【BAL】補強とは「⚪︎⚪︎」を「◻︎◻︎」こと
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ハローエブリバディ、ジャンさんです。
LADが栄光を掴んでから幾星霜、オフシーズンが到来しました。
すでにQOが提示された選手の動向や、NPBからの移籍案件などを気にする声もあり、今年もストーブリーグは盛り上がりそうです。
本noteではオリオールズの補強を考えていきます。
オーナー体制の変更や、主力メンバーのFAがあったチームの動きはどうなっていくのでしょうか??
0.オフの動き予想概要
①概要
結論から述べると今オフは以下に焦点が当たると思われます。
SP
①QO非提示のフロントスターターレベルに1,2年契約
②エースクラスに5,6年契約。
のいずれかRP
ハイレバレッジを任せられるレベルのRP1,2人に単年+COまでの契約C/INF
控え選手層のブラッシュアップと、1Bの単年契約OF
右打ちのCOFに単年契約。その他
A.ノンテンダー
B.ノンテンダー候補たちをトレード放出
C.R5対策
②ペイロールについて
オーナーが変わったから大幅に増えて、大型契約連発するに違いない??
そうとは限りませんよ。奥さん。
そう言った部分も以下で述べています。
Ⅰ. 退団選手と怪我人状況
①主な退団した選手
退団した主な選手は上記の通りです。バーンズとサンタンデールにはQOが提示されました。2人ともおおよそ破棄の見込みです。
この中で25年BALとの契約の可能性がありそうなのは、破棄されたCO以下の価格で再契約になるかもしれないクーロムのみでしょう。
ヘイズはPHIからノンテンダーになるかもしれませんが、たとえ最低年俸でも彼と再契約することはないと思われます。移籍後も成績下げてるし。
②怪我人関連
ブラディッシュは右肘のトミー•ジョン手術により25年は全休確定。ウェルズについては肘の手術としか公表されていませんが、全休扱いとして考えていいでしょう。
23年オフにTJ手術を受けたバティスタと肩周りの筋肉の炎症で24年アウトになったロドリゲスについては、25年スプリングトレーニングには間に合うとのことなので、今のところは特に心配していません。
マテオはノンテンダーしてください。
Ⅱ-1. 弱点から考える補強
①ポジション別WAR
上記の図より、以下が言えます。
🔸C :ラッチマンの負担に対して考慮が必要
🔸1B:他チームに対してアドが取れないレベルでの弱点
🔸2B:致命的な弱点
🔸RF,SP:選手退団により弱点化
🔸RP:そもそも毎年それなりに補強が必要なポジション。
正直”何故あなたがスタメン扱いなの現象”を止めてプロスペクトを優先的に使ってれば弱点にはならなかった部分も多そうですけどもね。
なあオースティン•ヘイズ、君もそう思うだろ?(24年fWAR0.2)
②内部状況から見る補強の必要性
🔸C
Topプロスペクトであるサミュエル•バサイヨの昇格は早くとも8〜9月、よってWAR1.0が担保できるレベルの第二捕手がいてもいい。
補強例:T.ダーノウ、K.ヒガシオカ、C.ケリー、Y.グランダルなど
理由:マッキャン再契約でもいいですが、どうせならグレードアップしてほしさはある。
🔸1B
コビー•メイヨがいるが、定着までの時間稼ぎ要員が欲しい。
マウントキャッスル→メイヨの移行が25年中にほぼ確実で行われると思います。マウントキャッスルに託す時間や機会はもうありません(無慈悲)
オハーンのCOF起用も考慮すると、1B、対左投手に対しての単年補強が必要に思えます。
補強例:J.ターナー、P.ゴールドシュミットなど
理由:単年+COで済みそうなのは上の2人ぐらい?で、かつコンテンダーとしての経験値を買ってもいいと思います。
🔸2B
ジャクソン•ホリデイ固定でOK(≒もうデプス未満要員を使うな)
2Bはホリデイを固定起用、リバン•ソトを控えに持っていければ99%問題ないと思います。
補強例:マテオ、ウリアス、リベラ放出
理由:3人とも打撃も守備も別に起用したいレベルに至ってない。
3番の人は代走のスペシャリストとして残す??24年のチーム全体での代走起用機会が12回しかなかったのに?
🔸RF
カースタッドやオハーンで一応対処可能だが、両名ともフル出場できるかどうかの公算は立っていない。加えて25年開幕ロスターに入れるようなプロスペクトはまだいないので、今オフでは単年契約の対LHPに対応できる右打者が欲しい。
補強例:T.オニール、R.グリチャック、M.カナなど
理由:トップクラスでもないCOFに複数年出す必要はないと思いますので、この辺りを単年で獲得し、夏のTDLで同じく単年契約のオハーンと共に放出の天秤にかけられれば上出来だと思います。
🔸SP
候補は何人かいるが、いずれも25年のフロントスターターとしては考えにくい。よってFA外部補強は必須。
補強例:N.イオバルディ、J.キンタナ、M.フリードなど
理由:MLBreadyのプロスペクトがほとんどいない今、わざわざ指名権を喪失してでも獲得したい選手はそういません。おそらく半端なQO案件は狙わんだろうという公算です。
大物を狙っても5,6年契約以内でフリード、バーンズ再契約クラスじゃないですかね。
🔸RP
そもそも毎年それなりに補強が必要なポジション。オプション切れでDFA間近な人たちをどかす意味でも補強は必須。
補強例:D.ロバートソン、K.イェーツ、B.トライネン、J.ビークスなど
理由:RPに重たい複数年契約を渡すのはやめましょう。単年+COのみで抑えましょう。
Ⅱ-2. 編成や将来像から考える補強
①FAやサヨナラが近い選手たち
🔸SP
エフリンが25年オフにFAとなりますが、26年についてはブラディッシュやウェルズが復帰しているはずなので、特に大きく考慮する必要はないと思います。
24年TDLで入団したロジャースについては、芳しくない成績だったのでオフのFA獲得如何では再転売しても良いかと思います。
🔸INF
マウントキャッスルについては前述の通り。後の2人はデプス未満なのでノンテンダーになってもおかしくない。なのでサブ要員のUTが1人いてもいいでしょう。
補強例:K.ヘルナンデス、K.ニューマンなど
🔸OF
マリンズは25年オフにFA放出で成績を鑑みると再契約はほぼ無し、もしくはそれまでにトレードされる可能性があります。傘下には今季マイナーGG賞を受賞したエンリケブラッドフィールド Jr.や、AAA昇格済みのJ.ファビアンなどが控えているので、特段CFのためだけの補強は不要でしょう。
補強例:なし。
②調停と契約延長について
さて問題です。現在のオリオールズのコアメンバーのうち契約延長をしている人は何人いるでしょうか?
正解は0人です!!!
fangraphs.comが試算したBALの2025年予想ペイロールは11/10時点で$105M。年俸調停に入る選手が13人、そのうち何人かがノンテンダーもしくはトレードとなるでしょう。
ラッチマンとブラディッシュについてはarb1に突入しました。
25年オフにはガナー•ヘンダーソンとイニェル•カノ、フェリックス•バティスタが、26年オフにはジョーダン•ウエストバーグとグレイソン•ロドリゲスとコルトン•カウザーが…と、本当の意味での主力たちに年俸を支払わなければいけない未来が待っています。
調停年俸だけで$10M越えになる選手も複数人現れると思います。
こんな状況でソリッドとは言い難いFA選手に長期契約出せると思います??
例えばね、フアン•ソトやカイル•タッカーに全力出してラッチマンと契約延長失敗しましたならまだ許せる人もいると思うんですよ。そんなにいないと思うけど。
これがもう天井見えているような30歳超えてるCOFに5年1億ドルなんて渡してみろ。間違いなくチームの寿命が壊れるぞ。
無限コンテンド編や無限ペイロール編に入ってくれればいいのですが、そんなことにはならないと思うので、コンテンド寿命を考えた場合、大型契約はSPに高々1件、他は単年の穴埋め、もしくはグレードアップに留まると思います。
③ルール5対策
・Brandon Young (傘下19位)
ドラフト外入団の苦労人。24年は傘下内最優秀投手賞を受賞。
24年TDL後のGMインタビューで、同じくプロスペクトだったポヴィッチとともに名前が上がっていました。年齢を加味してもなお、R5対策で40人枠入りとなると思われます。
・Juan Nuñez(傘下8位)
ケイド•ポヴィッチ、イニェル•カノらとともに22年TDLにてMINから移籍。
K%:32.2%が魅力的。
◾️オフに必要な動きのまとめ
上記をまとめると、以下のようなオフの動き、選手獲得になるのではないでしょうか。
SP
①QO非提示のフロントスターターレベルに1,2年契約
②エースクラスに5,6年契約。
のいずれか
→ ①N.イオバルディ、J.キンタナ ②M.フリード などRP
ハイレバレッジを任せられるレベルのRP1,2人に単年+COまでの契約
→ D.ロバートソン、K.イェーツ、B.トライネン、J.ビークス などC/INF
控え層のブラッシュアップと、1Bの単年契約
→C :T.ダーノウ、K.ヒガシオカ、C.ケリー、Y.グランダル など
1B :J.ターナー、P.ゴールドシュミット など
INF : K.ヘルナンデス、K.ニューマン などOF
右打ちのCOFに単年契約。
→ T.オニール、R.グリチャック、M.カナ などその他
A.ノンテンダー
→ ホルヘ•マテオ、エマニュエル•リベラ、ラモン•ウリアス
B.トレード放出
→ ライアン・マウントキャッスル、タイラー•ロジャース、
セドリック・マリンズ
C.R5対策
→ ブランドン•ヤング、フアン•ヌニェス
【※追記】🔸優先度
高 1-①QO非提示のフロントスターターレベルに1,2年契約
4.右打ちのOFに単年契約
5-A.ノンテンダー、5-C.R5対策
中 5-B.トレード放出、3.C/INF、2.RP
低 1-②.エースクラスに5,6年契約
◾️〆
補強とは「強さ」を「補う」と書きます。
Waiver Claimで穴埋めする行為は「補う」だけで、基本的に強くはなりません。
オーナー体制が変わってペイロールが増加して補強が云々については否定しませんが、まずやるべきことは、負の遺産になりかねない(もうなっている)要素を上手く処理することだと思います。
はっきりと言いますが、この処理が24年中に完遂できなかったから、WCSでKC相手に無様で何も残らないような敗北を喫したと思っています。
このオフが第一の大きな分岐点です。
何年もの間徹底的に負けて、それでも得たものを活かすか。それとも情に流され間違った方に向かうか。
24年オフそして25年シーズン以降はかつての再建と、編成部の手腕の真価が問われます。
その終着点が次なる再建に向かわぬよう、願うばかりです。
参考文献