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足跡の少ないところ

というのも大多数のポリグリットは、わたしの見たところ、生まれとか、人生上の偶然のめぐり合わせのおかげで複数の言語が出来るようになったのであって、たとえば、外国語への関心を原動力にして学習を積み重ねた結果、数カ国語に通じるようになった者とは、明確に区別されるべきだからです。(「わたしの外国語学習法」ロンブ・カトー p32)

「外国語への関心」がある人もいれば、ない人もいる。何かを喋るというとき、日本語だけで考えると、わだかまりができてしまわないだろうか。違う言語で話たり表現しようとするとき、複雑な表現やニュアンスを伝えることができない分、シンプルになってしまうので、かえってそれが考えを整理するのに役立つことがないだろうか。

木田元さんだったかもしれないが、言語を学ぶことは、マイナスがないと言った。増えることはあっても減ることがない。昨日の自分よりは何か成長している気がする。他の学びについても言えることかもしれない。

モチベーションの一つに、人と違うことをしている自覚がないだろうか。英語はみんなできるので、他のことをしなければ、一つ頭抜けることはできない。なかなか道は開けない。人が少なければ、自分が下手であることは、案外バレないかもしれない。

それとは本来少し違う意味だが思い出されるRobert Frostの詩。

Two roads diverged in a wood, and I—
I took the one less traveled by,
And that has made all the difference.
 

とはいってもフランス語話者もたくさんいるし、道のりはまだまだ遠い。 

Skytree le matin

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