ゆりかごから墓場まで系BLCD「Life 線上の僕ら」で声優さんの凄さを堪能した感想
今回は、常倉三矢先生原作、「Life 線上の僕ら」のBLCDの感想です。映像化もされているようなのですが、私は原作未読、CDのみの感想なのでお許しください。(この時期とにかくCDを買い漁って聴きまくっていたためなのと、CDで大満足した上、いまだに自分の中で想像した場面を思い描いていたいため)
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BLといえば、今や少女漫画にも引けを取らないコンテンツになりつつあるかと思いますが(私の個人的な体感)、基本は恋愛、それも基本的には若者やイケオジがラブする話がほとんどですよね。こちらの作品は、高校生から老人まで(一番若いと11歳〜82歳)、とある二人の男性の人生が描かれたBLになります。
なんと、それを演じるのは、興津和幸さんと、新垣樽助さんです!!!(子供役から老人役まで)
アニメとかだと、子供時代とか老人時代とか、声優さんが変わりますよね?そうではなく、ちゃんと二人でずっと演じてくれるのです。声だけで年齢の変化が自然に分かる二人の演技の極限を感じられる最高の一品です!!
ネタバレない感想としては、興津さんが無邪気なかわいい少年ボイスから、そのまま歳を重ねていく演技の凄さ、新垣さんの大人になって揺れていく精神のあり方が声で繊細に表現されていくところが本当に素晴らしいです。胸がきゅーっとなるので、寒すぎる冬には摂取は要注意です。
あと、ここでしか聞けない興津さんの演技で特殊なシーンがあるのですがネタバレになるから言えない…🤫(短いけど)
私の感想なんか読む必要ない、ただ聞いてくれ!!!といいたいところですが、すでに公式のものは売り切れ状態、私も少しお高くなったものを駿河屋で購入するしかありませんでした。やはりいつかポケドラなどに入ればいいなと思うので、感想をしたためて、少しでも興味を持つ方が増えて、再プレスか配信が開始するのを期待したいです。
というわけで、ネタバレありまくり感想です。
お話は17歳の二人から始まります。主な視点は、伊東晃さん(CV新垣樽助さん)がメインです。通学路、道路に引かれた白線を落ちないように想像しながら歩いていて、途中でばったり行き合ったのが西夕希さん(CV興津和幸さん)。そこから手を取ってくるりと位置交換する日々がスタートします。
道で会った時に立ち話しているのが楽しくなり、少しずつ夕希さんに興味が出て、晃さんがある時思い余ってキスしてしまって気まずくてその道を歩けなくなると、逆に白線を辿って夕希さんが探しにきて、「問題ねぇ!」と言います。それより白線から落ちたことでプリプリ怒られて、内心でキスより想像の作り話の設定の方しか気にされてないことにちょっと落ち込んだりする晃さんがかわいい。この夕希さん、高校生か?と思うくらい無邪気で明るくて、興津さんのレパートリーの広さをむちゃくちゃ感じました。
これからは一緒に歩きたいという晃さんに、じゃあ違う設定考えよう…ていう夕希さんは、やっぱりこのあたりから既に世間とズレてる。あと、たまに小学生とのやり取りがあるんだけど小学生が二人のキスを見てしまって「夕希のやつ、唇食われてるぞ」って言ってて、なんか私的に面白かったです。純粋な小学生が生きてる世界、ハッピーだなあ…。
19歳になって、大学受験も終わっても仲良しな二人。相変わらず頭の中で豊かな妄想を展開してはしゃぐ夕希さんに、完全に惚れてる晃さん。遊ぶ帰りにキスすると、ちょっと微妙な反応をする夕希さんに、自分がどう思われてるか悩み始めます。ていうかトモダチなのにキスするってナニソレありがとう!!という気持ちです。
このあと、想像しながら晃さんが1人で抜いて罪悪感を感じるシーンがあるのですが、ここの交互に畳み掛ける、「めちゃくちゃ感じて喘ぎまくる夕希さん」「襲われて喘ぎつつ罵倒して拒否する夕希さん」がすごいえっち。このCDは全体的き絡みのシーンが少なめなので、ここのシーンはワカモノの妄想成分が足されていて私はとっても好きです。
二話で大学で女子と話してから、晃さんと合流した時に夕希さんが自分の中だけで考えたことを隠すために「なんでもない」と誤魔化すセリフがあるんですが、ここの興津さんの言い方が、好きです!!普通は「なんでもない↘」と下がるんですが、「なんでもない↗」って上がる想像もつかないアクセントで、かわいい夕希さんらしい言い方なんです。ありきたりじゃない台詞が言えるの、すごいな〜と繰り返し聴きまくりました。
このあと、思い余って襲う晃さん。嫌がるかと思いきや、キスされると余裕なくなるからと拒んでいただけだった夕希さんに、ようやく初H👏!ただし最中の描写はカット!!
その代わり、中に出したせいで夕希さんがお腹壊したらしく晃さんがごめんと謝る事後の会話で、男同士のセッ…の基本を学べるからプラスマイナス、プラスですね!!!(潤滑剤は何を使用したか一生気になってる)
21歳、就職活動の真っ最中で、晃さんの現実主義タイプと夕希さんの夢見がちタイプの差が出てきますが、とにかくまだラブラブです。リクルートスーツを「リクスー」って略すの初めて聞いた…。早く社会人になって一緒に暮らしたいっていう晃さんの告白、良かったです。
25歳になると、ぐっと晃さんの声が落ち着いてきます。新垣さんの演技、基本ラインは声が変わらないけど深みを出していくのが本当に絶妙ですごいなあと思います。しかも、興津さんの声も大人びて来ます。同じ人なのに!いやすごい!!
二人で海に旅行に行って、夕希さんが仕事を辞めて脚本の学校に通いたいと言います。(ここで、晃さんに抱き寄せられるのかな?頭ポンかな?リアクションが「んあ!」みたいな声が、昔のままの夕希さんでかわいい)
夜、目が覚めると部屋に夕希さんがいなくて、昼に落とした晃さんのジッポを探しに行ったのかと海辺にいくと、ちょうどジッポを見つけた夕希さんが、まるで宝物を見つけたようにはしゃいでいました。晃さんが自分の思いを自覚するシーンですが、すごくいいシーンなのにとても切ないです。
なぜかと言うと、この3年後、セックスしているものの何故か晃さんの気持ちが冷え切った感じになってるんです。多分口でして準備して、騎乗して主に夕希さんが動いて、二人で果てたあと話しかけようとすると、疲れて眠いという晃さん。冷たいよ〜!!!
自分の周囲が結婚していく、子供が出来る中にいないことが気になりだす晃さん。そして、仕事先の相手から告白され、夕希さんがいつかオーロラを見に行きたいという話に、出来ないと言って別れを告げます。辛い、辛すぎるぜ〜!!!!別れたくなくて早口で話す夕希さんが可哀想過ぎる!!!
二人を繋いでいた白線が切れてしまったと泣く夕希さんの声が悲痛過ぎて心が痛みます…興津さんの泣き演技ランキング1位です!!!!ついでに、「あんなに俺を愛したくせに…」がこんなにもクサくなく言えるのもすごいです。
そして、さらに3年後。
結婚したものの、心に穴が空いたようになっている晃さん。声がさらに年齢がかさなっています。
夕希さんは、晃さんの吸っていたのと同じ銘柄のタバコを吸う男と行きずりの関係を持ちます。ここが例の特殊シーン。
インタビュー記事でも興津さんが話されていますが、心の通わないセックスシーンはなかなかないということで、全然噛み合ってない感じなんです。心で晃さんのことを考えているからなのか、上の空で全然気持ちよさそうじゃない感じでした。なかなか聞けないレアシーン!!!モノローグが心の傷が全然癒えてない感じなんです。
その1年後(別れて4年が経ったらしい)、晃さんは定時で仕事を終えて家に帰るだけの何も考えず普通の生活をしています。白線から落ちないようにと自分の想像力で遊んだ子供時代と、決まったレールを決まった時刻で走らされる電車に詰め込まれていく大人の対比。
なんとなく帰りたくないのか、仕事終わりに喫茶店に入っていてついうたた寝をして夜遅くなり、晃さんが公園のベンチで帰らないとと思っているうちに、過去のことを思い出して泣きます。
海辺で無邪気にジッポをみつけてはしゃぐ夕希さんを見て、これ以上愛してしまったら、いつか夕希さんが自分から離れてしまったときを恐れて自分の心に蓋をしてしまったこと。
大声を上げて泣く演技が本当に真に迫っていて、家に帰っても奥さんに向かって謝りながら嗚咽する新垣さんの演技、最高です!!!!
さっき冷たいよ〜って言ったけど、これ聴けたからいいや!!!!という気持ちになりました。(新垣さんの泣き演技がお好きな方には、2025年春以降に発売になるふたり芝居「グレイテストレスト」をおすすめします!!!)
この1年後、離婚してから、夕希さんのことを探すと、実家も引っ越していて連絡も取れない。
さらに3年後、夕希さんと会えないまま36歳になっている晃さんが、たまたま見つけたポスターでアラスカにオーロラを見に行く旅行に行きます。
オーロラを眺めながらたまたまぶつかった相手が夕希さん!!!(外国だからかSorryって謝る興津さんも聞ける)
ありがとう王道展開!!!
ありがとうBLの神様!!!
ありがとうございます、常倉三矢先生!!!
驚いて去ろうとする夕希さんを追いかけて、「愛してる」という晃さん。遅いよ!!!!
夕希さんに殴られて、「離せよ!!!」と怒鳴られてもずっと離さないと言って愛してると言い続ける新垣さんの演技、やっぱり最高です。あー、本当にCD買ってよかった、の気持ちです。めちゃくちゃ高かったけど😭
子供の頃の白線ではなく、空にあるオーロラの奇跡のような線が二人をまた繋ぎ直すということですね。
ホテルで改めて再会して、本当は二人でオーロラを見に来たかったけど出来ないから、忘れようと思って来たと泣きながら話す夕希さんに、苦しませてごめんと晃さんが謝るシーン。と、そのあとのセッ…
私が再会のシーンとこの後のシーンで記憶喪失になっていましたが、ちゃんと致していました!攻めが受けに尽くす感じと、多分久しぶりに致すからちょっと待って…と余裕がない受け的な!
いや〜心が感動しすぎると私はエロスセンサーが薄くなるんですかね…
この後、「晃は昔から沢山考えすぎるから分からなくなるんだ、二人でいれば怖いことなんで何もないのに」の夕希さんの言葉にまた涙が出ちゃう晃さん。
二人で指環を作って(多分養子縁組した)同棲再開。晃さんの結婚生活の遺物の冷蔵庫を使って、晃さんの過去の過ちを忘れないようにという夕希さんは無邪気なだけからトゲもある人に成長(?)しています。
数年後、元奥さんが再婚して子供が出来ているのを目撃して再び泣いて喜ぶ晃さん。よく考えると、新垣さんがこんなに泣くのって珍しいのでは…?短い時間なのにこみ上げる気持ちを溢れされるの、本当に素晴らしいです。
年を重ねて、54歳。勃起不全になってしまった晃さん。自然でいいよという夕希さん。
68歳になると、急に痩せる晃さん。二人の声の変化すごい…!!
入院して1年、お見舞いに来て明日はリンゴを買ってきてと頼まれて帰る途中、夕希さんが不安になって戻ると危篤になっている晃さん。そのまま旅立ちます。
82 歳の夕希さん。介護ヘルパーさんと話している、もうおじいちゃんの夕希さん。車椅子に乗っている。2人分の指環を身に着けている。
咳をして体調が悪い演技、すごい高齢者の咳っぽいし、病院で酸素マスクしているときの最期の呼吸も凄いです。
亡くなって子供に返って、白線の先に待っていた晃さんと再会して、「喜びも悲しみも共に」と言って終わる…
いやー、映画みたいですね!!!
初回限定のミニドラマ、「JOY」は、お腹にいる時に実は産婦人科で晃さんママと夕希さんママが話していたという話と、11歳の時に二人が将来の夢について作文を書いてた話、42歳の二人が公園のシーソーで遊んじゃう話。おじさん達の笑いながらはしゃぐの尊すぎて、そのあとの息切れまで大好きです。
もう一つは、37歳の二人が、両親から送られたとんでもなく長いマフラーをして歩く話。再会後1年くらい。マフラーが二人を繋いだ線ということですね。オチのお陰で興津さんと新垣さんの咳が聞けて満足。
最後は、この感想のために新たに買ったミニドラマCD「天上の僕ら」。天国では17歳に戻っている。生前の心残りを無くそうっていうので、制服エッチしたいと思ってる晃さんに、今際の際に頼まれたリンゴを食べさせようとして晃さんの口に無理やり突っ込む夕希さん、ナイス無邪気。
謎の雲カートに乗って移動。天国というか極楽を巡るデートが始まります。なかなかシュールで面白い。忘れてたけど晃さんも空想が過ぎるタイプなので、天国でやりたいプレイがしっかり声付きで展開されます。アリガトウッッ!!!まさか、スク水が喰い込んで恥じらう興津さんの演技が聴けるとはッッ!!!(他の妄想も結構しょーもないところがよい、そしてその演技する新垣さんもスバラシイ)
死後、実は夕希さんの周りで晃さんがうろついてたエピソードが出てきてすごい面白い。
とりあえず来世も二人が同じ線の上にいそうで良かったです。
フリートーク。いい感じに抜け感がある。というか、おじいちゃんで話し始める新垣さんと興津さん。キャラ設定を見た時に年齢設定が多すぎてびっくりした二人。晃さんが69歳で死んでズルいわって言う興津さん。老け演技は、唇を歯に被せて見えないように話すといいらしい。スタジオには白いテープで線が引いてあったらしい。子供の頃にやはり線を踏んでいた。
話の中で二人が離れていくのがリアルでいいという話。人生の終わりまで描くのが珍しい。線上を歩くというのが人生モチーフになる、子供の頃に思ったことが人生の先の指針になるみたいな話。興津さんは、いい話だけどちょっと疲れたとのこと(笑)やりきった心地よい疲れ。
一つの仕事でここまで年齢を変わっていくのはないし、今の年齢だからできたんじゃないか。夕希さんがかわいいキャラだから、どう年をとっていけばいいかを悩んだそうです。
最後にちょっとおじいちゃんみを出してバイバイ。
と、言うわけで以上となります。
私はこの作品で(「とろけるくちびる」にも出てはいましたが)新垣さんの演技がすごい!!と感じてこのあとに色々BLCDでの出演作品を調べるきっかけになりました。(そして囀る鳥の沼にダイブした)
あと、興津さんは人見知りだと思っているのですが、このときのフリートークでは興津さんの自由さに結構リラックスを感じられて、仲がよろしいというか、お二人の距離感が感じられてすごく嬉しかったです。
あ、あと夕希さんが愛のないセックスした行きずりの相手は高橋伸也さん、「オールドファッションカップケーキ」の柿谷さんです。興津さんとは結構昔からのお付き合いと聞いたことがあります。お芝居お上手だなあ…と。
インタビュー記事も最高です↓↓↓
そんなわけで、昨年末から下書きしていましたがようやく感想書けて良かったです。無理かもだけど素敵な作品だから配信とかで聞いてもらうかせめて再プレスして欲しい作品です。興津さんと新垣さんが好きな方、是非是非聞いてみてください!!!
(やっぱり好きなところが人と違う気がしてきた)(ちょっと嫌がりながらするところが性癖)(泣いている演技から生きる栄養素もらってるところある)
今年もよろしくお願いいたします!
今年は興津さんと新垣さんのラジオが始まるので楽しみなのですが、ずっと聞いていなかったオキツカの過去放送を少しずつ聞いて内容メモもしていこうと思ってます。まだ2回分しか書けていない…自分が聞き返したい時のためです。
そんなわけで、お読みくださり、ありがとうございました!
あ、途中で書くとなんか流れが悪いなと思って書かなかったけど、夕希さんが脚本の仕事を始めてまだ間もなくて(晃さんに振られる前)テレビで脚本担当したドラマを二人で見ているシーンで、「今回は名前が出てる?」(クレジットに)と聞かれて「出てない〜」という興津さんの返事がすっっっっごい、好きです。仕事してるのにまだ新米だからそれが世間には公表されてなくて、その情けなさ、悔しさとかを根が明るいからこそ表に出さないで誤魔化してるのかな、みたいな感じの絶妙なニュアンスが、好きです!!!
あと、本編がシリアスなのに、天国に召されてからちょっとアホの子みたいになってる晃さんの新垣さんの演技がめちゃくちゃ最高!!というか、新垣さんの声の年齢の幅の取り方がやっぱりすごい!!!
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