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「六本木から生まれた発想―上杉拓哉が挑む新しい広告ビジネスの形」

上杉拓哉の物語(続き)

井上との出会いで、自分の人生にもフレームワークが必要だと気づいた僕は、モデル事務所を退所する決断をした。昼間のモデル業は、自己表現を磨く貴重な経験だったが、それ以上の発展性を感じられなくなっていた。そして、もっと自分の手で未来を創るため、本格的に起業家としての挑戦を始めることを決意した。

退所後も、夜の六本木のBARは僕にとっての学びの場だった。そこでの出会いは僕の人生を大きく動かしてくれる。ある夜、常連客の一人として来店したのが、大手広告代理店で長年働いてきた清水さんだった。

清水さんとの出会い――広告代理店のビジネスを知る

清水さんは、アナログ広告業界で数十年のキャリアを積み、新聞・雑誌・テレビを中心とした広告戦略を手掛けてきたベテランだった。時代がデジタルへと移行する中でも、アナログ広告の強みを生かし、企業やブランドの成長に大きく貢献してきたという。

「広告代理店の本質は“目立つ場所”を確保することだ。どんなに良い商品やサービスがあっても、誰にも知られなければ存在しないのと同じだ。」

清水さんはそう語りながら、広告ビジネスの仕組みを分かりやすく説明してくれた。

清水さんが教えてくれた広告代理店の基本
1. 目立つ場所を確保する
広告代理店の役割は、企業の商品やサービスを「人々の目に触れる場所」へ届けること。新聞の一面広告、雑誌の見開きページ、テレビのゴールデンタイムなど、消費者が最も目にする場所を「財産」として扱う。
2. メディアの交渉力
メディアと交渉し、広告枠を買い取るのも代理店の仕事だ。いかに安く、効果的な広告スペースを確保できるかが、代理店の腕の見せどころとなる。
3. マーケティング戦略の設計
広告は単なる露出ではなく、マーケティング戦略と一体化してこそ効果を発揮する。ターゲットの行動を読み取り、メッセージを緻密に設計し、広告の効果を最大化することが求められる。
4. 信頼関係の構築
クライアント企業だけでなく、メディアや制作チームとの信頼関係が代理店の価値を決める。長期的なパートナーシップを築くことで、安定した広告運用が可能になる。

清水さんの話を聞きながら、僕の中で一つのアイデアが芽生えた。

広告代理店の進化――目立つ場所が財産になる

「広告代理店が扱う“目立つ場所”が財産になるなら、今の時代に合った新しい目立つ場所を見つけるべきではないか?」

清水さんのアナログ広告の話をヒントに、僕はデジタルの世界で「新しい目立つ場所」を作り出す構想を描き始めた。SNS、インフルエンサー、動画プラットフォーム――これらの新しいメディアは、アナログ広告が持つ「広範囲にリーチする力」とは異なり、ターゲット層に絞った強い影響力を持つ。

「企業がマーケティング戦略を成功させるためには、この“デジタルの目立つ場所”をいかに効果的に活用するかがカギになる。」

次の挑戦――マーケティング戦略の再構築

清水さんから学んだアナログ広告の基本をベースに、僕はデジタル広告の可能性を組み合わせた新しいマーケティング戦略を設計することを決めた。

「ただ目立つだけじゃなく、心に届く場所をつくる。」

それが、僕の新しい事業のフレームワークになる。六本木の夜から生まれたこのアイデアが、やがて大きな挑戦へと繋がっていく。

次回:清水さんとの協力で、上杉拓哉が描く新しい広告ビジネスの形とは?

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