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「徳島を世界のブランドに―上杉拓哉の地方創生新戦略」

上杉拓哉の物語(続き)

徳島でのプロジェクトは、僕に新しい視点と大きな手応えを与えてくれた。地方創生にマーケティング戦略を加えることで、地域資源がどれだけ魅力的に映るのかを、目の当たりにしたのだ。

しかし、ここで一つの疑問が湧いた。

「地方の魅力を発信するだけで終わっていないか?」

特産品が売れる、観光客が増える。それだけでは、本当の地方創生とは言えないのではないか。僕の目標は、一時的な成功ではなく、地域が自立して成長できる「持続可能なブランド」を作り上げることだった。

地方ブランドの創造――次なるステップ

徳島での経験から、地方ブランド戦略に必要な要素が少しずつ見えてきた。それは単なる商品やサービスの販売ではなく、「地域そのものをブランドにする」ことだった。

地方ブランド戦略の3つの柱
1. 地域のアイデンティティの確立
地域独自の文化や歴史、自然を深掘りし、その価値を現代的な視点で再解釈する。「徳島=○○」といった明確なイメージを国内外に定着させることが重要だ。例えば、阿波踊りや神楽を活用した「祭りと文化の地域」としてのブランディング。
2. 地元企業のネットワーク構築
地域内の事業者同士が連携し、共通のブランド戦略のもとで活動することで、単独では得られないスケールメリットを生み出す。地元の農業、工芸、観光業を繋げることで、地域全体を一つの「ブランドエコシステム」として形成する。
3. デジタルとリアルの融合
デジタルマーケティングで全国、さらには海外に発信しつつ、実際に徳島を訪れた人々にリアルな体験を提供する。例えば、オンラインで阿波踊りの体験チケットを販売し、現地で踊りを楽しむといった流れを作ることで、デジタルとリアルの相乗効果を狙う。

新たな出会い――影響力のあるパートナー

徳島での活動が少しずつ形になり始めた頃、またしても六本木のBARでの出会いが僕の人生を動かした。

その夜、常連客として来店したのは、国際的なブランドコンサルティング会社で働く女性、松本沙織さんだった。彼女は、ヨーロッパやアジアの地方都市で数多くのブランド戦略を手掛けた実績を持つ人物で、地方の潜在力を引き出すプロフェッショナルだった。

「地方ブランドを作るのは簡単じゃない。でも、一度確立されれば、地域そのものが“財産”になる。」

沙織さんはそう言いながら、彼女が手掛けたヨーロッパの地方都市の事例を話してくれた。

「例えば、イタリアのトスカーナは、ただの田舎だった場所を“ワインとアートの街”としてブランド化した。あなたの徳島にも、それと同じ可能性があるわ。」

彼女の言葉に、僕の中で新たな目標が生まれた。徳島を、日本だけでなく世界に通じる「地域ブランド」として確立する。それが僕の次なる挑戦になる。

具体的なアクションプラン
1. 「徳島ブランド戦略会議」の設立
地元企業、行政、地元住民を巻き込み、地域ブランドの方向性を話し合う定期会議を設立。徳島の未来を共有する場を作る。
2. 海外マーケットへの進出
徳島の特産品や文化を海外に向けて発信。特に、欧州やアジアでの展示会やフェスティバルに参加し、現地での認知度を高める。
3. インフルエンサーの起用
国内外で影響力のあるインフルエンサーを活用し、徳島の魅力をSNSや動画プラットフォームで広める。彼らの発信力を通じて、若い世代の関心を引き付ける。
4. 持続可能な仕組みの構築
地域ブランドが一時的な成功で終わらないよう、地元の若手人材を育成し、地域を支える次世代のリーダーを生み出す教育プログラムを展開。

次なる挑戦の始まり

「徳島を、世界に誇れる地域ブランドにする。」

この目標を胸に、僕は再び行動を開始した。清水さんや松本沙織さんといった多くの出会いを通じて得た知見を活かし、新たな地方創生モデルを実現するための一歩を踏み出す。

次回:徳島でのプロジェクトが動き出し、上杉拓哉が直面する新たな壁と、それを乗り越えるためのアイデアとは?

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