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2026年WBC予選 概要と展望

侍ジャパンが連覇を目指す2026年のWBC。そのWBCを目指す予選が今月から始まります。そんな予選の概要と展望について、今回記載していきます。


WBCの予選とは

現在、サッカーの日本代表は2026年の北中米W杯に向けてアジア予選を戦っています。ですが侍ジャパンはこれまで、WBCに向けて前年などに予選を戦っていたことはあったでしょうか。
そんな記憶ないですよね。

ですがWBCでも実は大会前年に予選も行われています。ただWBCは前回大会で一定以上の成績を残したら次回大会で予選が免除であり、侍ジャパンは毎大会で好成績を残しているため、これまで予選が免除になっているのです。

ちなみに前回大会で侍ジャパンが東京ドームで韓国やチェコと対戦したのを「WBCの予選」と呼んでいるメディアもありますが、あれは「本大会の1次ラウンド」であり予選ではありませんので注意が必要です。

2026年WBC予選の概要

まず前提として、WBCの予選が免除され既に出場が決まっているのは以下の16か国。前回大会で1次ラウンド最下位でなかった国です。
キューバ
イタリア
オランダ
パナマ
日本
オーストラリア
韓国
チェコ
メキシコ
アメリカ
カナダ
イギリス
ベネズエラ
プエルトリコ
ドミニカ共和国
イスラエル

上記16か国に予選を通過した4か国が加わり、20か国で本大会が行われます。本大会の1次ラウンドは既に組み合わせが発表されていますが、予選終了後に突破した4か国がそれぞれどのプールに割り当てられるか、追加で発表されます。

2026年WBC組み合わせ

予選の概要は以下の通り。8か国が2グループにわかれ、両グループの上位2か国が本大会へ進出します。

予選1組(日程:2/21~25 開催地:台北)
台湾
ニカラグア
スペイン
南アフリカ

予選2組(日程:3/3~3/7 開催地:アリゾナ)
コロンビア
ブラジル
ドイツ
中国

予選の形式は、まず4か国が総当たりで対戦し、1位の国は本大会出場が決定。そして2位と3位の国が最後に出場決定戦を行い勝者が本大会出場です。

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もちろん野球が行われいる国は上記以外にも多くあるのですが、他の国際大会の結果などを踏まえ主催者(MLB)がこの国々を選出しています。

今年秋の欧州野球選手権には予選を含め26か国が出場ですが、その中で2026年WBCに出場するのは7か国だけであったり、個人的にはもっと門戸を開いてほしいと感じています。
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予選の展望

ここからは予選の展望を語っていきます。

予選1組(日程:2/21~25 開催地:台北)

こちらのグループは、予選突破の大本命は昨年のプレミア12王者の台湾でしょう。そして追うニカラグアとスペインですが、この両国どちらが上かは非常に読めません。

台湾は前回大会のプールAが全チームが2勝2敗で並ぶ超混戦で、台湾も2勝を挙げながら得失点率で最下位になってしまいましたが、やはり予選では頭一つ抜けた存在。

大混戦だった前回大会プールA

今回の予選で台湾は昨年のプレミア12でMVPの陳傑憲や、今季から日本ハムに加入した古林睿煬、元メジャーリーガーの張育成など強力メンバーを揃えました。そして開催地の台北ドームは既にチケットも完売で、地元の大応援の中で戦うことになります。

前回出場のニカラグアは米球界でプレーする投手が多くいますがあまり招集できず、また主砲で元メジャーリーガーのCheslor Cuthbertが怪我で欠場。とはいえ1月に行われた中南米の国際大会では、今回と似たメンバーでキューバやコロンビアなど退け準優勝しています。
注目選手でいうと、投手では今冬はメキシコのウィンターリーグで活躍した右腕Ronald Medrano。エースとして期待される彼をどの試合で先発させるかもカギとなりそう。野手では北米独立リーグでプレーするChase Dawsonなどが軸となりそうです。
事前合宿は宮崎で行ったニカラグア。野球を国技として愛する国民の期待に応えるべく2大会連続出場を目指します。


スペインは長らく中南米系の帰化選手や移住者を中心に野球が行われてきた国ですが、2023年の欧州野球選手権ではオランダなどを破り欧州王者に。そのメンバーが今回も多く入った上、カブスの有望株で昨年マイナーリーグで20本塁打のFelix Stevensも加わり強力な野手陣に。投手では2023年にCPBLでもプレーしたElian Leyvaや、ドイツの野球ブンデスリーガでプレーするPablo Guillenが中心でしょうか。
前回大会の予選ではイギリスとチェコの前に接戦の末敗れ出場を逃したスペイン、3大会ぶり出場を目指します。

南アフリカでは都市部の白人富裕層を中心に野球が行われてきたアフリカ最強国。とはいえ世界では中々結果を残せず、今回の予選でも他3か国より戦力的には劣ります。
その中で絶対的エースとして期待されるのが、マイナーリーグやCPBLでプレーしてきたDylan Unsworth。球数制限もある中で彼の起用はカギとなりそうです。野手ではドイツの野球ブンデスリーガで活躍するChris Beyersが中心でしょうか。またチェコリーグでプレーする遊撃手Tyler Smithを中心に硬い内野守備は強み。

全体的に見るとスペインの強力な打撃陣を、守りが強みのニカラグアと南アフリカが如何に抑えられるか、そこがカギになるかと思っています。

予選2組(日程:3/3~3/7 開催地:アリゾナ)

※2025/2/15追記
大本命はコロンビア、続くはブラジルがやや優勢で追うドイツ、そして中国も侮れないというイメージです。

カリブ海沿岸部を中心に野球が盛んなコロンビア。今回の予選出場チームではダントツで豪華なメンバーを揃えました。投手では昨年もメッツでローテーションを担ったJose Quintana、昨年ドジャースで大谷や山本ともプレーしたNabil Crismattなど招集。野手では現役メジャーリーガーのGio Urshela、MLBで一昨年12本塁打のHarold Ramirezなど頭一つ抜けた戦力です。懸念点は前回大会では4強入りのメキシコを破るもイギリスに敗れた不安定さでしょうか。
現在NPBにもソフトバンクのダウンズ、ロッテのゲレーロ、オリックスのディアスと3人のコロンビア人が在籍。今回は招集外ですが予選通過したら来年の本大会で代表入りもあるでしょう。

追うは日系人コミュニティと共に野球が発展し、今回はヤクルトでコーチを務める松元ユウイチ監督が率いるブラジル。選手でも日本球界経験者が11人おり非常に日本と関わりが深いチーム。
今回のメンバーでは西武のボータカハシ、ブルージェイズで昨年3Aに昇格した日系右腕のEric Pardinho、広島などでプレーし現在はオーストラリアで活躍する仲尾次オスカルなど投手に人材が揃っています。野手では2013年WBCでも活躍したLeonardo Reginatto、昨年BCリーグの栃木でもプレーしたVictor Coutinhoあたりでしょうか。

一昨年のパンアメリカン競技大会ではキューバやベネズエラを破り銀メダルのブラジル、13年ぶりのWBC出場なるでしょうか。

ドイツは一昨年の欧州野球選手権で4強入りした欧州の強豪。今回はメンバー入りしていませんがMLBではドイツ人メジャーリーガーのMax Keplerが活躍。また国内リーグである野球ブンデスリーガではロッテなどで活躍した久保康友が今もプレー。
今回のメンバーでは、投手では昨年の侍ジャパン×欧州代表で来日したMarkus SolbachやSven Schueller、北米独立リーグでプレーするTommy Sommerなど中心となりそう。野手ではドイツ人として初めてMLBでもプレーしたDonald Lutzや米国の大学リーグで活躍するSimon Baumgardtが中心でしょうか。また両親がテニス界スターであるJaden Agassiの代表入りは注目されてますね。

ドイツ代表は過去の国際大会を見ても強力打線ながら守備の乱れなどで敗れるケースが見られました。2023年より就任した元内野手であるスピアー監督のもと、改善した姿を見せられるでしょうか。

中国は前回大会の日本戦でも活躍した楊晋や梁培のほか、怪我から復帰した150キロ右腕の趙倫などメンバー入り。中国系米国人が3人加わりましたが、大半は国内でプレーする中国人選手です。
戦力的にこそ他の3か国より劣りますが、近年の中国代表は国際大会で躍進。一昨年の杭州アジア大会では社会人野球のメンバーで構成された日本代表に1-0で勝利。昨年のU-23W杯ではオーストラリアやベネズエラを破り12チーム中4位。上記2大会のメンバーが多く今回もおり、国際舞台で勝利した経験値は今までの中国代表とは違います。

全体的に見ると投手力のブラジルと打撃力のドイツ、そこに中国がいかに割って入るかという構図のイメージです。

ピッチクロック導入

※2025/2/15追記
台湾メディアによると、今回の予選でピッチクロックは走者なしで15秒、走者ありで18秒とのこと。この点はおそらく本大会でも同様でしょうし、こういうルール面にも注目です。

視聴方法

前回大会に引き続き、予選は大会公式YouTubeにて無料で視聴可能です。

侍ジャパンは大会初戦の相手が予選通過国。そういう意味でもどの国が勝ち上がってくるか注目です。



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