BLとはファンタジーである!BLCD「ご利用は計画的に」感想
今回は、にやま先生の「ご利用は計画的に」の感想になります。
ちるちるさんの説明はこちら。
試聴もできます!
なんでこのタイミングでここに辿り着いたのか半年前の自分の気持ちが正確に思い出せませんが、多分ジャケットのインパクトかな…(表紙が気になってしまった)
ネタバレない感想としては、
えっちで、ほのぼのしている、です。
そして、何か深い闇があったり、しません!!!
ジャンル的にはハッピーBLとでも言うか。
私は単に興津さんのいい声を聞きたいな〜という時に再生しています。出てくる人に悪人がいなくて、会話が面白くて、ソッチのシーンがどの話でも入っていて、興津さんの893さんテイスト(ヤミキンらしいのですが)があるガラの悪い声が聞けるので大好きです。
脇役に小林千晃さんがいるのですが、とってもいい味が出ています。あ、そうだ、熊谷健太郎さんが、この前に感想を書いた「リバース」に出ていたから買ったことを思い出しました(笑)
熊谷さんの演技はとってもナチュラルで好感が持てました。この主人公にピッタリな好青年のイメージでした。
では、ネタバレありの感想。
とにかく、出版社からの要望で毎話に致すシーンを入れた、とにやま先生があとがきに書かれているように、1話からそのシーンがあります。
借金返済の本人がいなくなったと取り立てにくる五代さん(興津和幸さん)とその部下の哲さん(小林千晃さん)。当たりなら食ってしまうと取り立てについていくと、かなりのオンボロな家。こういうテンプレというか、お約束的な表現なんですけど、お金を借りた人の息子が金蔵真さん(熊谷健太郎さん)。名前がすごい。
会って好みだからと、哲さんを先に返していいアルバイトがあるというのが、「セックスでお金を返す」という話。
そこでもう始まっちゃう…。車の中。
始めはされる側かと思う金蔵さん。襲われてあわや、というところで実は反対の立場と判明するところ、もはや様式美。何がとは書きませんが、興津さんの「でかー♡」の言い方が最高です。
それでもゴネる金蔵さんに、初回サービスで三百万の利息をチャラにすると言っちゃう五代さん。すでになんかチョロい香りがする…。五代さんは声的にはちょっと低めでドスの効いた結構オラついたキャラなんですけど、始まるとめちゃくちゃセクシーな喘ぎでびっくりしました。
致した後にお金のために身体を売るなんてと凹む金蔵さんに、そういう仕事が悪いわけじゃないとみんなが頑張って働いてるっていう五代さん、なんかかっこいい。
1話の最後で、借金完済まで500回、1日一回やっても1年半くらいかぁ〜とと言ってハハハハと笑いをするんですけど、この笑い方が好きです。
この笑い方が、他では聞けない笑い方なんです…金蔵さんを絶望的な気分にさせる無邪気で楽しげマックスな、絶妙な笑い方…。
哲さんにはバリタチってことにしてる、五代さん。
そんなわけで、仕事の合間に五代さんに搾り取られていく金蔵さん。
にやま先生の他の漫画やCDになっているものも後で聞いたのですが、全体的なコミカルさが心地よいんですよね。
妄想でついつい、金蔵さんが自分で身体を売りに来ました!っていうのは変だと想像するときの擬音の「ぱやーん」ていうところとか、お寿司を口に入れられて乙女な顔になるところとか、お仕事の裏事情を勝手に言った哲さんの耳を引っ張る五代さんとか大好きです。で、CDではその面白テイストが興津さんだとめちゃくちゃいい感じに出ているんです!!急にページ書きますが、49ページの吹き出し外の「今日もバッチリ好みだぜ」の言い方が五代さんらしくていいんです…。
つい最近、全然違うとあるBL漫画を拝読した時に物足りなさを感じてしまったことがありまして…。こう、とりあえずそういう設定でヤッて、お互いになんとなく片思いして、最終的にくっつく。それはいいんだけどなんだか物足りない。多分世間的な評価は高いんですけど、ハマれなかった。なんでだろう、と考えていました。
この「ご利用は計画的に」は、その漫画と話の流れ的には変わらないです。でも、私にとっては何かが大きく違う。金蔵さんが五代さんのオーナーへの借金返済まで心配してしまうところとか、ついつい五代さんのギャップに惹かれてしまうなんて、はっきりいってBLのファンタジーという感じなんです。でも、お互いがお互いを思っていく心理がそこにちゃんと描かれていて説得力があるんです。五代さんも、仕事のせいでどうせ恋人なんかできないし、と本当は金蔵さんに恋心があるんだけど半分諦めてるみたいなところ、結構切なくて、だからヤれるならヤっとこうみたいなところも面白い。(結局オーナーのお兄さんはただのブラコンとか、何だかんだ親父やばあちゃんのことまで心配してくれる哲さんとか、ふてぶてしい弟くんももいいキャラしてる)背景があるっていうか、そこに思わず背景を想像したくなる厚みがあります。
話の解決が宝くじでというのもとにかくそりゃあご都合主義かもしれないけど、それでもおかげで何の心も痛めず二人の恋を応援できる…なんて素晴らしいんだ…。
そんなわけで、BLはファンタジーを体感しつつエロも満足できる(特に漫画が、にやま先生は裸の絵がとてもお上手なので素晴らしいですね!)一品です。
私が好きな五代さんのハハハって笑い方が他にも出てくるんですが、金蔵さんが家に来た時の帰り、もし今の仕事をしていなければ、自分を選択肢にいれてくれたのかなと思いかけて、冗談だよと誤魔化すところのが切なさが笑いに出てるのが興津さんのすごい技だなと思いました。あと、五代さんちに初めて来た時にエライ目にあった、いや、エロい目か、と言われて赤くなるところの熊谷さんの恥ずかしがり方がめちゃくちゃイイ!!!あの、文字にできない声を本当に音声化するの、凄いですよね…。頭から湯気出そうなあの声…。
限定版のミニドラマは、漫画の描き下ろしの内容です。本編でちょっとだけ出てきたお兄さんの犬の世話に二人で行くという。お兄さんの声は駒田航さん。勝手にジェントルマンなイメージを持っているのですが、お兄さんのいう五代さんの下の名前の「愛美」呼びが大好きでした。
最後の最後まで、ほっこりさせてくれる展開です。にやま先生のキャラクターってみんな愛くるしいギャップを持ってますよね。
アフタートークでは、元気な興津さんの挨拶に合わせて元気に声を張る熊谷さん。なんかよくわからないテンションに「やーす!」って言い合うのかわいい。興津さんはフリートークは照れ屋なのでとにかく高めのテンションで押すんだ、と思ったのはここから始まりました。
疲れからか舌が回らなくてたっぷりをさっぷりと言い間違えちゃう熊谷さん。
二人では優しい金貸しについて語る。
興津さんは目がキラキラしてると(僕と違うと)いってギャップについて出すのを頑張ったとのこと。
興津さんは自分からキャラについて多く語らないのが色々聞いてきて後々判明するのですが、熊谷さんが自分の見解を話すのにリアクションとしていい感じに合いの手を入れて話してくださるので、どんな気持ちで演じたかなどわかってほっこりです。あと、誘い受けをちゃんと理解している興津さん。初めてのメインのBL作品が誘い受けだったからと話しています。(「ダブル・バインド」は大分あとになってからですが聴きました。よい誘い受けでした😭)
自分のキャラの好きなところの話から、借金はしたくない結論に至る二人。
トークテーマは、子どもの頃になりたかった職業を熊谷さんがメインで話されています。自動車整備士の職業体験してた頃の話に、エンジンの解体や組み立てに食い付く興津さん。熊谷さんは毎日同じことをする仕事は向いてないのかもと思ったそうです。
興津さんはやはり宝くじを一発当てるしかないねという話に。
2つめの質問にBLCDを演じる楽しさについて。他の媒体では一対一でこれほど濃密な掛け合いがなくて、空気の察し合いが面白いと熊谷さんが話すのに、かなり真剣に相槌を打つ興津さん。こういう話をフリートークで聴くのが初めてだったので、声優さんがそうしてお話してくださるのが聞けて嬉しかったです。熊谷さんの話に素晴らしいですねという興津さんは、BL現場で休憩中に箍の外れて熊谷さんがここだけしか聞けない話をすることに言及し、二人で意味深に笑っています。よくよく考えたら「ヤリチン☆ビッチ部」で共演されているので、そのへんかなと推測しています。まだ聞けてないのですが…。
そんなわけで、ここから私はにやま先生の扉を開いたのでした…(このあと僕おまとそん抱きにも手を出していく道が始まった)
是非是非、ギャップのある興津さんの声を堪能してみてください!!
今回もお読みくださり、ありがとうございます。
BLでちゃんとゴム使うBLが好きなのに結局忘れてて使ってないやんていうのがツボなんですが仲間がいるのかわかりません…
ファンタジーなので許してほしい!!!