甲子園現地観戦の4日間 10/2.3.4.5
皆さんお疲れ様です。今回は、甲子園で行われた対阪神の4連戦についてまとめていこうと思います。私自身4日とも甲子園で観戦しましたので、実際に見て感じたこと中心に執筆していこうと思います。
10月2日(金) 阪神 vs. 巨人 17回戦
阪神 1 (中) 近本 光司
2 (二) 北條 史也
3 (右) 糸井 嘉男
4 (左) サンズ
5 (三) 大山 悠輔
6 (一) ボーア
7 (捕) 梅野 隆太郎
8 (遊) 小幡 竜平
9 (投) 西 勇輝
巨人 1 (二) 吉川 尚輝
2 (右) 松原 聖弥
3 (遊) 坂本 勇人
4 (三) 岡本 和真
5 (中) 丸 佳浩
6 (捕) 大城 卓三
7 (一) ウィーラー
8 (左) 若林 晃弘
9 (投) 今村 信貴
バッテリー
巨人 今村、宮國、大江、ビエイラ、田中豊 - 大城
阪神 西勇、スアレス - 梅野
勝ち投手 西勇 (8勝4敗) 負け投手 (3勝2敗)
セーブ スアレス (2勝0敗19S)
本塁打 ウィーラー9号 大山23号
1-1 見事な役割を果たした阪神の8番・小幡
阪神内で起こったコロナクラスターによって、ショートを張っていた木浪が二軍へ。代わりの1軍昇格はショートの経験もある北條だが、首脳陣は小幡をショート起用。北條がショート守備で課題を露呈しているのは事実だが、高卒2年目小幡への期待の高さが伺える4戦だった。
その小幡は大山が先制本塁打を放ち2死で回った2回裏、センター前ヒットで出塁。9番西は見逃し三振も、8番の仕事を果たす。2打席目、先頭で回った5回裏はまたもセンター前ヒットで出塁し、9番西が送りバントと攻撃の流れを作り、その後糸井が追加点となるタイムリー。6回、2死で回った第3打席にはここもセンター前でこの日猛打賞。続く西がライト前を打つと、巨人は宮國を下ろし大江を投入。巨人としては余計な投手を使わされた格好に。
この試合は苦手西に8回1失点と好投され、1-4で敗戦したが、打の陰のヒーローは8番としての役割を十二分に果たし、流れを渡さなかった小幡だと思った。守備は軽快にこなし、打撃も1.5軍クラスの投手なら十分対等に対戦出来、何より言動や顔つきがアグレッシブで良い選手だなと感じた。
1-2 近本にセーフティバントを2度で許したサード岡本。
今季の岡本の守備は誰もが認めるほど上達しており、特に横の動き、ハンドリング、スローイングが上手い。このままゴールデングラブ賞はほぼ堅いと見ている。しかし、前方の浅い打球に対しては少しチャージが遅く、それにより出塁を許すケースが時折見受けられる。この試合、3回裏に今村の投球が近本の左肘に当たり、少し心配された。その影響もあったかどうかはわからないが、5回、8回の打席で共にサードへセーフティバントを試み、共に成功。特に5回はその後糸井に2点タイムリーを打たれるなど、試合の流れや観客の盛り上がりなどにおいて、巨人側からするとしまった!というようなプレーだった。私はこの日3塁アルプス席から観戦していた。岡本のチャージが特別遅くはなかったものの両手で大事にとってから送球していたため、送球が遅れた。5回、8回ともにそこまで厳しいバントではなかったため、本人としては屈辱的だろうし、悔しい結果となった。
10月3日(土) 阪神 vs. 巨人 18回戦
阪神 1 (中) 近本 光司
2 (二) 北條 史也
3 (右) 糸井 嘉男
4 (左) サンズ
5 (三) 大山 悠輔
6 (一) ボーア
7 (捕) 梅野 隆太郎
8 (遊) 小幡 竜平
9 (投) ガンケル
巨人 1 (二) 吉川 尚輝
2 (右) 松原 聖弥
3 (遊) 坂本 勇人
4 (三) 岡本 和真
5 (中) 丸 佳浩
6 (一) 中島 宏之
7 (捕) 大城 卓三
8 (左) ウィーラー
9 (投) 畠 世周
バッテリー
巨人 畠、大江、高梨、鍵谷、堀岡、宮國、デラロサ - 大城、炭谷
阪神 ガンケル、能見、望月、谷川 - 梅野
勝ち投手 畠(2勝3敗) 負け投手 ガンケル(1勝3敗)
本塁打 吉川尚7号 大城9号 近本9号
2-1 ガンケルの替え時を誤った阪神ベンチ
巨人は4回に丸のタイムリー、5回に吉川尚の本塁打で2点を取るも、先発ガンケルを捉えきれずにいた。先発ガンケルは6月24日のヤクルト戦でプロ初先発で4回7安打3失点、それ以降はリリーフとして活躍していた。9月26日のヤクルト戦で先発再転向し、4回1失点。この日のガンケルは日本での最長イニングを更新する6回に差し掛かっていた。先頭の岡本がヒットで出塁し、丸は打ち取るも、中島には粘られ四球。既に未知の領域に入っている中、阪神のコーチはマウンドに行くも、そのまま続投。引っ張るなーと思いながら見ていたら、大城が右中間へ3ランを放ち、5-0。
結果論かもしれないし、左のリリーフが苦しいのもわかるが、本気でまだ優勝を狙っているのならば替えるべきだったと思うし、原監督だったら間違いなく替えていた。この4試合4連勝するぞ!という心意気を阪神ベンチから感じなかった。
2-2 情けない姿を繰り返す9回裏巨人リリーフ陣。
8回表、坂本のタイムリーで2点加え7-0。楽勝ムードかと思えた。しかし、そのムードは一変。原監督を怒らせた。マウンドに上がった堀岡は先頭の大山にツーベース、ボーアに四球を与え、代打高山にタイムリーを浴びる。代わりにマウンドに上がった宮國は近本に3ランを浴び、たちまち3点差に。守護神デラロサを引きずり出される羽目になった。最後は田中俊太とウレーニャが衝突(ウレーニャの判断ミス)するも、田中俊太が何とか脇にボールを収める珍プレーで試合終了。何とも後味の悪い試合となった。
堀岡にしても、田中豊樹、宮國にしても、そこまで厳しい場面でないのに、こういった投球を繰り返すと、今年中に見切りをつけられる可能性もあるし、こういった投球をする投手を起用し続けるとファンに対しても失礼だ。堀岡、田中豊樹は150キロを超える速球を持っているのに1軍で結果を残せないのは、やはり変化球が一軍レベルにないということだと思う。他球団でいうと、DeNA中川虎大も当てはまる典型的な二軍の帝王。2人とも光るものを持っているだけに期待したいところだが、、、。
★気になったプレー・選手
5回裏、2死1塁で北條がセンターフェンス直撃の打球を打った場面。一塁走者は俊足の近本。これは1点を許したかなと一瞬思ったが、その心配は杞憂に終わった。センター丸のクッション処理、カットマン坂本への送球、坂本の捕球体制、大城への正確なワンバン送球、大城のタッチ、そのどれもが極上で近本をアウトにした。述べた要素どれか一つでも欠けたら完成しない、プロ中のプロのプレーを間近で見れて非常に興奮した。
10月4日(日) 阪神 vs. 巨人 19回戦
阪神 1 (中) 近本 光司
2 (二) 北條 史也
3 (右) 糸井 嘉男
4 (左) サンズ
5 (三) 大山 悠輔
6 (一) ボーア
7 (捕) 原口 文仁
8 (遊) 小幡 竜平
9 (投) 秋山 拓巳
巨人 1 (二) 吉川 尚輝
2 (右) 松原 聖弥
3 (遊) 坂本 勇人
4 (三) 岡本 和真
5 (中) 丸 佳浩
6 (左) ウィーラー
7 (一) 中島 宏之
8 (捕) 炭谷 銀仁朗
9 (投) 戸郷 翔征
バッテリー
巨人 戸郷、大江、鍵谷、高梨、ビエイラ、中川、田中豊 - 炭谷、小林
阪神 秋山、藤浪、谷川、齋藤、横山 - 原口、梅野、坂本
勝ち投手 大江(3勝0敗) 負け投手 秋山(6勝3敗)
本塁打 丸18号 若林2号
3-1 「デジャブ」
日本語に訳すと既視感、既に経験したことのある感覚のことを言うこの言葉だが、この日の試合ではその言葉にぴったりなシチュエーションがこの試合にあった。
巨人の先発は戸郷。この試合の戸郷は珍しく制球に苦しみ、3回は先頭大山にツーベース、3連続四球で押し出し四球を与えた。原監督はここでスパッと戸郷を諦め、大江にスイッチ。ここで諦めることが出来る原監督の決断力、そしてそれに応えられるカードを持っているのも巨人の強みだ。無死満塁でマウンドに上がった大江は今年のベストピッチを見せる。今年おなじみとなったボーアとの対戦では外のスライダーを振らせ、三振。1死満塁となったところでこの日捕手スタメンの原口が初球をファーストファールフライ。そして続く小幡を外のスライダーで三振し、絶体絶命のピンチを抑え切った。
そして火消し後の4回もしっかり抑え、2回無失点と役割を果たす。5回、代わってマウンドに上がった鍵谷が連続四球もあり、1死満塁のピンチ。ここで打席には原口。あれ?なんかこれ見たことあるな、と。思い出してみると3回の同様のシチュエーションがあった。デジャブかな。確か原口はここでファーストファールフライを打つんだよなと少し冗談交じりに話していたらまさかのファーストファールフライ。申し訳ないけど笑ってしまった。 続く小幡はピッチャーゴロでまたも満塁のピンチを抑えた。
今日のピンチはこの2つの満塁に象徴されるが、合計6被安打、9四死球で失点が押し出しによる1点のみ、残塁13。阪神ファンからするとフラストレーションの溜まる試合となった。
3-2 球場の空気を一変させた藤浪の登場。吉と出るか、凶と出るか。
阪神の先発は秋山。5回まで丸のホームランと松原のタイムリーによる2失点と先発の仕事は果たしていたが、矢野監督は6回に藤浪を投入。球場の空気を変えられる藤浪をマウンドを託した。恐らく球場で藤浪を見たのは初めてだったが、本当に異様な雰囲気に包まれていて驚いた。1球ごとにまるで点が入ったかのような大きな歓声や溜め息が球場に包まれた。中には親心のように藤浪を見守るファンを多いのだと思う。その球場の視線を集めた藤浪は6回、坂本、岡本に連打を浴びるも何とか無失点に。続く7回もマウンドに上がったが、炭谷、若林、吉川、松原に4連打を浴び、2失点。何とか抑えてくれというファンの願いが潰えた甲子園は静まり返った。藤浪の存在は、阪神にとって諸刃の剣になっている。
10月5日(月) 阪神 vs. 巨人 20回戦
阪神 1 (中) 近本 光司
2 (二) 北條 史也
3 (右) 糸井 嘉男
4 (三) 大山 悠輔
5 (一) 原口 文仁
6 (左) 髙山 俊
7 (捕) 坂本 誠志郎
8 (遊) 小幡 竜平
9 (投) 髙橋 遥人
巨人 1 (二) 吉川 尚輝
2 (右) 松原 聖弥
3 (遊) 坂本 勇人
4 (三) 岡本 和真
5 (中) 丸 佳浩
6 (一) 中島 宏之
7 (捕) 大城 卓三
8 (左) 若林 晃弘
9 (投) 桜井 俊貴
バッテリー
巨人 桜井、宮國、堀岡、田中豊 - 大城、小林
阪神 髙橋 - 坂本
勝ち投手 高橋(4勝3敗) 桜井(2勝3敗)
本塁打 大山24号
4-1 またしてもチャンスを逃した詰めの甘い桜井。
この日の阪神戦にはドラフト2位ルーキー太田龍の登板が予定されていたが、前回の2軍登板で10失点炎上してしまったため、桜井にチャンスが回ってきた。桜井は今季開幕ローテ入りも、不安定な投球が続き、途中リリーフに回ることもあったため、久しぶりの先発チャンス。初回から飛ばしているなという印象で、4回まで大城のパスボールによる1失点の好投。1-1で迎えた5回、簡単に2死を取り、打席には好調糸井。カウント1-2と追い込んだところで桜井は渾身の1球を内角に投げ切るも、判定ボール。桜井はベンチに帰りかけるほどの手応えだったようで、切り替えが出来るか心配だった。気が抜けてしまったのではと言われると桜井自身はもちろん否定するだろうが、ここから2球連続ボールで四球。続く大山にも2連続ボールとし、真ん中の直球をセンターバックスクリーンに運ばれた。大事なところで踏ん張れる、というのもプロで活躍するのに必要な要素で、ここまで半端な姿を見せられると桜井の底が見えてきたと思ってしまったファンも多いかと思う。結果5回3失点だが、首脳陣の印象は悪く、厳しい立場になったといわざるを得ないだろう。
4-2 モデルチェンジした高橋遥人にプロ初完投を献上。
阪神の先発は苦手としている高橋遥人。初回から非常にテンポよく投げ込んでいたが、少し違和感があった。どの球種を投げているかは遠目ではわかりにくいが、最速が140キロ前後。変化球しか投げていないのかなと思い、速報アプリを見たがしっかり直球と変化球を投げ分けていた。ただ、カット系とストレートの球速差がなく、いつもの150キロ近くの剛球は影を潜めていた。中5日の影響か、工夫して抑えていたのか(おそらく後者)はわからないが、ストレートと変化球の球速差が小さい小気味良い投球を続ける高橋に巨人打線は困惑したと思う。4回の坂本のタイムリーツーベースで先制も、他は全く良いところがなく、振り返ってみると、9回113球5被安打1失点で14奪三振で無四球完投勝利。第一戦の西勇輝と同じテンポの良い投球で、この4連戦を5分に持ち込まれた。この投球を続けられると本当に手強い。シーズン終了までに高橋、西とマッチアップする機会があれば何とかリベンジしてほしい。
(敬称略)
今回は以上となります。4日間も行くと目が疲れてきましたが、飽きはしなかったです。自分は巨人が勝つのがもちろん1番嬉しいですが、敗色濃厚でも1軍当落線上にいる選手が一本ヒットを打ったり、1回を抑えたりすることも楽しみにしているので、4日間それぞれが楽しく試合を見ることが出来ました。ですが、やはり声に出して応援できないのは物足りないです。自分は”ファンが打たせた”というのもある程度信じている方の人間なので、いままでのように応援できる日々が待ち遠しいです。未発表分の甲子園での試合が残されているので、予定が合えば是非観に行こうと思っています。また、巨人の日本シリーズ進出時の京セラドーム利用が公式に発表されましたね。チケット争奪戦に勝って、何とか観に行きたいなと思っています。
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