絶対にアナタも幸せを願いたくなる893系BL「囀る鳥は羽ばたかない」の感想
今回は「囀る鳥は羽ばたかない」の感想(映画、ドラマCD、原作)になります。前もって書いておくと、声優の興津和幸さんのファンで入っているため、感想は少し(かなり?)偏りがちかもしれません。原作も単行本電子で購入して読んでおります。最後に9巻感想も書きました。
まずは詳細はちるちるさんから。
ちるちるさんの説明読んでびっくりしたけど福山雅治さんが実写化したいって言ったんですか?すごい…
実は、前々から広告では見かけていた作品で気になっていました。なにせ動物好きなのと、ハード系のイラストと暗そう(ごめんなさい)な表紙にはなにか凄みを感じていました。でも冊数が多く出ていると追いかける自信もなく…
しかし、興津さんについて調べてみると出演されていることが判明。また、YouTubeで見られる2話までのボイコミと言うんでしょうか?を見たところ面白いなと思って1巻を買い、そしてたまたま今年の四月に秋葉原のシアターで映画をやると知ったのです。一緒に行ってくれる友達にもさっさと布教して、単行本2巻まで買って映画に行きました。
今回は有名作ということで、ネタバレ気にせず感想していきます!!!
映画を観に行くと、年齢層は本当に幅広くて様々、お着物のご婦人も、ちょっとパンクな服装の若い方も、最後に一人男性もいたりして…皆さんお好きなんだ…と感動しました。
実は私は、過去に有名なBLアニメを見た時に1話から肌色シーンがあって恥ずかしさに続きを断念してしまっていた経験があり、映画で見ると同じような羞恥心が沸き起こりちゃんと見られないんじゃないか…と不安があったのです。
結論からいうと、全然、平気でした。
まず、雰囲気がすごい。タバコの煙が揺らいでる感動。身体の描写が美しくて、神聖な感じ。一個だけ、バスローブから覗く矢代さんの足が百目鬼さん視点だからなのかツルツルテカテカに光って見えてなんだか笑いそうになってしまいましたが…
多少原作からカットされるシーンはあるものの、動くキャラクターをみて感動しました。あと、映画の終わりの地点は色々検索しててネタバレ踏んでいましたが、潔い終わり方だと思いました!でも続きを永遠にアニメでも見たい!!と思いました…OVAの方は全然手に入らず見られておりません。再販熱望。
omoinotakeさんの「モラトリアム」の曲も最高でしたね…最近某ヒーローアニメのエンディングを担当されててしみじみしました。とにかく映画は最高でした。またドリパスでやるならなるべく投票して、仕事が休みの時に行きたいなあと思っています。
そして、映画のあとに買い集めたドラマCD。映画と違って、原作にほぼ忠実なセリフ。映画のインタビューで新垣樽助さんが話していた気がしますが、アニメだとタバコを吸う尺が決まっているとのことですが、ドラマCDだとその辺がのびのびしているかも…
1巻の「元彼」のくだりが結構好きなので、ドラマCDでそこはあって良かったです。
ドラマCDで良かったのは、どれもキャストトークが楽しそう、に尽きます。特に三宅健太さんが、可愛くて…ヨネダコウ先生がだんだん三宅さんに寄せて竜崎さんを描きたくなる気持ちがわかります。そして、元気担当は興津さんもです!!興津さんは七原さん役の抜けてないテンションで、いつも楽しいです。あと、1巻のCDのライナーで、一人だけ文が長いのが興津さんなのが意外でした。多分、それぞれ別に書いていて、出来上がったものをみたら自分だけ長い!と気がついたのかそれから先はさっぱり目コメントでした。
キャストさんについて、それぞれの感想。(ドラマCDなので8巻までの)
矢代役 新垣樽助さん。
座長としていつものんびり優しいタッチの新垣さん。ふわふわしてる新垣さんが、一度矢代さんになると気怠げにタバコを吐いて、いつも少しふざけたようなことをいい、七原さんをバキバキに痛めつけ、百目鬼さんに隠した気持ちをバレないようにして、影山さんにはちょびっと甘えた感じになる…本当に、すごいですね。キャストに選ばれた理由があまりBLには出ていない方ということで、多分初めてのそういう役だと思うのですが、濡れ場も含めてすごい演技力です。(囀る以外の色々なBLCDでその後お世話になりました)
百目鬼役、羽多野渉さん。
羽多野渉さんは、普段は面白く楽しい方なのに百目鬼さんになった時の百目鬼さんが…近年のちるちるさんのBLアワード受賞に「喉に百目鬼を飼ってる」コメントになんて秀逸なんだと思いました。「カシラ」の言い方がいいんですよね…あと、入れ代わっちゃったのミニドラマ、本当におかしくて最高でした。低音を出していくことの大変さをキャストトークを聞くたびに感じます。本当に、波多野さんで良かった!!
七原役、興津和幸さん。
3番目に書くのは贔屓になりますかね…興津さんの演じるキャラの中でも5本指にはいるくらい大好きなキャラになりました。初めから矢代さんを覗くわ百目鬼さんとのことを知って怒るわ、百目鬼さんが矢代さんを綺麗だって言うのに恥ずかしくなるわ…あと、殴られる演技がお上手だなあと思います。過去編が聞ける4巻は興津さんファンにとっては大事な巻では…それに、4年経ってもそばにいるのが七原さんで本当に嬉しいんです。親が子を殺そうとするなんてあり得ないという、あったかい心の七原さん。興津さん自身も、ちょっと突っ走りがちでコメディー担当の七原さんを演じるのが楽しかったのかなと毎回キャストトークを聞いて思いました。8巻の入れ代わっちゃった回の収録が面白すぎて大変だったという話は、オキツカでも話をされています。(オキツカ第125回放送、冒頭五分くらいのところです)
影山役、安元洋貴さんと
久我役、小野友樹さん。
矢代さんとの元同級生、矢代さんを案じながらも矢代さんからの好意に気が付かないニブチンな影山さんを演じる安元さんも、キャストトークは楽しそうに話されていましたね。安元さん本人のゆとりがいつもあるから、影山さんにもママのような安心感を感じてしまいます。参加したいからと怪我人が増えてほしいという安元さん、好きです。
小野友樹さんの久我さんも、初めの狂犬ぶりからのすぐに影山さんとお付き合いになるあたりの感じが小野さんが流石、という気がしました。私はこの時は全然小野さんのBLには触れてなかったのですが、後ほど別作品で興津さんとのもので気に入る作品がありすごく好きになっています。
小野さんはキャストトークが別撮りが多くて話す内容が他の人と違うのが面白いです。
三角役、大川透さん。
矢代さんにとって、大事な存在の三角さん。いや、普通に見たら三角さんの方が矢代さんへの気持ちが大きいと思うのですが…。でも、なんだかんだで矢代さんは三角さんに対してのある種の特別な思いがあると思っています。私は。その三角さんを演じるのは大川さん。本当に話し方が優しいけど、怖い時に醸し出す極道みは素晴らしいです。実は興津さんの初めてのメインBLCDでお二人が共演されていて、その時も893さんの役だった大川さん…。四巻のキャストトークで、話の先が「どうなんのカナぁ~?」と何度も言うところがSO CUTEでした!!大川さんの役作りについてももっと深く聞いてみたいです。
天羽役、佐藤拓也さん。
セクシーで楽しいお兄さんのサトタクさんこと佐藤さんが演じる天羽さん。いつも三角さんのお世話役として淡々としていたけど、まさかの四年後編では百目鬼さんを桜一家に預けるという大事なキーパーソンに!そもそも初めの登場から世話焼き女房的な天羽さんにときめいているので、佐藤さんでよかったとしみじみと聞き入っています。キャストトークでたまに鳴き声みたいに「アモーウ」っていうの、面白いです…。
竜崎役、三宅健太さん。
三宅さんが、来た!!()毎回キャストトークで一番ガバガバ場を盛り上げてくれている三宅さん。竜崎さんの時の迫力が凄すぎて、殴られる演技で殴る方が大変そうだった話、本当に聞き直しても感じます。声が付くことで役に影響を与える一番のキャラだったのだと思います。お縄になるまでは、よくおまけのドラマで七原さんといがみ合うやり取りが多くて大好きです。もしもこの漫画が終わるときに、ちらっとその後がそれぞれ描いてくれるコマがあるなら、まだ出所してないところでも、またはようやく出所して何か別なお仕事してそうなところでもいいから竜崎さんのこと、知りたいです…先生…。
杉本役、三宅貴大さん。
キャストトークで三宅健太さんを「健太のアニキ」と呼んでくれる三宅貴大さん。兄貴って、言いたくなりますよね…。「頭」をかしらと読むのかあたまと読むのか問題…声優さんって大変ですね…。杉本さんのキャラがいるから囀るの世界がちょっとほのぼのしている気がします。そして、カシラに冷たくされたい三宅貴大さん。四年後にいきなりビジュアル大変化していてびっくりでした。年代が少し若いキャラで、そういう意味で精神的に少し乾いたところが演技にも感じられます。
平田役、高瀬右光さん。
毎回の収録に三つ揃いのスーツで臨む高瀬さん。初めからコワモテ満載の声で、やはりこうなるのか…という展開でした。こういう役って難しいのだろうなと思うばかりです。6巻のキャストトークが、最後に新垣さんと二人で話すところがすごい感慨深かったです。外画でのお仕事も多い方のようなので、すごく演技がかっちりしていると感じました。悪役かもしれないけど、どうしても嫌いにはなれないのは、高瀬さんの声もあったと思います。
綱川役、上田耀司さん。
桜一家の頭、綱川さんの声は上田耀司さん。ワタクシ、2024年秋、今ようやく初めて某J○J○の奇妙な冒険一部を見始めたところでして、そうした意味で落ち着いていられないのです…。この作品で大人っぽい演技にやりがいを感じている上田さん。そして、声優さんを目指すきっかけくらいから新垣さんと知り合いということでした。綱川さんと天羽さんとのやり取りがいいんです…。これからのドラマCDが楽しみです!!
神谷役、増田俊樹さん。
6巻に入るときに、神谷さんは誰が担当するんだろう…とわくわくしていて、キャストみて納得。秒で神谷さんを感じました。口の悪さ、めんどくさがり、と見せつつ野心もありそうなタイプ…。そういえば、2024年でもしっかりBLCDに出演されててすごいなと思っております。キャストトークでも楽しく賑やかに話してくれて嬉しかったです。七原さんとの口喧嘩を永遠に聞いていたいです。神谷さんの柄シャツ、いいよね。
おまけ、井波役、伊藤健太郎さん。
悪役ポジションで、一度もキャストコメントに出てこないイトケンさんこと伊藤健太郎さん。私は某自転車青春アニメも、某金塊探しアニメでも伊藤さんの声を聞いていたのですが、井波さんのいやらしい話し方が本当にすごいなと思っています。声、好きです。井波さんのおかげであれがああなったという…。
本編も何回でも聞いて、漫画と合わせて聞きまくり、そしてキャストトークもリピートしています。
ということで、最後に10月に出た9巻の感想に入りたいと思います。残念ながら紙の本では手に入れられないため、特典リーフレットなどは見られないのですが…ここ数日色々な方の感想を拝見していると、なんとなく七原さんの活躍があるような気配を感じたので、どうかドラマCDのおまけになることを祈っています…。
好きなところ。
17ページ。押し倒された矢代さんに背中に触れられて、一瞬動きが止まる百目鬼さん。そして、背中を見てその刺青に気が付いて百目鬼さんを蹴り、殴る矢代さん。ここはCDになるならそこでの思いがきっと文字化されると思うので楽しみです。
そもそも、百目鬼さんが背中に天女を入れることになった経緯もまだ明かされていませんね。安直に考えたら、「天女=矢代さん」ということでしょうか。綱川さんが刺青をしているシーンがありましたが、刺青の掘り師の人との会話とかがあるんでしょうか。天女を引き留めるための羽衣って、何だろう…など色々考えたくなりますね。私は商業BLでは二次創作は嗜まないのですが、すでに色々出てそうですね…。
辛いところ。
46ページ。シャワーで激しい百目鬼さんのことを考えながら、女相手のことを考えてしまう矢代さん。矢代さんには前々から自傷的な性質はあるけど、ただ男とのセックスに興じるよりも、自分で心の傷を無自覚に抉るところが最も見てて苦しいです。そしで見えちゃうコンタクトのケース…。
寝顔と、それを見つめる百目鬼さん。52ページ。ずっとこうして穏やかにいてほしい。
呪いにかかったところ。59ページ。それは呪いなんだろうか?と考える。昔のお前ばっか探してくれる矢代さんを見て、神に(ヨネダ先生)感謝して泣きたくなりました。
はっきりいうところ。
101ページ。井波さんに向けた「気持ち悪い」のセリフのそこには、自分の父親への嫌悪に似たものはあるのか。そういえば、4年経った後は二人とも抱えていた昔の記憶が出てくることはない。
イケメン綱川さん。
116ページ。天秤の話にまだまだ奥山さんとの因縁が終わらない予感しかない。イケメンの綱川さんが、マジで顔が良いと思ったコマでした。ここもCDで聞くの楽しみです…。
感情のところ。
126ページ。感情を押し殺してきたというのは、今なのか、それとも幼少期からなのか…やはり、四年前に七原さんと病院で会った時に話した内容もあるのかなと思いました。百目鬼さんも、矢代さんに負けないくらい気持ちを出すことがないから、再会したあともどう思っているんだろう…と思っていましたが、このモノローグではっきり矢代さんへの気持ちが感じられてよかったです。
多分、これは告白だ、のところ。
137ページ。もちろん、百目鬼さんの「酷いの 好きでしたよね」への返事なわけですが、その返事に(お前が)が含まれてほしい百目鬼さん、無意識に(お前が)が漏れちゃってるのに全くわかってないけどもしかした少しわかってるのかもの矢代さん、の表情に思えています。私だけの幻覚ですかね…?
何のセックスとは?なところ。
148ページ。いや、セックスに何の、があったのか…?と我に返る私がいました。そして、矢代さんにとっては幼少期の理不尽な暴力として、自分の性的欲求解消のため、警察との情報のやり取りのため、いろいろなあり方があって、それには4年前に初めて優しくされた経験もあって、今している行為はどれなのかよくわからなくなってきたのかなと思いました。百目鬼さんはそれに対して、ただ節操がないと答えるのは四年前よりも大人になったんだなあと思いました。今は矢代さんに思いを言葉で言うことは却って拒絶を招くと考えたのかもしれませんし、百目鬼さんも今の行為に意味を持たせたくなかったのかもしれません。
成長しない家畜、のところ。
171ページ。優しくされて拒絶しかけたとき、百目鬼さんは落ち着いている気がしてほっとした。でもこのページの真ん中の顔を隠す矢代さんの気持ちが知りたいです。百目鬼さんは女の人と付き合うようになった(と思っているけど本当かわわかってないし信じてない単行本勢)のに、自分はEDで変わらなくて自由がない、みたいな気持ちで家畜なんでしょうか。
後でコロス天羽さん。181ページ。声で聞きたい。好きです。あと、次のページのたしかにの三角さん。たしかに。
影山先生の治療、相変わらずっぽくて一安心。185ページ。
久しぶりの久我さん、健康的。ツーブロックですか?188ページ。
雨…のところ。
196ページ。前に好きになった人から、心配される。この四年、もしかしたら影山さんに対しての気持ちも落ち着いたのかもしれない。古傷としてはあるけど。倉庫で膝枕してもらいながら訊いたセリフが、今、好きになる気持ちをどんなだか味わっている感覚を突き付けてくるのかもしれない。
やっぱり、矢代さんは百目鬼さんは自分のことを好きだということを感じてないのかな…。矢代さんは、三角さんの偏愛が自分にとって厄介ごとの元凶だということはわかるけど、三角さんからの愛情に近い気持ちには気が付いてないっぽいし、竜崎さんからの好意も分かってない…、そういうことに育ち的に感じ取りにくくきたのかなとも思うのです。
百目鬼さんは、矢代さんに対しての接し方を考えてあえて余計な言葉をいわないのだと思うのですが、これから先、矢代さんが百目鬼さんの気持ちがちゃんとわかる日が来ることを切に祈ります。
まだ893さんたちの揉め事が一向に終わらなさそうなところを見ると、完結まであと3巻くらいかかってもおかしくないのでは…?なんて勝手に思いました。どれだけ長くなっても、矢代さんと百目鬼さんに幸せになって欲しいです!!(某サリンジャーの短編集の小説の名前に由来した伝説のBL漫画のようなエンドに、ならないでほしい…。あれは好きなんだしあれはあれでハッピーエンドだと思ってますが)そして、最後までCD化もしてください!!!
長くなりましたが、「囀る鳥は羽ばたかない」に出会えて本当に良かったです。ヨネダコウ先生の描くセリフのないコマがとっても大好きです。
そして、そのセリフの行間を、どのようにして声優さんが埋めていくのか、楽しみにします。
おまけ 好きな七原さんのシーン
突っ込み同士の話。勘違いしちゃう最高です。ケンカップルっていうことですね?
百目鬼さんに矢代さんの体調聞かれるところ。いうか迷う気持ちはあるんだろうなーと勝手に思ってます。
お腹が出てきた七原さん。でも頑張るところがかっこいい。
190ページで無言で矢代さんにタバコの火を点けるの流石です!!
スキなどいつもありがとうございます…!!!
読んでいただいたことに感謝です。
結局、七原さんの靴下、どうなりましたかね?(気になってる)