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「徳島から世界へ―上杉拓哉が描く地方創生と新たな地域ブランド戦略」
上杉拓哉の物語(続き)
清水さんとの協力で、新しい広告ビジネスの可能性を見出し、僕は次々とプロジェクトを手掛けていった。地方の中小企業やスタートアップを中心に、マーケティング戦略をゼロから設計し、「目立つ場所」と「心に届く場所」を繋げる広告モデルを構築していった。
少しずつ実績を重ね、広告代理業としての基盤が整い始めた頃、僕は一つの問いに直面していた。
「このビジネスをどう広げていくのか?」
東京という経済の中心で仕事をする日々は充実していたが、同時に限界も感じていた。広告戦略を通じて目指していたのは単なる売上向上ではなく、企業や地域の未来を作ること。もっと広い視点で「社会に何をもたらせるか」を考える必要があった。
そんな時、思いがけないきっかけが訪れる。
徳島との再会――地方創生プロジェクトの始まり
BARで出会ったある客が、徳島の地方自治体と連携して地方創生プロジェクトを推進していると話してくれた。聞けば、そのプロジェクトは地域の文化や特産品を活用した産業振興がテーマであり、新しいマーケティング戦略を模索している段階だという。
「徳島か…」
その地名を聞いた瞬間、僕の中で何かが動いた。以前、神楽創生プロジェクトを手掛けていた頃の記憶が蘇り、再び地方と関わることで、新しいビジネスモデルを作れるのではないかと直感した。
「ぜひ一度話を聞かせてください。」
こうして、僕は徳島を訪れることになった。
徳島での課題と可能性
現地で見たのは、都会とは全く異なる風景だった。豊かな自然、誇り高い伝統文化、そして地域を支える人々の熱意。しかしその一方で、少子高齢化や後継者不足、産業の衰退といった現実的な課題も山積していた。
地方には資源がある。しかし、その価値をどう「目立つ場所」に届けるかが課題だと感じた。地元の伝統工芸品や特産品は質が高くても、認知度が低く、都会の消費者には届いていない。
僕はすぐに行動を開始した。地方創生プロジェクトにマーケティングの視点を加え、徳島の魅力を全国、さらには世界に届けるための戦略を練り上げることにした。
徳島でのマーケティング戦略の骨子
1. 地域のストーリーを掘り起こす
神楽や伝統工芸、特産品に隠された歴史や文化を、現代の消費者に響く形で再構築。感情に訴えるストーリーを作り、それをコンテンツ化する。
2. デジタルとリアルの融合
デジタル広告を活用して全国に発信するだけでなく、実際に徳島を訪れる観光客の体験を強化。観光と特産品購入を連動させる仕組みを作った。
3. インフルエンサーとコラボレーション
SNSで影響力のあるインフルエンサーを招き、徳島の魅力を発信してもらうイベントを開催。地方と都会を繋ぐ架け橋としての役割を担ってもらった。
4. ローカルビジネスのネットワーク化
地元の複数の事業者を連携させ、一つのプロジェクトとして規模感を持たせることで、大手メディアや企業との協業を実現。
新たな挑戦へ
徳島でのプロジェクトは、僕の中に眠っていた「地方を未来へ繋げる」という思いを再び燃え上がらせた。そして、その挑戦は広告業だけに留まらない。地方創生の枠を超え、地域を一つのブランドとして世界に発信する――そんな新たなビジョンが見えてきた。
東京と地方、デジタルとリアル。その全てを繋げるフレームワークを作ることが、僕の次の挑戦だ。
次回:徳島での成功を経て、上杉拓哉が目指す「地域ブランドの創造」とは? そして、新たな出会いが彼の人生をさらに変える――。