最高にして至高でもはやブンガク?「オールドファッションカップケーキ」感想

私がBLCDを初めて買ったのが、「オールドファッションカップケーキ」です。今回はその感想です。(注意、この記事は声優さんと原作を褒め称えるだけのものです)

まず、ネタバレない感想から。
作品詳細はぜひちるちるさんのサイトでご確認ください。

実はコロナの前あたりにドラマのチェリまほを見ていて、その後にこの作品がドラマ化していたのはなんとなく知っていました。ただ、BLでアンチエイジング…?とう言葉にあまりにもピンとこずドラマも見ないで通り過ぎた作品でした。
興津和幸さんが声を当てているということ、あと、お相手が阿座上洋平さんということで(某魔女系のロボットアニメでの好演が印象に強かった)買いました。

初めの感想は、「なにこのかわいい声…!!」でした。
それまで少年誌系キャラでしか聞いてなかった興津さんが、信じられないくらいかわいい美形上司を演じられていて、もうなんか世界がひっくり返る思いでした。(39歳の会社員の、のほほんとした人誑しの愛され美形上司、らしい)
ちなみに、かわいい興津さんのBLは色々聞いていくうちに他にも出てくるのでそれも感想にしていきたいですが、色々聞いてもやっぱりかわいいという感想は変わっていません。
BGMがいい雰囲気で、細かくて状況を思い浮かべやすいSEもあって、CDから聞いても頭の中で想像しやすい作りです。
初めて聴いたBLCDがこれで本当に良かった!と思っています。全てのクオリティーが高い!!!

阿座上さんはメインで演じるBLは初めてとのことでしたが、初めてとは思えぬ貫禄と、外川さんらしい真面目でたまにお茶目で野末さんに対して溢れ出る好きな感情をところどころにセリフに表すのがお上手で、ヤバい…と感じました。2024年のBLCDに阿座上さんのお名前を拝見することが多々あって、やはり才能の持ち主や…と納得しかありません。

興津さんが演じる野末さんが、現実にこんなかわいい人あり得ないよねみたいなキャラなのに、声にされると説得力しかない…これが声優か…すごい…という気持ちです。フリートークでも属性が多めで演じるのは大変だったとお話されていて、なるほどと思いました。

まだBLCDを聞いたことない方には、この作品から聴くのはありですよ!という結論です。
もしBLにR表現を期待される方には向いてないかもしれません。すごくさらっとしている表現だし、短いのでご注意を。私としては、その短さの中にめちゃくちゃ凝縮されたものを感じているので大満足です。


ネタバレありの感想

感想を書くに当たってまた聞きなおしていましたが、冒頭の「なんだか最近、憂鬱だ」の出だしからいいんだよな〜としみじみしてしまいました。

野末さんのモノローグと、ご飯を食べながらの独り言…そのあたりから心鷲掴みでした。

この作品の良いところは、会社の部下の人や外川さんの同僚、野末さんの同期の人たちがそれぞれ生き生きと描かれているところかなと思います。特に、柿谷さんという(CV高橋伸也さん)がいい感じのキャラで大好きです。あとは、外川さんがコーヒーポットを買ってきちゃって怒る女子社員とか…

CDを聴き込んでから漫画を買ったのですが、小さなコマの手書きのセリフのやり取りまでほとんど省くことなく自然なセリフとして再現されていて、本当に良質な映画みたいでした。

私がこの作品が好きなのは、言葉選びがとても素敵なところです。
まずは、始めの方の野末さんに2番目でもいいから恋人にしてほしいと言った人の噂話に出てくる、「身も世もなく」というフレーズ。あと、チョコパフェを食べる前に野末さんが外川さんがどうしてこんなに優しくしてくれるのかと考えている時の、「そんなに邪智深くない」という言葉。
そういう表現がさらりと出てくる佐岸左岸先生は、読書好きなのかなあと勝手に想像しちゃいました。

そもそも、外川さんがパンケーキを食べてる野末さんに畳み掛ける言葉とか、野末さんが就活で面接失敗したときに外川さんに話した「後悔は幸福になるための糧で、人生の燃料」の話、外川さんが思い余って野末さんに告白する前に野末さんから教えられたことを羅列するところなど、とにかく言葉が綺麗ですごいんです。
BL大学があったら文学部で絶対に授業に出そうだな…という感じです。それにしても、佐岸左岸先生はどうやってこの言葉を磨いたのか…知りたいです…

あと、漫画ではセリフなしで二人のアンチエイジングの様子を表現するところが、CDではセリフとともに何をしているかちゃんと再現されています。たまに小声で外川さんとかに文句たれる野末さんも、めちゃくちゃかわいいです。興津さんの「えへへ」が死ぬほどかわいいです。

初めてキスするところで指を口に入れちゃう外川さんにはいいぞ〜となりました(笑)

個人的な好きポイントとしては、ものを食べるシーンも多いので、阿座上さんの口にいっぱい含みながら喋るところとか、興津さんの自然な咀嚼からのセリフの発話がめちゃくちゃリアルなこととかを感じられます。

あと、漫画だと手書きになるような、困惑とか怪訝に思う時の野末さんの言葉にならない声みたいなものが、すっっっっごい自然に表現されています。阿座上さんの、「フトンアルヨ」も良かったです。

CDを繰り返し聴く時の楽しみとしては、告白する前までの外川さんのセリフに、野末さんへのさりげない好きアピールがどれくらい滲んでいるかを確かめるのもオススメです。

私はBLCD初心者だったので、「オールドファッションカップケーキ」のRシーンだけでも興津さんの色気にめちゃくちゃ動揺してしまいました(笑)
インタビュー記事にある、目を舐められるところでちゃんと双方でそう感じられるように擦り合せて演じている話も興味深いです。


フリートークでは、興津さんが40歳になって、役を演じすぎて自分は何なんだろうって思うようになったという話が出たのが面白かったです。俺の人生はなんだったんだ…となったらしいです。ここ最近の何かのインタビューで形に残るものを作りたい、というような発言を見かけた気がして、興津さんがどんなふうに考えてるのかなとふと考えました。

野末さんが最後の方で、思い出せないことを全てアレって言ってるやつ、すごいリアルでドキドキしました😅記憶力はちゃんと鍛えて生きていかねばと…

そんなわけで、初めてBL沼に落としてくれた、「オールドファッションカップケーキ」の感想でした!

興津さんのスムージーの飲む音、めちゃくちゃスムージーを感じられるのでそこ、オススメです!!!







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