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871ンスタライブ #021(w/中西雅哉くん)

#871ンスタライブ #021
2021年1月3日(日)

テキスト:宙組

主催:柳井貢(以下:871)
ゲスト:中西雅哉(以下:雅哉)

(871) こんばんは。あけましておめでとうございます!2021年。今日は新年一発目ですが、THE ORAL CIGARETTES(以下:オーラル)の雅哉と1時間話してみようかなと思います。とりあえず呼ぶか!

(雅哉) おはようございます。

(871) まいど!これ(配信)おもろいやろ。

(雅哉) おもろい企画っすね(笑)

(871) 前、まっつん(松原大地・元DENIMS/Ba)とも話してたんやけど、そもそも表じゃなくてもなかなか1時間向き合って話したことないやろっていう(笑)なのにわざわざ表でやるっていう面白さね(笑)
(松原大地さんとの配信はこちら→)

(871) どう思われてるのかそんなに気にしてはないけど、それこそオーラルで言うとどうしてもプロジェクトを進めていく上で(山中)拓也と話す時間が6割~7割くらいみたいなとこあるやん。だから実際、誰かがすごい斜めのツッコミ入れてきて、「柳井さんは雅哉くんのことどんくらい分かってるんですか?」みたいなこと聞かれたら「分かって……ないかも」みたいな(笑)「俺は雅哉のこと分かってないかもしらんけど、雅哉は俺のことわかってくれてる気がする」みたいな(笑)なんかそういう変わった関係性でもあるな、とも思うけどね。1番大人やしな。年齢的にも。

(雅哉) まあ勿論ね。自分っていつも中間にいるな、って思いますね。

(871) うんうん。それで、先に白状すると最終的に『ORALIUM』の話をするんやけど、それを色んな角度でお話したいなーって思ってて。雅哉、ジブリの話を色々教えて?気付いたら好きや、っていうことしか知らんからさ。

中西雅哉のジブリ愛

(雅哉) 入り口は、それこそ1983年生まれなので、物心ついたころ1番最初に観てたのは『となりのトトロ』なんですよね。映画館には行ってないと思うんですけど、当時VHSのレンタルショップがいっぱいあったじゃないですか。そこに母に兄貴と連れられて行ったりしてる時に、母曰くとなりのトトロのVHS持ってきて1週間レンタルする。それを1週間散々観て、返しに行くのにも着いてきて、オカンが返却してる時にまた別のとなりのトトロを持ってくると。

(871) ははは(笑)とにかくトトロや(笑)

(雅哉) 永遠にそのループやったらしくて(笑)その記憶は若干あるから、トトロがジブリとか宮崎駿さんの作品とか全く知識もない時に観てて、それで育ったんでしょうね。僕の中での幼少期のアニメーションは。

(871) なるほどね。

(雅哉) だから小さい頃、田舎のばあちゃん家行く途中の山道走ってる時に、山の中をずっと目を凝らして見てたら山犬とかトトロがいるんちゃうんか?って思ってましたもん。

(871) ジブリのロケーションは田舎に行くと期待するよね。それで、トトロがジブリの入口で、そのあとは何を辿って「あ、俺はジブリとか宮崎駿さんの作品が好きやな」っていう自覚が芽生えていったん?

(雅哉) 多分割と大人になってからですね。自分で選択できるようになったぐらいというか。『もののけ姫』を中学校の時に友達と映画館に行って。多分それが自分で初めてジブリを映画館に観に行った作品で。そこでジブリとか宮崎駿さんを認識して、テレビで再放送を観たり。っていう選択を自分からしたのは20歳とか…くらいっすね。

(871) そこに共通点みたいなものはあるの?例えばディズニーとかはその並びに入ってはこないやん。好きなのはジブリや、っていう理由を語るとしたら?

(雅哉) 僕ディズニーを本当に観たことなくて。ディズニーってプリンセスの話とか、THE・ファンタジーって感じじゃないですか。ファンタジー要素は僕のアニメーション観る指針としてはあんまりなくて。ジブリの主人公ってヒロインが多いんですけど、ヒロインが人間臭い部分もあるんです。でも描かれている世界ってファンタジーだけど、現実にありそうだったりとか。小さい頃ながら「この世界どっかにあるんちゃうか?」とか「こういう景色どっかで見れるんちゃうか?」っていうのをずっと…憧れみたいなものもあったんでしょうね。その世界観に。今となってはこれがどこをテーマに描かれたとかっていう情報も入ってきちゃうし、実際こんな時代は無かったっていうのは過去を振り返っても分かるんですけど、でもどっかで「そういうのがあったらいいな」っていう願望も未だに持ってるし、そういうちょっとリアルに近い夢を見させてくれるんすよね。

(871) なるほどね。話を転がす為に、敢えて「わからない人」役になった上での発言をするけど「何が言いたかったんやろ?」みたいなところない?駿先生。(笑)

(雅哉) ははは(笑)うんうん(笑)

(871) 『ハウルの動く城』あたりからちょっと、まっすぐ見られへんくなってきて。『崖の上のポニョ』で迷子なった(笑)

(雅哉) ジブリファンの中にもそういう意見ってあるんです。ハウルの動く城に関しては原作が海外にあって、それを元にアニメーションにしてるっていうのもあるんですけど。当時の『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』っていう時代の作品って、凄いメッセージ性があって、「あっなるほどね。こういうことが言いたかったのかな」っていうのが割と受け取りやすかったりするんですけど、後期になってくるとジブリファンの中でも「なんやねん…?」みたいなことを実際言ってる人結構多くて。それこそ『崖の上のポニョ』は「あれ?これなんやったん…?」っていう意見が一番出た作品で。でも極論、宮崎駿さんも言ってるんすけど、あのアニメーションは、5歳児の子が見てて「面白かった!」とか、わかってくれたらいい、っていうのが一番のテーマやったらしくて。だから変にそこを汲み取ろうとしすぎると迷子になる作品なんですよ。

(871) なるほどね!凄いなんかしっくりきたわ!20代~40代ぐらいのロジカルな感じで観るもんじゃないと。

(雅哉) そうなんすよね(笑)理解できるようになると分からなくなるメッセージがあるっていう。
割とジブリ作品って、絵の線が多いというか凄く情報量が多い作品なんですけど、ポニョって水のシーンが多いじゃないですか?ジブリ作品って、水がとろみがあるように描かれてることが多くて。それが特にポニョは凄くて。

(871) ポニョの水は固形物やもんな(笑)

(雅哉) そうなんですよ(笑)ああいうのも、本当にわかりやすく描くための手法であったりとか。

(871) 勉強なったわ!それを聞いて早く子供に見せたい、ポニョを。

(雅哉) ポニョはもう本当に子供に見せてあげたい作品ナンバーワンですよね。

(871) でな、ジブリの話を聞いた上で『えんとつ町のプペル』を雅哉、観に行ってたやん?その感想を聞きたいなと思ってて。ぶっちゃけ俺はまだ観に行けてないのよ。西野亮廣さんのフォロワーとしてはいつ行こうかと思ってんけど、家庭内の順番的にはまず、『劇場版ポケットモンスター ココ』を観に行かなあかんっていうミッションがあって(笑)感染に気をつけながらココを観に行ったわけですけど、しっかり泣いて(笑)

(雅哉) へえ〜!(笑)

(871) ポケモンが人間の赤ちゃんを育てたっていう。他の世界でもよくある設定やねんけど、要は動物に育てられた人間みたいな。血は繋がってないねんけど親子愛っていう。皆まで言わんけどさ、親としてはジーンときちゃうわけやん。(笑)

(雅哉) そういう物語の方がより絆が見えるので余計感動しますよね。

(871) せやねん。娘は前の席で友達と見てたんだけど、後ろの席でお父さん1人でうるうるしてるっていう(笑)
そんなことがありつつ、プペルを観に行った雅哉はどうやったかな?って。

『えんとつ町のプペル』を観て



(雅哉) 僕は単純にめちゃくちゃ良かったんすよね。

(871) でもさっきのジブリの話を聞いて、雅哉のプペルの感想がより楽しみになってんけど、どっちかって言ったらディズニー寄りやん?

(雅哉) そうっすね。内心ちょっと、そういう感じかな〜、って観に行ってたので、冒頭は割と…まあネタバレとかもあるんで言わないんですけど、ディズニーっぽいオープニングがあって、やっぱりこういう感じかなー?って思いながら冷静に観てたんですけど、物語の伏線の張り方とか伏線の回収の仕方っていうのはやっぱ日本人っぽいなというか。予想の範囲を超えないけど、予想するのはちょっと難しいというか。そこら辺をちゃんと突いてきてる感じがすっげえ良くて。ちょくちょく画角?とか表現の仕方で思うことはあったんですけど、全体的にはちゃんと観れたし、音楽も良かったし。何より絵もめちゃくちゃ綺麗なんで。

(871) STUDIO4℃ね。

(雅哉) そう。映像でビックリするシーンが結構出てくるんで、そこも惹き込まれるし。個人的にはめっちゃ良くて。変な先入観あったけど楽しめたっていう、ハードル超えてきたって感じですかね。

(871) マニアックな話になるけど、西野さんの作品ってネタバレを全然気にしないというか。例えば「映画版桃太郎」ってあったとして、オチは皆知ってるやん。その中で何を魅せるのか?何を楽しむのか?みたいな世界になりつつある。言ったら、劇団四季を毎年見に行く人ってお話自体の情報を楽しみに行ってるわけじゃないよね。っていうのが大前提としてあるから、俺はプペルを観てないけどストーリーも知ってるし、どういう所がポイントとかも追っかけやから知ってるけど、改めて知ってる知ってないの情報じゃなくて、映画館で大画面で音響で感じられる演出の良さみたいなのは楽しみやなって思ってるけどね。俺いつ行けるか分からへんけど。

映画館の魅力

(雅哉) それこそ僕、(プペルの)絵本も当時買って読んでたんで、映画観る時にストーリーは分かってたけど、映画館っていいなって思いましたね。今柳井さんが言ってたようにストーリーとか内容を知ってるって事でいうと、夏休みにジブリが再公開してたじゃないですか?僕、トータルで8回くらい観に行ってるんですけど(笑)家でもBlu-ray全部あるから観れるし観てるし、更にいえばコロナ禍の時に家を映画観る様に音の環境整えたりしてちょっとでも臨場感出せるようにして、家で観る楽しさもレベルアップはしたけども、それでも映画館に行って観た時の感動って絶対的に越えれへんから。絵本見てストーリー知ってようが、結末知ってようが、絵本で見た時の結末の感動は絶対に超えるんですよね。僕もののけ姫が好きすぎて、8月に公開してた時に丁度打ち合わせで時間無かったんですけど、もしかしたらこの後映画館に行けへんかもって観に行ってオープニング15分だけ観て帰るっていうのしたんですよ(笑)でもそのオープニングと冒頭の5分くらいと、タイトルのロゴがバーンって出るシーンだけでも僕は映画館に来た喜びとか感動を得られたので。

(871) 逆にそれだけだったとしても、行ってなかったら後悔するやろうなって思って行って「やっぱり行って良かった!」ってなったんや。

(雅哉) そうなんすよ。あの音響でイントロのタイトル観ただけで感動するんやな、映画館って。って思ったんで。もうやっぱり映画館に行って欲しいですよね。

(871) 俺、シネマコンプレックスのマネージャーやったら、絶対どの映画館も一館はリバイバルっていうか過去名作の上演むっちゃすると思うもんね。その良さを夏のジブリが証明したっていうか。『ショーシャンクの空に』とかやるかな。まあ俺ら世代ですけど(笑)でも皆もあるんちゃうかな?『のだめカンタービレ』とかもね。あと『ドラえもん』の過去の劇場版を順番に夏休み毎日上映するみたいなのもやってほしい(笑)下手したら新しい作品だけで回すよりそっちの方が客入るんちゃうか、みたいな(笑)

(雅哉) 確かにね!そんなんファンとしてめちゃくちゃ嬉しいっすけどね。

(871) 絶対勿体ないよ。俺の仕事の仕方を知ってる人だと分かると思うんですけど、皆擦らなさすぎや(笑)もっと擦れるから!(笑)

(雅哉) 1回だけの美学みたいなのは分かるんですけどね(笑)

(871) 何回、YouTubeで限定公開するねん、っていう(笑)でもそれは観たいって思ってくれる人がおるはずやって思ってやってるってことやから。別に悪い意味ではなくて。
でも雅哉、やっぱ大人やな。事前に俺も言ってたっていうのもあるけど、ちゃんとゴールが分かってる話の流れやね。

(雅哉) そんなに考えてないっすよ(笑)

(871) 皆も分かってるよね。「このあとORALIUMの話するんでしょ、はいはい」って(笑)

(雅哉) ははは(笑)

ORALIUMについて

(871) でももう、その話をせんでも良いくらい映画館の魅力は伝わる人には伝わったんちゃうかな、と思うので。何で俺らが映画館に拘ってやってるか。結構言われたなぁ、配信ライブせえってな…。

(雅哉) そうなんすよね。でも時代の流れが配信になっていくのに乗っかるバンドなのか、みたいなことも考えるし。デジタル時代にアナログに向かうのもかっこいいなと思うし。逆光の美学じゃないっすけど。

(871) そうね。この配信で仕事の話とかもすんねんけど、就職活動するか?バイトしながらやりたいことをやるか?みたいな話があって。それ分かりやすいけど、AかBか、だけじゃなくない?っていう。如何にCとかDを作るか。有観客ライブしますってなった時に、配信をやるか、やらんかの2択でどうしても語られるけど…。最近オーラルを好きになってくれた人はこれから何となく掴んでもらったら嬉しいけど、2年も3年もオーラル見てくれてる人!わかるやん!(笑)配信ライブしませんっていうだけで終わるわけないやん!(笑)違う選択肢考えてるぞ〜!(笑)っていうね(笑)

(雅哉) ははは(笑)うんうん(笑)僕ら、映画館上映っていうのは過去にもやってるしその選択肢はオーラルチームとしては持ってるじゃないですか?で、今回のORALIUMに関して、会場でも選択のシステムができるっていう選択肢を生み出したのは、新しい挑戦をした結果じゃないっすか?それをやらなかったら、多分ずっと映画館上映するかしないかの選択肢しかなかった。選択肢を増やしていくには経験しかないと思ってるし、自分の好き嫌いで選択肢を作っていくのはめちゃくちゃ狭いなって僕思っちゃうんで、基本的にはそういう選び方はしないんですけど。

(871) 今コメントでも「近所の映画館ではやってないです」とかがあるから、勿論出来ることなら全員に楽しんでもらいたいし切り捨てない方法も勿論考えてはいると。でも、だからといって、話が戻るけど、配信ライブをやれば良いっていうのが本当にエンターテイメントを発信する人間たるべきものなのか、って俺らは常々悩みながら考えてる。今回で言うと映画館の5回の上映のタイミングに合わせて(配信を)やるとかね。雅哉が言ってたように、選択しながら進んでいくっていうライブ感が見つかったのは良かったよね。ぶっちゃけライブしてた時は「そういう(映画館で選択するのも)できたらいいなぁ〜」くらいで。

でも頑張ってみたらできる方法があったっていう。勿論それは、俺らだけじゃなくて実現する為に色んな人が力を貸してくれて、まさに協力者、関係者の皆の力ではあるけど、何が出来るんやろう?から考えてたら辿り着かないっていうか。「ライブもするんやけど、映像作品としてこういうことできたら面白くないっすか?」っていう主に8割~9割くらい拓也さんの、「出来るかは出来ないかは分からんけど、こういうの出来たらええやん」っていうのに対して、「確かに〜〜!」みたいな(笑)出来るよ、とは言われへんけど、絶対無理とは言われへんな、みたいなところを実現する為に動いてみた結果、出来るっていうか。俺は仕事って言い方しちゃうけど、バンド活動とか、物事を動かしたり、皆に楽しんでもらうっていう中である種それは凄く醍醐味というかね。

俺最近すごい感じてんねんけど、大体演者側も『サザンオールスターズ』がいて『Mr.Children』がいて『GLAY』がいて、ある種「バンド」としてのフォーマットに乗っかって活動してるやん。ライブハウスでライブして、1~2年に1回アルバム出して、それがどれぐらい聴いてもらえるのかっていう勝負をして。っていう大きいフォーマットの中で今のところは活動してるけど、やっぱりどっかでさ、新しいフォーマットにすらチャレンジしたいっていう気持ちがあって。なぞるだけでは面白くないぞっていう。そういうところに挑戦的なチームっていうのは凄いなと思うよね。

(雅哉) 僕らにとっては拓也がバンドの指針でもあるじゃないっすか。この前も拓也と喋ってたんですけど、俺らが拓也の出したアイデアに対して、可能なのか不可能なのかとかだけではなくて、そこに感じる価値観とかは、俺ら以上に拓也が考えての発言やと思うから、そこに対して何の意見もないんじゃなくて信頼してるんですよね。それをちゃんと成功に導く努力もしてくれるから凄いありがたいし、何より今回、上映で選択肢がどうこうとかってメンバー以外のチームから出た意見とかも多かったじゃないですか。それをきっかけに今回実現化できたことが僕的にはすごい嬉しくて。

バンドが言ってることでゴールを目指すんじゃなくて、そのゴール以上の何かをチーム皆が面白いと思ってくれてる結果がそこやと思ったんで。実際どう思われてるか分かんないし、勝手なこと言ってんなあとか、もしかしたら思われてるかもしれないっすけど、そこにちゃんと辿り着かせてもらえて改めてちゃんとチームとして、オーラルっていうものを面白いエンターテイメントとして捉えてもらえてるんやなって今回ので凄く感じたんですよね。僕的に。

(871) そうやねんな。かなり初期段階に打ち合わせが始まってさ、拓也が手書きで絵を描くやん。「僕のイメージでこういうのがあって〜こうこうで〜」みたいな。もうずーっと、喉くらいまで「それ無理ちゃう?」って言葉がきてんねんけど、言いたいねんけど、ここで俺が言ったら止まるから極限まで理解して、無理かもって思ってもとにかく舞台監督とか照明さんとかに投げてそこで、「これは物理的にこうなりますよ」とか「これはやろうと思ったらいくらぐらいかかりますよ」とかをもらってから判断しよう、みたいな。

俺はそれぞれのスペシャリストではないから、とにかく「無理ちゃう?」って言うのを我慢しながら、皆に投げるのをとにかくやってて。でも結果的に、特にライブの前半部分とかあんなん見たことが無いやん??

(雅哉) ない!!(笑)

(871) ライブハウスの中になんですかこれ?!っていう(笑)謎の骨組み(笑)で、ホンマは各地のZeppとかデカい会場に持っていって出来たら最高やったけどそれは物理的に難しくて。で、あの迫力を感じられるとしたら、やっぱり映画館が一番近いんちゃうかっていう。

(雅哉) そうっすね。

(871) YouTubeでもちょっと観られるようにダイジェスト載ってるけど、あれを映画館のデカい画面で観た時に、ライブハウスのインパクトにかなり近いんちゃうかっていう。それも楽しみなんよね。

(雅哉) 今回、ステージの作り込みを前日リハで外から見た時に、ライブハウスなんやけど、ひとつの画角を覗き込んでるように見える作品やったから、ライブの迫力と、映画館で観た時の生感と、スクリーンの中にいる俺達の姿が絶妙に見える作品になってるなと思ったんで。PARASITE DEJAVUとかの上映とは作品の方向性が全然違いますよね。

(871) そうだね。武道館もPARASITE DEJAVUも Kisses and Kills Tour も、これまではライブの映像をどれだけリアリティーやドキュメント性を持って映画作品として作れるか、っていうところがポイントやったけど、今回はそもそも映像作品としても面白いものっていうコンセプトの公演やから、そこはだいぶ楽しみよね。

「IMAXは無理ですか」っていうコメントあるけど、興味ある。そこまでは今回はいけなかったけど。出来るのかわかれへんけどさっき言ってた過去作品についても、夏休みの第1土曜日は武道館公演、第2土曜日はKisses and Kills Tour、とかもやりたいね。

(雅哉) バンドにしろ、そういう歴史があるものって、自分がそこに入った時から始まる歴史があるじゃないですか。その人にとってのオーラルの歴史が。勿論インディーズの頃から知ってるっていう優越感とか満足感をお持ちの方もいると思うんですけど、途中から入った人も時系列で見て少しでも時代背景を追えると、ファンとしては一歩踏み込めたっていう喜びは絶対あると思うので、やりたいですね。

(871) 今は電子書籍とか、デジタルだ、インターネットだ、ってなってアーカイブすることもそれにタッチすることも容易になってる。そういうの今もやってるけど、もうちょっと頑張りたいね。あと、あきらと(マネージャーの)ぶっちがORALIUMのパンフレットを頑張って作ってるやん。あれ、武道館の時にも初めて作ったけど、あれも今見返したら絶対おもろいやろなと思って。

(雅哉) 確かにもう4年とか経ってるんで、読み返した時に今の僕らが武道館でライブをやって感じるものとは違うことが見えるだろうし。マニピュレーターさんがいない時代の武道館とか、大阪城ホールのライブが如何に精神的にプレッシャーやったかっていう。当時はそれが普通だったし全く感じてなかったんですけど、そういうの込みで喋ってるから今よりも言葉選びもドラマーっぽくないというか。

(871) そうやなぁ。その辺掘り下げてもおもろいかもね。

(雅哉) それこそ武道館のDVDって副音声やったじゃないですか?逆に今、武道館のDVDを観ながらメンバーは何を思うか?みたいな配信とかも面白いかもしれないすね。

(871) それできるんちゃうかな?って思ってて。それこそインスタライブでもFCの配信でも良いねんけど、ちょっとタイムラグあるかもしれんけど「皆で21時から武道館のライブDVD観ましょう、21時に再生ボタンを押して下さいね」って言っといて、21時から配信もすんねん。スマホとかPCではメンバーの喋りが聞こえてんねんけどテレビ画面ではせーので武道館の映像を観るっていう。副音声的なことができるんちゃうかなーと思って。

(雅哉) 友達とLINE電話しながら映画観るみたいな感覚ってことすよね。出来そうすね!

(871) 「ヤバTがよくやってます」あ、やってる人いんねんな。そりゃそうか。ヤバT(ヤバイTシャツ屋さん)もおもろいバンドやからな。いや〜、今日おもろかったな。

(雅哉) あっという間っすね。

(871) 改めて喋るとおもろいなって思うねんけど、とにかく普段時間が無いよね。まあでも、今年決まってることも、どうなるかわからんこともいっぱいあるけど、頑張っていきましょう。

(雅哉) できるようにね、色々。

(871) じゃあ一旦、今日のところはこんな感じで。

(雅哉) はい!夜分遅くにありがとうございました。

(871) 面白かったですね〜。雅哉かなり大人なんでね。僕よりも全然大人なんで、懐も広いし。
では皆さんも、ありがとうございました!

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