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ロイヤルホストでは大人な夜は過ごせない

土曜の夜、彼女となんばの焼き鳥屋へgoした。
なぜかお互いのGoogleマップでチェックしてた店。

せせりに大葉が巻き付いててそれがとんでもなく美味い。

ハイボールぐび、ビネガー酎ハイぐび。
ぐびが進む飯に出会えたことでリピート確定だった。
お互い一杯ずつ飲んで、お酒はもうKO。
だんだん酒が弱くなってる。

そんな酒弱の俺たちが選んだシメがロイホのパフェ。

「辛ラーメン食べて、辛くて気分がショゲなので美味しいものが食べたい!」

彼女は辛いものがとことん苦手なのに、なんで辛ラーメンに手を出したのか意味がわからない。
チャレンジ精神だけは愛したい。

辛いもの食って、しょげて、甘いもの食べたくなってるの単純で良いな。
とか思いつつロイホまで散歩することにした。

「いつもすっぴんの時しか写真撮らない。化粧してる可愛い時にも撮ってよ。」

「どっちも可愛いから差がわからん。」

散歩中調子のいいことを言うと無視された。

でも珍しく外にいる彼女を撮ってみると、なんかいい写真が撮れちゃって、もっといっぱい撮るしかねーなと思った。

ロイホが近づくにつれて彼女がニヤニヤしてるのがわかった。

31歳がパフェを目前に鼻息を荒くしてた。

ロイホの扉を開ける頃には確実に
「ふんーふんーふんー」
って鼻から音と煙が出てた。

欲望に素直な人間。

「ホットファッジサンデー良いな!」
「ヨーグルトジャーマニーもありやな!」
「メロンも食べたい!」

メニューを見ながらずーっと1人で喋る彼女。

結局メロンにしたみたいで、パフェがやってきて一言目

「なんか、私と色一緒!!!」

自分の着てるカーディガンが緑色で、それが嬉しかったのか、
俺じゃなくてメロンに話しかけてた。

人って美味いもの目の前にすると果物と会話ができるらしい。

俺はと言えば激甘のホットファッジサンデーを食ってたが、
甘すぎて視界がクラクラしてきたので
彼女に残りをあげることにした。

大喜びでパフェグラスを目の前に並べて、
ニコニコで交互にパフェを食べてる。

無邪気。22:00。

ぼーっとそれを眺めてる俺は、コーヒー2杯飲んでチャプチャプでKO。

あれだけニコニコだった彼女が急に悲しい顔をして一言。

「もーちょっとでなくなっちゃう(泣)」

ここで確信した。

俺たちはまだ大人としてロイヤルホストにはこれていない。

自分で食べて無くなりかけてるパフェを見て嘆く彼女。31歳にしては素直すぎる。
絶対に大人じゃないし、もうずっとそれでいてくれとも思った。

ロイヤルホストで服腰掛けてゆったりする夜。

窓際から見える通行人の髪型にケチをつける2人。

ティーパックの種類の多さにテンションが上がる彼女。

滞在1時間半でトイレに3回行くうんこマンの俺。

いつまでもこんなロイヤルホストを過ごしたいと思った。

閉店間際お会計を済ませて外に出ると、夏の夜目前の最後の冷たい風が吹いてた。

俺は脱いでたブルックスのシャツを羽織る。

彼女は俺の歩幅に合わせて自転車を漕いでる。

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