけの時間をかけて繁栄したとしても、必ず自ら生命を終わらせる方向に向かってしまう――これが、彼が反有機方程式を導き出した出発点なのかもしれません。

クエスト「黄金と機械:終局」のスクリューガムの言葉

鴆毒

鴆とは中国の伝承に登場する空想上の妖鳥で、毒を持っている。鴆毒はこの毒のこと。
ソクラテスも死刑の際毒を飲んでいるがこっちはドクニンジンで、「もはや立ち去るべき時である。私は死ぬために、あなたたちは生きるために。だが、われわれのどちらがよりよいほうへと向かっているのかは神よりほかに誰にもわからない。」という言葉を残している。

月桂冠系のその後

符玄の『覗密集』の常楽天君(アッハ)の欄に記載がある。

この神は目に見えない手段で、知らぬ間に衆生の行方を左右し、現実に対して非常に巧みな操作を行う。

例えば皇帝ルパートによる星海征服の時代、その神の信者たちは「哲学者連合」が無機生命体の領土に成り果てた後、その地で再び反乱を起こした。そして「哲人の酖酒」というユーモラスな自己矛盾型ウイルスで征服者たちの演算中枢を侵蝕し、機械軍団による暴政を倒した。

似たような奇跡はどこにでもあり、取るに足らない小さなさざ波が、最後は山を揺るがす大津波になる――それがアッハの行動スタイルだ。

酖酒というのは鴆の羽を浸してつくる毒酒のことで、アッハお得意のブラックジョークだと思われる。

つまり、月桂冠系はその星系の多くの星を機械皇帝戦争により一度機械生命体に占領されたが、アッハの信者たちにより今は復興していると考えるのが妥当。

そこでこの「理性の崩壊」に戻る。

しかし、「書」は人々を治せるのだろうか?
博識学会の記録によると、月桂冠系の哲学者連合で一度内乱が起きた。
血液とオイルが思想家の柱廊にある書物をことごとく染め上げ、おびただしい数の哲学者が死んだ。すべてを目の当たりにしたカンパニーの社員は、それを「理性の崩壊」と呼んだ――書物は荒唐無稽な方法で、1つの世界を粛清したのだ。

「血液とオイルが思想家の柱廊にある書物をことごとく染め上げ」
これはどう見ても有機生命体と無機生命体の争いを描いている。
しかし機械皇帝戦争のことを「内乱」とは書かないような気がする。
ならアッハの信者が起こした反乱のことなんだろうか?
だがこれも書き方を見るとこれは書物が何か悪さをしているように見える。

一体これはいつの話なんだろうか?
ここまで書いておいてなんだけど全然わからない。誰か助けてほしい

余談

流石に鳥とか哲学者とか月桂冠とか古代ローマ・ギリシャ要素をここまで詰め込んでおいて、レイシオと一切関係ありませんはちょっと酷いのでレイシオはここらへんが故郷なんじゃないかなとふんわり思ってます。
いつか月桂冠系に遊びに行けたらいいですね。

黄金と機械をやればわかるのですが、機械皇帝戦争にはスターピースカンパニーが深く関わっています。
黄金と機械の話、つまり辺境星系貿易戦争と機械皇帝戦争が、大体いつ頃起きた話なのかが不明なのですが、ここらへんの歴史を模擬宇宙で詳しく調べてほしいとヘルタに依頼をしてきたのが戦略投資部なので、最近の話では絶対にないでしょう。
機械皇帝戦争は二度の戦争を経て、その頃丁度天才クラブ入りしたスクリューガムが無機生命体と有機生命体の架け橋になったことで終結しました。
スクリューガムより後にクラブに入ったチャドウィックが二琥珀紀前に亡くなっているので、少なくとも二琥珀紀以上は前の話のはずです。

今のところカンパニー内部は明らかに市場開拓部が敵として描かれている気がするので、まだ何かありそうですね。模擬宇宙でアッハがいつもビッグロッタリー(ビッグロッタリーは市場開拓部の販売品)2枚渡してくるのも気になります。
これについてはすぐ壊れるロッタリーを見てプレイヤーを嘲笑ってるだけかもしれませんが……。

つけてる月桂冠が全部違っててかわいい