10回負けたらパーティーしよう🤗

 運動会シーズンに入った。
 当日まで少しずつ練習が続く。
 先ずは、数パターンの並び方を覚えること。
 
 令和に入り、6年目を迎えても尚、このシステムは続く。
 それは置いておくとして…

 一年生のA君はといえば

 並べない


 その心は…

 「負けたくないから」 


 並んだ先には、競争が待っている。
     ↓
 負けたくない。負けるかもしれないことは初めからやりたくない。
     ↓
    並ばない。

 走ることは好き。
 それでも、そんなに速くないから、競走して傷つきたくない。
 (やっかいなことに、比較と評価はいつも顔を出す)

私「じゃあ、10回負けたらパーティーし    よう!」
A「(あっさりと)うん!!」
私「何で負けることにしようかな〜。
 1つ目は、50m走でしょう?」
A(ニコニコしながら、会話を楽しむ)

 繊細で、敏感で、根は優しくて、楽しいことが大好き。
 そんなA君は、頭の中の怪獣に日に何度も襲われている。

 育ちの中で生まれた他人軸という怪獣から、自分を守ろうとしているように見える。
 新しい価値観を増やすことで、安心してほしい。
 
 そこで口から出たのは
 「負けたらパーティーしよう」

 昔、『暗いと不平をいうよりも、進んで明かりをつけましょう』というCMがあったのを思い出した。
 負けて心が暗くなるのなら、パーティーをやって明るい気持ちに切り替えよう。

 何でもやってみることの大切さを味わってほしい。
 だから、チャレンジしたことを祝うパーティーをしたっていいんだよ。

 最近、賞罰の功罪について改めて考えている。
 自分軸で生きる子でいてほしいと願うから、「ほめる&叱る」ことの大切さをつくづく感じている。
 「ほめるのはいいこと」と安易に考えるのは危険だと、サポートという仕事に就いて最初に出会った繊細さんから学んだからだ。

 勝つことに執着するのは、ある意味いい子の証だと思う。
 ①勝てば喜ぶ人がいる。
 ②勝って嬉しい気持ちになる。
 ③勝てば自己有用感が持てる。
 ④勝てば…………
  欲しいものを買ってもらえる😱

 じゃあ、負けたらどうなる?

 頭の中で、瞬時に答えを叩き出す。

 「やらない!!!」

 心の安定、均衡を守っていたい。
 競うことは「怖さ」につながっていくから、

 何もやりたくない。
 

 あと、何回、何十回と、この壁と立ち向かいながら当日の運動会を迎えることだろう。
 その予測はついている。

 やらないという選択肢もある。
 それも見越した上で、A君の学びに寄り添っていくつもりだ。
 乗り越えていく姿をありありと想像出来るし、本来のステキなポテンシャルを信じている。

 まだ、紅白帽子を被らない。
 それは、出来ないのではなく、今の心境を表しているだけ。
 赤白半分ずつのウルトラマンにして頭に乗せたらピンク組の完成。
 赤勝て、白勝て、どちらも応援できるピンク組。そこに笑顔と安心感を得ていた。その後、A君は聞いてきた。
「僕は何組?」
 そして、白い帽子を被った。
 
 運動会の見直しが進む中、プログラムという形はどうであれ、何を体験するかの捉え方は自由だから。
 チャレンジの積み重ねをして、それを一緒に喜ぶだけ。
 本番の運動会当日。それまでにチャレンジしたことを一緒に数えながら過ごしていこう。
 あった事実を言葉にしてA君に聞かせることで、体験した記憶を安心感につなげる。その安心感が次へのチャレンジになると思っている。
 その先、なんか不安だけどやってみるか!と思える時が来ると信じている。
 だから、やりっぱなしのスルーはもったいない。
 こうした変化と成長を目の当たりにするのが、私の仕事の魅力だと思っている。

 この過程を楽しめたなら、本番は出ても出なくてもいいさ。 
 それはA君が決めることだから。

 出ても出なくても、パーティーしよう。
「やってよかった」の記憶を貯蓄していこう。
 

 
 

 



 

 

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