#871さんに質問 2020年SS - part1
こんばんは。ヒップランド 、スタッフの佐々木です。
今年の4月に、Twitter上で #871さんに質問 のタグに集まった過去の質問とお返事をまとめました。例のごとく、どなたかのご参考になれば何より幸いです。
ひとつめからお返事いたしますね。
どれくらいの規模のイベントで何組くらい出演するのかなどによって色々変わってきそうですが、基本的な思う部分です。
まず「知り合いかどうか」がどれくらい関わるかでいうと「知り合い」が良い方に働くのは、その時点までの信頼関係によって、プレゼンする時間がもらい易くはなる、という程度だと思います。知り合いからのオファーでもメリットや魅力、出演する効果が感じられなければお断りするケースも多くあると思います。
言い換えると知り合いでなくとも、メリットや魅力、出演する効果をイメージできれば出演するのではないかと思います。
そしてどういう誘いが魅力的か。
出演者側にとってのメリットはそれぞれだと思いますが、シンプルにいくつか思い浮かぶ部分があると思います。お客さんが沢山いるとかそういう事も含めて。そのシンプルな部分の有無は簡単には埋められない事も沢山あると思います。
とはいえ、そこから目をそらさずに、真剣にそこに繋がるように出演者と一緒に、それ以上に向き合ってくれるイベント主催者さんは、とても魅力があるなと思います。主催者として出演者に何を提供できるか、小さい事も含めて、それを突き詰めて考えてみる事をお勧めいたします。
そしてふたつめの質問。
「自分の直感のままに、魅力を感じた若手のバンドについていって良いかどうか」こちらにお答えする為にも、一旦最後の「自分はどういった作用をする存在であれば良いか」から考えてみますね。
その若手のバンドが「自分を応援してくれる他人に何を求めているか」これを想像してみる、もしくは直接聞いてみる、から始めてみてはいかがでしょうか。
それと、自分がしたい事/できる事、またそれらを通じてあなたが得たい事、例えば分かりやすいのはギャランティかもしれませんがギャラ以外にも経験値や利用できるポジションなどもあるかもしれません。
それらのマッチングが可能そうであれば、そのバンドを直接お手伝いできることがあるかもしれません。
もし難しそうであれば「直接的な(近くで)作用できること」は今はないのかもしれません。「作用」という言葉を、こういう場面であまり使い慣れていないので少しずれているかもしれませんが「好きなバンド」にできる「作用」は近くで直接的でなくともありそうな気もします。
少しざっくりしてしまいましたが、、、
ここまでを踏まえて「自分の直感のままに、魅力を感じた若手のバンドについていって良いかどうか」を考えます。
「自分を犠牲にしてでも」という表現が気になるところではありますが、続ける為には「犠牲」だけではどこかで無理が生じてきます。
上記で出てきた「あなたが得たいこと」を得られるかどうか、が大きなポイントになると思います。お互いの「求めるもの」「できること」がマッチングしていてお互いの利益設計ができそうな見込みがあれば、飛び込んでみるのも良いかもしれません。
その設計をせずにチャレンジする事を「飛び込む」と呼ぶのであれば、僕にはチャレンジする前段階として、お互いが必要なモノを積み重ねる時期なのではないかな?という風に思えます。
状況・経験値・考え方が大きく関わる問題で、YES・NOで答えられずにすみません。長くなってしまいましたが、僕なりのお答えとして、でした。
熱い気持ちはそのままに、頑張りましょう!!
「地方」とひとことで言っても、その地方具合も様々ですよね。おそらく察するに「自分の住む都道府県に来てほしい」という事かなと思うのですが、ひとまずその感じでお答えいたしますね。
バンドやアーティストは、まずツアーのスケジュール、行くエリア・会場の規模から決めていきます。
それらを決める際に、まずは、そのツアーにどれくらいの期間を使うか(制作やイベント出演などと天秤にかけて)を考えます。
その結果行く箇所が決まります。
また集客の規模感や演出に合わせた会場があるかどうか、まずそこが重要なポイントになります。
例えば1000人以上が見に来てくれる事が予測される(目標を立てられる)バンドが、その土地に行くのに300人しか入らないライブハウスでライブを行うのは効率が悪く、ファンにとっても、来てくれたのにチケットが取れない、となり、あまり良いことではないですよね。
まずここが集客と会場のバランスになります。
またその逆も然りです。その土地に300人キャパのライブハウスしかない場合、集客が100人くらいのバンドが訪れるのは中々危険な選択になります。
演出においても、ステージの面積・高さ・設備などにより、表現できない(楽器が乗り切らない)というようなケースも多々あります。
という事がありますが、例えば「47都道府県ツアー」というような事をアーティストによっては、また時期によっては実施しますね。
その場合は、どういう意図で実施しているのか、僕の思うところをお話しします。
ひとつはこれまでにお答えした、キャパシティや演出での規模によるマイナス面を負ってでも「直接その土地に行く事」を優先するツアーを何年に一回は実施する!という活動における趣旨の1つとして強く持っている人たち。これはライブハウスツアーでよく見るパターンです。
また、意思は近いところにあるかもしれないですが、リスクが全然違うのが「ホールでのライブをできる(望む)」人たちのホールツアーです。ライブハウスは中々適正な規模や設備が全国的に揃いませんが、ホールはある程度どの地域にも存在しています。各都道府県で2000人くらいの集客力があればある程度の経済的リスクや演出面での妥協をせずに地方で公演を実施できます。
例えば「ドームツアー」を実施するアーティストが「ドームのない都道府県に来ないこと」、この大きいパターンは想像がつきやすいですよね。
あとは、そもそもリリース(楽曲制作)やイベント出演もある程度重要視するアーティストは自分たちのツアーに割ける期間も減ってきます。
そういう目線をもって、ツアースケジュールを見る事で、そのアーティストが「今何を優先しているのか」「このツアーは何を実践しようとしているのか」や、逆に「何故今回は地方をたくさん回るのか」などそういった事も少し見えてくるかもしれません。
ご自身がお住いの地域にどんな会場があるか、どういったタイミングであれば、その会場での公演が、そのアーティストにとってベストなのか、そんな事を想像してみる事で少し疑問が晴れるかもしれないなと思います。
お答えになっていれば幸いです。
中々デリケートな部分ですね。
質問を少し端的に「好きなバンドが所属する事務所の採用面接でそのことを伝えるのはプラスかマイナスか?」とシンプルにしてみますね。
経験値上「ファンを採用する」という事に抵抗があったり避ける傾向にある会社は少なくないと思います。
それは単純に「動機がそれだけだとしたら、仕事がどれくらいできるのか不安」「万が一、演者に何かあると不安」そういった心理なので、僕も気持ちはわかります。
ただ、動機のひとつに「好きなバンドが所属する事」が含まれているのに、伝えず後々に明るみに出た時の方が、不安でもあります。
動機は動機として、素直に伝えてみるのも良いのではないかと思います。そのことが不安要素になりえるという事は自覚した上で。
ただ、ファン心理というものは不安要素でもありますが、強いモチベーションを発揮してくれるという点ではプラスの面もあると僕は思ってもいます。
あとは「その会社・組織に自分を採用する事でどんなメリットがあるのか」それを持っているか、伝えられるかどうかの方が大事だと思います。
採用されるもされないも「ファン心理」だけを理由にせず、自分の能力や得意な(他人の役に立てる)部分と向き合って、面接に望んでみてもらえると嬉しいです。
もし僕の所に面接に来ることがあれば、隠さず伝えてもらう方が僕は嬉しいです。そのことも踏まえて、冷静に面接をさせていただきます。
いつかお会いすることがあれば。お待ちしております。^^
「秘訣」というのは思い浮かばないです、ごめんなさい。
「面接が苦手」というのは「初めての人に対して会話と自己アピールをするのが苦手」という解釈で大丈夫でしょうか。
ひとつ思うこととしては「面接」の目的を改めて考えてみてはいかがでしょうか。言い換えると、面接をしている側は何を知りたいのか?を考えてみる、とも言えます。端的に言うと「あなたは何ができますか?」です。
会話するのが苦手(緊張してしまうなど)なら自分のやってきた事を分かりやすくまとめた資料を持っていくのも、ひとつの手だと思います。
「面接」と言う事なのでおそらく雇用や業務委託などの採用面接だと思うのですが、その面接を通過した先に待っているのは「その会社や関わる人に対して、お給料と引き換えに価値(もしくは労働)を提供する」です。
どんな価値や労働を提供できる人なのか?を知る(伝える)事が面接の目的と言えるでしょう。
緊張しがちな人だったとしても価値や効果的な労働を提供してくれそうな人であれば、採用すると思います。
大切な事は2つありますね。
・提供できる価値(or労働)を持っている事。
・それらを分かりやすく明確かつ与えられた時間内に伝える事。
ちなみに、、、僕は自分のギャラを自分で言える人を割と評価してしまう気があります。自分の(時間や能力)の適正価格を知っている(決められる)ということ自体の能力を高く評価しているからだと思います。
緊張(と決めつけてすみません)に囚われず、ご自身の能力を磨き、自己分析の精度を上げてみてもらえると嬉しいです。
まず「オーラルの撮影」に関しては特定アーティストの範囲に入ってしまうので、横に置かせてもらいますね。
その上で「好きなアーティストの写真を撮りたい夢」をどう叶えるか、という相談だとしてお答えします。
あなたが素晴らしいと思うカメラマン、もしくは好きなアーティストを撮影しているカメラマン、その人たちの撮る写真の素晴らしいと思う部分を分析してみましょう。
そして、それよりも自分自身で良いと思える写真を撮れるかどうか、それがまず最低条件です。
いろんな見解・考え方があると思いますが、カメラマンはまず、技術職です。その技術を持っているのが最低条件で、その上で営業能力次第でチャンスの数や、それを物にする精度が変わってきます。
とはいえ、技術が着くまで売り込みをしてはいけない、という事でもありません。その技術を評価してもらえない場合は辛い反応を受ける時もあると思いますがそれも経験、自分の糧だと思い、鍛錬を積むことに繋がるのであれば、売り込みも良い手段だと思います。
簡単な道のりではないと思いますが、自分のために頑張ってみてもらえると嬉しいです。
(↓同じ方の質問が続きます)
少し自分の言葉の使い方が限定的だったので補足します。
カメラマンにおける「技術」とはカメラや照明の操作設定技術のみではなく、洞察力や会話力など、どういう写真が求められているか、こういう写真を撮るための空気感・関係性作りなど、も含まれると思います。
なので、おっしゃられる「技術以外の部分も磨いていく」というのはとても正しいと思います。
またどこかでお会いできれば、楽しみにしております。
一個ずつ、頑張ります。
・マネージャー
チームごとに異なるというのは前提でですが、演者の全てのプロジェクトに関わるパートナー的な存在であることが多いと思います。
・プロモーター
主にレコード会社で使われることが多い肩書きだと思います。作品や演者を媒体にプロモーションする人
ここ近年は媒体(TV・ラジオ・雑誌など)への売り込みだけではなく、ネットやSNSでのPRを戦略的に企画 ・発案し動かしていく仕事をするプロモータさんもおられると思います。
・A&R(アーティスト&レパートリーの略)
主にレーベルやレコード会社(ほぼ同意義)における、作品(CDなど)をリリースするべく、企画をしたり、アーティストを口説いてきたりする役職、というのが本来の意味合いだと僕は思っています。ただ実際働いていて感じるのは、いわゆるレコード会社の制作担当やアーティスト担当に「A&R」という肩書きをつけているなと思うパターンも多いので、その役割は様々です。
・使っているPC
僕はMACです。使いやすいのを使えば良いと思います。近年は互換性もかなり上がっています。
・持っていると重宝されるスペック
誰かの役に立てるスペックを持っていれば重宝されると思います。自分が誰かの役に立つ能力をもっている(自覚する)ということでしょうか。
・不採用になった企業に再度チャレンジ
「また送ってきてくれたんだな」と思います。前回なぜ不採用になったのかの考察が見えなければ、前回と同じ反応が返ってくると思います。
・どういう人材と働きたいか
「誰かの役に立ちたい」と思っている人ですかね。でも実際、僕がどうこうの前に、何かの事情で辞められていくので(続けてくれている人以外)働いている人自身が、自分の働く意味や場所・環境に求めるものなどを見いだせるかどうか、の方が重要かもしれないな、とも思います。
長くなりましたが、、、
それぞれ具体的にお答えするとこんな感じです。
転職されるとのこと、頑張ってください!
転職が目的にならないよう。
転職は手段。目的はその先に設定をしていただくのが良いかと思います。
僕は「音楽の仕事に就きたい」と思って就いた訳ではないんです。
どの仕事しようかな、というタイミングで一番早く手をあげてくれたのが今の会社(の先輩)だった、のが経緯です。
やりがい、は自分が魅力的だなと思う人の役に立てているかどうかとか、その結果お客さんの役に立ててそうだな、とかが、やりがいなのかな?と思います。
僕にとって「音楽」とは何か?とは、元気をくれたり、気分の調整をしてくれたり、記憶を思い出すきっかけだったり。
その辺りはみなさんと変わらない気がするのですが「音楽家」とすると少し違うかもしれないですね。この十数年で何組かの音楽家や演奏家の人たちと仕事をさせてもらいましたが、いろんな経験や勉強をさせてもらって、その人たちがいるから、今の自分がいるんだな、という風に思います。
お答えになっていれば嬉しいです。^^
マネージャーの仕事とは何か。
この定義はマネージャーの数だけあるともいえるので、一般論ではなく、あくまで僕個人の見解だと受け取って頂けるとです。
僕が思うマネージャーとは、活動・生活すべてにおける相談相手・理解者であり、そのパートナーであること。理想論ですが。
その理想の100%の形にはならなくとも、マネージャーそれぞれにおける得意なことで、そのミュージシャンのサポートをし、共有できる目標に向かって、一緒に仕事をする。というイメージです。
アーティストに対してマネージャーは一人とは限りません。
心身の健康・お金(お仕事)・時間(スケジュール)・活動計画やブランディング、これらの管理または相談相手、というのが基本の仕事内容になってくると思いますが、これらも関係性に依存して様々な仕事内容や役割分担があると思います。
それぞれ手短にお答えするのが難しい質問だったのでひとまずこの感じでのお答えになってしまいすみません。
誰かに決められた関係ではなく、自分たちで関係や役割分担を作っていくもの、と言い換えられるかもしれません。
多少お答えになっていれば幸いです。
「イイお客さん」の模範解答を探している感じでしょうか。
質問の意図が掴みきれていなかったらすみません。
お客さんに対して良し悪しをこちらが提言するのは難しいですが、こちらの意図を理解しようとしてくれる、その上で各々の人生を前向きに生きていてくれる、そういうお客さんからは、こちらもより元気を頂くことがあります。
お答えになってますでしょうか。。。
(↓同じ方の質問が続きます)
ひとつ付け加えるとしたら、僕らの行うどんなプロモーションよりも口コミに勝るものはないので、良いなと思ったコンテンツやアーティストを、お客さん自身の交友関係の中で広めてもらったり伝えてもらったり、してくれるお客さんは、もう一緒に活動しているといっても過言ではないと思っています。
今回のような1対1のコミュニケーションを頻繁にはできなくても、こうして信頼を少しでも太くしていく事で、長くお付き合いできるお客さんとの関係は、僕らにとってとても大切な存在です。
これからもよろしくお願いいたします。^^
価値意識、とても興味深くも自分が使い慣れない言葉だったので、ググってみました。
価値意識(かちいしき)とは - コトバンク
こちらを参考にしながらお答えします。
価値意識を(=周りの評価・評判に影響を受けた意識)と仮に定義した場合、それに引っ張られる個人評価は、実はそこまで大きくないのではないか、と感じました。
例えば周りのみんなが聞いてるから、YouTubeで再生回数が多いから「聞いてみよう」とか、友達とカラオケに行った時の為に「聞いておこう」というような行動に与える影響はあると思うのですが、それと「自分自身が良いと思うかどうか」は、割とみんな分けて捉えられているような気がします。
友達とカラオケに行った時に歌う歌と、通勤・通学時間に一人で聞いている音楽は別物、という方は多いように思います。(と言いながら僕はカラオケ行かないのですが、、、)
それとはまた少し別の話で「コンテンツを大衆化させることの優先順位の高さ」に関して。
僕(のマネージャーという仕事)でいうと完全にミュージシャン次第です。
まず「大衆化」というのは、具体的にどれくらいの規模をイメージしているか。テレビでいう視聴率10%以上なのか、YouTubeでいう再生1億回なのか、1千万回なのか、100万回なのか、これだけでも大きな違いがあると思います。
そして、僕が感じることは「大衆化する(させる)ための音楽」を作っている(演奏している)ミュージシャンは周りにはあまりいなそうだなぁ、です。「自分の良いと思う音楽が少しでも多くの人に気に入ってもらえたらいいな(支えになれたらよいな、など、置き換え可能)」この感じをどこまでも追い求めていて、ゴール設定も明確にしていない。
というミュージシャンがほとんどな気がします。なので、僕としては関わるミュージシャンの作る音楽やそのお客さんなどのペースと状況に合わせて、適正な歩幅でそれをサポートし、多少必要な時は価値意識的なものも利用する時はするが、それはあくまで手段。
というような感じでしょうか。
とても興味深い言葉と質問だったので、とりとめのない返答になってしまいました。すみません。想像するお答えとは離れてしまっているかもしれませんが、僕が思い浮かんだのはこんな感じです。
違っていたらまた教えてもらえると嬉しいです。^^
(part2に続きます)
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