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「昼はモデル、夜は六本木のBAR―上杉拓哉が挑む二つの顔の物語」
上杉拓哉の物語(続き)
昼はモデル事務所、夜は六本木のBAR。二つの顔を持つ生活が始まった。
昼間の僕は、モデルとしてカメラの前に立ち、洗練されたポーズや表情を求められる世界で奮闘している。オーディションを重ねるたび、徐々に表現力は磨かれていくものの、まだ自分の中で「これだ」と言えるものを掴めずにいた。
一方で、夜になると、僕は六本木のBARで別の自分を生きる。そこは、昼間とは全く異なる「人間味のある世界」だった。
六本木の夜に広がる出会い
BARに訪れるのは、成功者、芸能人、経済人、そして夢を追う若者たち。彼らは、昼間の表舞台とは違い、夜という隙間で本音を見せてくれる。その対話の中には、ビジネスの裏話や成功の秘訣、そして人生の哲学が溢れていた。
僕はカウンター越しに、彼らと向き合いながら学んでいった。「自分をどう見せるか」というモデルの世界のスキルに加え、「人の心をどう掴むか」というBARならではの技術。
「拓哉、このカクテルにお前の個性を出してみろよ。」
先輩スタッフのそんな言葉に導かれ、カクテル一杯にさえ自分の色を込めようとする。言葉を選ぶ、表情を作る、そして空気を読む――昼と夜、それぞれの現場で得たスキルが互いを補完していくような感覚だった。
昼と夜の交差点
昼間、モデルとして自分の見せ方を研究する時間。夜は、BARで人と人との繋がりを深める時間。その両方の経験が重なり合い、「本当の自分とは何か」という問いに少しずつ答えを与えてくれている気がした。
モデルとしてカメラの前に立つ時、BARで誰かと話す時、その瞬間瞬間に生まれる「自分らしさ」が、少しずつ形になり始めている。
昼も夜も全力で挑むこの日々が、やがて僕をどこへ導くのか。それはまだわからない。ただ、確信していることが一つだけある。
この二つの顔を持つ生活が、僕の人生を豊かにしているということだ。
次回:六本木のBARで出会った一人の成功者が、上杉拓哉の人生を大きく動かす――その瞬間とは?