においに関する長年の悩みを解決したい話。
わたしが長年もつ身体的な悩みのうちの一つについて
今日は書いていきたいと思う。
人に近づくほどに気にしてしまう、
夏だけじゃなくて年中、冬も気になってしまう、
それは汗のにおい、
特に脇のにおいだった。
気にし始めたのは中学生の頃。
運動部に所属していたわたしは、たくさん汗をかいた。
ところが、近くにいる女の子たちと、自分からにおうものの
何かが違っていた。
汗が多いこともあり、こまめに汗を拭いたり
汗ふきシートを良く使った。
それでも自分の脇に鼻を近づけてみると、
なんとも言えないツンとしたにおいがする。
ほとんど周りから何か言われたことはなかったし、
露骨に離れるような仕草も見られなかったが
自分自身がいちばん気にしていた。
でもある日、ずっと憧れていた3つ上の先輩に言われた。
それは一緒にスポーツをしている時、
「おまえ、汗くっさいなぁ」
彼は嫌がるような感じではなく、
たくさん汗をかいていることを笑ってからかっている様子だったが
やっぱりわたしはにおうのかぁ、と
ますますコンプレックスを強く持ってしまった。
高校生、大学生になって恋人もできたが、
脇を触られたり、ましてやにおいを嗅がれそうになると
必死に拒否をした。
人とくっつけないほどではないけれど、
やっぱり局所的に気になってしまう。
高校生くらいから強めの制汗剤を毎朝脇に塗ることを習慣にしていた。
完全ににおいがなくなるわけではないけれど
それでもちょっぴりはマシなのだ。
社会人になってもそんな日々を送っていたある日
仕事を辞めるという報告を母にした。
母は静かに応援の言葉を口にして、最後に付け加えた。
「お休みの間にワキガの手術しなさいよ。
女の子がそんなにおいじゃ、ちょっと恥ずかしいよ」
自分ではまだそこまでではないと思っていたものの、
人からすればわたしのこれはワキガだったのだ。
退職に向けて準備をしながら、
ワキガ手術について調べる。
考えられる手術として、主に以下の3つがあるらしい。
特徴をまとめてみる。
・ミラドライ
メスを使用しないため傷跡が残らず、ダウンタイムが少ない。
保険適応外で高額。
・切開手術(剪除法)
症状が特に強く、半永久的な効果を求める方に。
ダウンタイムは長く、傷跡が残ることもあるが保険適用あり。
・ボトックス注射
注射により汗の量を抑えることでにおいが軽くなる。
症状が軽度でワンシーズン(平均6ヶ月)の効果で良い方に。
ダウンタイムの長さや手術痕、痛みのことを考えて
"ミラドライ"という方法を選択した。
痛みにはめっぽう弱く、極力痛くなさそうなものを選んだのだ。
手術費が高額なので、シングル照射にしてもらう。
(トリプル照射まであった)
これで個人差はあるが
50%ほど症状を抑えられたという感覚があるらしい。
まずはカウンセリングに申し込んだ。
その日に手術、という流れも可能だったようだが、
勇気が出なくその日はカウンセリングのみ。
あなたはワキガですよ、というような診断を
してもらえるのかと思っていたのだが、
主観でにおいが気になる人に施術をしているようだった。
そして手術当日。
クリニックまでは自転車で向かえる距離だったが、
術後に痛みが出ることもあり、
電車での通院をお勧めしてもらった。
(ここから、写真はお見せできませんが、文章で気分が悪くなってしまう方はやめておいたほうが良いかも・・・)
まずは医師による説明があるが、ここでトラップ。
どうやら麻酔がとても痛いらしいのだ。
親知らずを抜くときも
子宮頸がん予防接種の筋肉注射も
どうにかこうにか耐えられたわたしは
脇に1箇所ずつの麻酔を耐えれば良いと思い
今回もなんとかなるだろうと思っていた。
ところが脇の手術では、脇の患部の下に
麻酔液でプールを作る感じらしい。
そしてそれは歯医者での麻酔よりも薄い濃度のものを
何回も打つことでできるという。
わたしはまずそれを想像して気分が悪くなってしまい
少し休憩させてもらった。
そんなに繊細なタイプではないはずなんだけど。
5分ほどで落ち着かせて、スタッフさんに
心配をかけながら着替えてベッドに横になる。
まずは照射のための基準の線を脇に書いていく。
普段においを強く感じるところから
外れていないか鏡で確認。
それから保冷剤をもらった。
両脇にはさみ、麻酔の痛みを軽減させるものだ。
冷たすぎるが、これで少しでも痛くなくなるのなら、
と、耐える。
それから麻酔を右脇から打っていく。
あまり細かい作用の説明をされると
また想像して気持ち悪くなってしまうので、
痛いところだけ事前に言ってもらうようにした。
最初の一投はもちろん痛い。
その上長い。
片脇だけで何本打ったのだろう。
見えないし感覚は麻酔が効いている部分もあったため
定かではないがおそらく20本は超えているだろう。
麻酔だけで15分ほどかかったような感覚があった。
麻酔が徐々に効いて次第に痛くなくなるのかと
期待していたがやはり過敏な場所だからか、
しっかり痛い。
ずっと歯を食いしばり、目をぎゅっとつむって息を止め、
少し足元をもぞもぞさせながらどうにか耐える。
これは耐久戦だった。
綺麗なスタッフさんが、
頑張ってくれているのでしっかり効いていますよ、
大丈夫ですよ、
と、温かい手をわたしの手に重ねてくれたのが
なんだかすごく心強かった。
最後までただただ痛く、目元に置かれたタオルをいいことに
少し泣いてしまった。
やっとの思いで片脇の麻酔が終わり、
荒かった息を整える。
麻酔はすぐに効いてきて、ミラドライ照射が始まる。
こちらは全く痛くない。
耐えただけあって、麻酔はしっかり効いてくれていた。
人によってはピリリとした痛みや、
熱さを感じるそうだが、そんなこともなく、
ただなんとなく機械が当たっていることだけを感じていた。
そうしている間に今度は左脇の麻酔が始まった。
とんでもなく長く感じる耐久戦を終え、
こちらも無痛のミラドライ照射。
両脇が完了すると、再び保冷剤で冷やし、
15分ほどで着替えて帰れるとのこと。
帰宅して4時間ほど経つと、麻酔が切れて
次第に痛くなってきた。
もらった痛み止めを飲んで、お風呂に入って
それから今noteを書いている。
脇はぷっくりと浮腫んで、見たことない形になっている。
麻酔箇所は手術直後より内出血が目立ち、
なかなかにグロい。
なんなら少し血が出ていて、着ていたタンクトップの
アームホールは赤く染まっていた。
これを読んで手術を受ける方には、
ぜひとも当日の服装も気を付けてもらいたい。
麻酔はミラドライだけでなく、ほかの方法でも行うよう。
この麻酔による内出血がおさまると
次は照射した患部の内出血が見られるらしい。
しばらくは鏡を見るたびに ひえっ となりそう。
動かすものなんとなく痛そうで
でも患部は清潔に洗わなければ、とシャワーを浴びた。
自分の身体なのだがおそるおそる脇に触ってみる。
なんだ、表面は痛くない。
軽く押してみても大丈夫。
痛いのは内側か、と少し安心し、
石鹸を泡立てて脇を優しく洗った。
しばらくは違和感が続くのだろうが、
どのくらいにおいが抑えられるのか、
楽しみです。
それにしても、麻酔、痛かった。