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「目立つ場所から心に届く場所へ―上杉拓哉が挑む広告革命」

上杉拓哉の物語(続き)

清水さんとの出会いから得たインスピレーションをもとに、僕は「新しい広告の形」を形にするための具体的な行動を始めた。彼が語るアナログ広告の強みと課題、それを現代のデジタルメディアの力で補完することで、これまでにないマーケティング戦略を生み出せるのではないか――そう確信していた。

清水さんとの協力

「清水さん、一緒に新しい広告戦略を作ってみませんか?」

そう持ちかけると、清水さんは驚いた表情を浮かべながらも、すぐに興味を示した。

「俺はアナログの人間だが、確かにデジタルとの融合はこれからの広告代理店には必要不可欠だ。お前みたいな若い視点があるなら、面白いものができるかもしれないな。」

清水さんは僕に、広告業界の裏側やクライアントとの交渉術、メディアとの付き合い方など、実践的なノウハウを惜しみなく教えてくれた。そして、彼の人脈を使っていくつかの中小企業を紹介してもらい、僕の新しいマーケティングモデルをテストする場ができた。

「新しい目立つ場所」を作る構想

僕が目指したのは、ただデジタル広告を運用するだけではない。企業のマーケティング戦略をゼロから再設計し、「目立つ場所」を最大限に活用する仕組みを構築することだった。

新しいマーケティング戦略のポイント
1. ターゲットの明確化
デジタルの強みは、データを基に消費者の行動や興味を深く理解できること。SNSや動画プラットフォームのデータ分析を活用し、企業が本当に届けたい相手に正確にリーチする仕組みを構築した。
2. ブランドストーリーの構築
ただ広告を出すだけでは消費者の心は動かない。企業や商品の背景にあるストーリーを掘り起こし、コンテンツとして発信することで、ブランドの魅力を強く訴求する戦略を導入。
3. アナログとデジタルの融合
清水さんの知見を活かし、テレビや雑誌などのアナログ広告との連動企画を提案。例えば、テレビCMを見た視聴者がSNS上でキャンペーンに参加する仕組みなど、クロスチャネルの戦略を試みた。
4. 「目立つ場所」の再定義
従来の広告枠だけでなく、インフルエンサーやコミュニティ、イベント会場そのものを「目立つ場所」として活用する新しいモデルを提案。例えば、商品が自然に目に留まるようなPRイベントや、SNSで話題になる仕掛けを組み込んだ。

初めてのクライアントと挑戦

初めて手掛けたのは、地方で展開する小さな飲食チェーンだった。地方に根付いたアナログ広告を主軸にしながら、SNSを活用したプロモーションを追加提案。具体的には、地元の特産品をテーマにしたイベントを開催し、その様子をインフルエンサーと連携して発信するというものだった。

結果、イベント当日は予想を超える集客を達成し、SNS上でも話題になった。クライアントは「これまでにない結果が出た」と喜び、次のプロジェクトの依頼も受けることになった。

清水さんの言葉と次の挑戦

プロジェクトの成功を祝う乾杯の席で、清水さんがこんな言葉をくれた。

「お前は“目立つ場所”だけじゃなく、“心に届く場所”を作ってる。これからもその感覚を忘れずに進めよ。」

その言葉は、僕にとって何よりの励みだった。広告業界の常識に縛られず、消費者の心に響く新しい形を追求する。それが僕の目指す道だと、はっきりと確信した瞬間だった。

次回:新しい広告ビジネスを軌道に乗せた上杉拓哉が次に挑むのは、地方創生プロジェクト――徳島との意外な繋がりが明らかに。

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