12/25

君との写真を全部消す。

悲しい曲をたくさん詰めたプレイリストを開く。

数年ぶりに見たプレイリストにすでに泣きそうになる。

なんで今日なんだよ。

外はクリスマスでキラキラしていて、誰もが輝いて見える。

自分だけがその影になって、光を失ってる気がする。

悲しい曲を聴きながらキラキラした人を眺め、キラキラした街を歩いて、キラキラした思い出を消していく。

笑い声に溢れた思い出が跡形もなく消えていく。

空っぽになって暗い画面と自分が似ているように見える。

3年分の写真は容量をたくさん食っていたせいか、軽くなったスマホと反対に気分がどんどんと沈んでいく。

今日は何も考えたくない。

だから、曲の音量をうるさいぐらいにまで上げて、適当に売ってあるケーキと一緒に家に帰ろう。

ショートケーキかフルーツタルト。

君はフルーツタルトが好きだったっけ。

だから、俺はショートケーキを抱えてレジまで運んだ。

半額シールと一緒に。

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