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ちょっぴり狂ったお隣さん3
弁当の件から数日後
今日は講義が昼までで、午後からのアルバイトに向かっていたところに
後ろからこちらに駆け寄ってくる足音が聞こえてきた
瞬時にこの数日間の出来事がフラッシュバックする
講義が一日ある時は、
瑛:はい!今日のお弁当!
休みの日や今日みたいな時はショッピングモールなどで、
瑛:奇遇だね〇〇くん!
会わない日は無いくらい常に池田さんがいた
おそるおそる振り返ると、
さ:〇〇くん、お疲れ様
〇:え、遠藤先輩...!お、お疲れ様です
そこに居たのは大学内でも仲良くしてくれていて、たまたま同じバイト先で働いている遠藤さくら先輩だった
さ:どうしたの?そんなに慌てて
〇:な、なんでもないですよ!それより先輩こそ、午後から講義有るんじゃないですか?
さ:今日は休講になっちゃったんだ
〇:そうなんですか
さ:そう、そしたら急に店長から午後から入ってくれないかって連絡が来てね
〇:じゃあ、先輩もこれからバイトですか?
さ:うん、〇〇くんも今日シフト入ってたよね?
〇:はい、今から向かうとこでした
さ:だよね。それで偶然前に居たから、一緒に行こうと思って声掛けたんだ
〇:なるほどそれで。じゃあ、行きますか
さ:うん!
そのまま先輩とバイト先に向かった
その後ろで会話を聞いている人影があることなど知る由もなく
バイトが終わり、池田さんについて相談したかったこともあって駅まで先輩を送って行くことにした
もちろん誘拐未遂の件は伏せたままで
〇:ってことがあったんですよ...
さ:なるほど、それはなかなか大変だったね...
〇:そうなんですよ...こう毎日だと流石に気が休まらなくて。先輩、どうしたら良いと思います?
さ:そうだなぁ...〇〇くんはその池田さん?のこと、どう思ってるの?
〇:うーん...どう思ってるかはまだよく分かんないですね。ここ数日で知り合ったばかりなんで
さ:そっか、それもそうだよね。...でも気をつけてね、何があるか分かんないから
〇:そうですね...ありがとうございます!
さ:うん、私で良ければまたいつでも相談のるからね
〇:はい、頼りにしてます!
そうこう話しているうちに駅に着き
さ:送ってくれてありがとう
〇:いえ、僕の方こそ相談乗ってもらってありがとうございます!
さ:じゃあ、またね!お疲れ様
〇:はい!お疲れ様でした
先輩を見送りそのまま帰路につきながら
所々辺りを確認しつつマンションまで帰りついた
一安心し自宅の扉の前で鍵を取り出そうとした時、
隣の部屋の扉が開き、瞬く間に体が吸い込まれて行った
〇:うわっ!...い、池田さん!?
瑛:おかえりなさい〇〇君
吸い込まれた先は池田さん家の玄関で、
今日は初っ端からあの目の池田さんが目の前にいた
〇:えっと...どうかしましたか?
瑛:...あの女の人はだれなのかな?
〇:え、女の人...?もしかして先輩のことですか?
瑛:ふーん...先輩なのか
〇:たまたまバイト先が一緒だった大学の先輩ですよ
瑛:...にしては随分楽しそうにしてたじゃん!お昼からずっと一緒で行き帰りまでずーっと一緒でさ!
〇:(なるほど...怒ってる理由は分かった...って)
〇:ってことは池田さん...昼からずっと見てたんですか?
瑛:えっ...そ、それとこれとは話が別だよ!
〇:池田さん...友達って毎日跡をつけてまで会うと思う?
その時の冷たく平淡な口調で話していたのを後になって僕は後になって思い出した
池田さんの見た事のない表情とともに
瑛:え、えっと...それは...ま、待って〇〇君!今日は本当に理由があって...
〇:ごめん今日は疲れたから帰るね
そのまま扉を開け振り返ることなく隣の自宅に帰った
閉まる扉の隙間から
瑛:...ごめんなさい
声は扉の閉まる音に消えた