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【BAL】24' シーズン振り返り
※ヘッダー画像はチーム公式Xより引用。
※全ての商用的あるいは著作権侵害の意図を放棄して投稿します。
le hasard ne favorise que les esprits préparés…
幸運は準備された心のみに宿る
ルイ・パスツール:仏,細菌学者
こんにちは、ジャンさんです。
WCシリーズでKCに2連敗し、Thank you, FANSとなったので、2024年のオリオールズを総括します。
それなりに長く、そこそこ(当社比)辛辣な部分もありますがご容赦ください。
◾️チーム成績
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◼︎RS
91-71 .562, AL東地区2位(3.0GB), WC一枠目
◼︎PS
対KC, 0-2, WCS敗退
あのオフの補強と怪我人状況から考えると、"RSに関しては"よくここまで勝ったなというのが第一の感想です。
ただ結果以上に覆しようがない現実がそこにはあり、その現実に本来ならオフの時点から向き合わなければならなかった一年だったのではないかとも同時に感じました。
はたしてその現実に対して、オリオールズは対応できた/しようとした一年だったでしょうか? 為すべきことは為されたのでしょうか?
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SEKIRO: 株式会社フロム・ソフトウェア
正直なところ、やるべきことをやれてなかったから、目先の利益に囚われていたからあんなPSの結果になったんだろうって思いますけどね。
ポストシーズンに関しては野球の試合ではなく、ただの答え合わせショーを見ていたという方が正しいでしょう。
現実を受け入れろよって感じです。
なんのために何年も煮湯をガブ飲みして再建したのかわからなくなるよ、いやマジで。
◾️個人成績評価
主だったメンバー(退団選手含)の今レギュラーシーズンについて、個人的に評価をしていきます。
※ 成績はBAL在籍時に限定する&Fangraphsより引用
※ ★:途中加入or昇格
※ リーグ平均: AVG/OBP/SLG = .240/.309/.394
※ DRS,OAA,FRVは全ポジション合算
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🔸投手
①先発投手
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A以上の3人について
AAのバーンズ、A+のエフリンは言わずもがなの活躍。マイナー契約から這い上がったスアレスも予想外の活躍をしてくれました。
評価Bをつけた5人について
それぞれ期待値は下回る一年でしたが、怪我やTDL加入による環境の変化などの考慮する点はあると思います。
アービンについて
好投した期間はありつつも、ローテPとしての期待は下回っていたので評価Cです。
トレードされてからの2年目でしたが、OAK時代のイニングイーターの姿を取り戻すことはできず、ブルペンに回ったあとも負け試合を大負け試合に変えるだけのことがほとんどでした。
※せめてR.ヤーブロー(LAD→TOR)のようにTDLでトレード放出できなかったのか?ぐらいには思いますが、本人が介入できることではないので、これ以上書かないことにします。
24年オフにFAとなるミーンズについて。
開幕前の離脱、そして復帰直後の怪我で再度年単位での長期離脱が確定しました。年齢や二度目のTJ手術であることも考えると、来期以降のMLB契約にははっきり言って反対です。
仮にマウンドに復帰したとしても、22~24年の3年で10試合の登板に止まった若くもない、イニング消化すら怪しい投手をどうやって信用すればいいのか。そのマウンド機会を若いプロスペクトの実験場にした方がチームのためだと思います。なので来季の契約には反対です。
もし契約するならマイナー契約か、60ILが適用可能となったタイミングで、ロスター枠とペイロールを圧迫しないような契約を望みます。
ポヴィッチについて
成績だけ見るといいものではないかもしれませんが、今年や来年に関しては経験値を貯めるだけでいいと思います。出始めの投手なんてマウンドに上がれればそれでいいんですから。
調停権を得るまでぐらいにLHP一,二番手になるのが理想ですかね。
②ブルペン
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みんなよく投げてくれました、お疲れさまでした、というのがおおよその感想です。
今年唯一のFA補強だったキンブレルについて、前半戦はERA2点台だったのが一転、後半戦はERA10点台まで爆発しました。
TJ手術で離脱中のF.バティスタの穴埋めとまではいきませんでしたが、前半戦はしっかりと抑えてくれた試合も多々あるため、一概に期待はずれだったというわけではないことは主張しておきます。
50試合以上投げたメンツの身体が非常に心配ですが、ブルペン運用はどこもそういうものなのでしょう。
バティスタが来年復帰するとはいえ、今オフはハイレバ展開を任せられる選手をもう二人は加えてほしいところです。
「困ったらカノ」が通用するのも今だけでしょうから。
🔸野手
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③捕手
Adley Rutschman:B
来年は復調してねとしか今は言えません。
言うまでもなく彼はチームのコアです。コアofコアです。敗北の原因として必要以上に責めることなど今はできません。
彼を下位打線におけるような、出場試合数が120試合程度に収まるような打線の構築をすることをフロントは目標にしてください。
W.スミスを下位に置いても、LAD打線は強いでしょう?そういうことです。
James McCann:B*
控え捕手としてはそれなりの成績だったと思います。
鼻を骨折してもチーム状況ゆえ、フェイスガードをつけて出場し続けた姿は、間違いなく夏頃不調に陥り底に落ちかけたチームを鼓舞しようとした結果だと感じました。
今オフFAで立場上再契約するかどうかは微妙なところですが、残った場合は傘下CプロスペクトのBasalloが昇格するまでしっかりと役目を繋いでほしいものです。
④内野手
★1B
Ryan O'Hearn :C
おそらくオハーンは球団オプションの破棄で今オフ退団になってもおかしくないと思います。役割を考えるとCOF守備も含めてカースタッドで十分なので。
Ryan Mountcastle :C
また、近い将来メイヨや現在AAAのバサイヨが1Bを担当することを考えると、成績が今後劇的に向上しないのならば、オースティン•ヘイズ(現PHI)と同じ轍を踏むことになるでしょう。
あと2年連続で9月に離脱してるのでクッソ印象が悪い。ドラフト1巡目指名でSSとして入団した選手が、1B専任になってこの程度の打撃成績って正直BUST案件じゃないかな…??1Bでその打撃成績はねぇ…のお二人、もといTwin Ryan。
はっきり言うと明確な穴。打線の核になっていない1Bって居る意味が極薄なんですよ。
二人とも打撃面での評価が軸となるのですが、まあ1B専任orプラトーン起用の立場で残していい成績じゃないですね。
★2B
Jackson Holliday:X
20歳のルーキーに対して昇格初年度に求めるものは、経験を重ねること以外ありません。それが全体一位プロスペクトであるとしても例外ではないので、来年に期待という評価が妥当でしょう。
オプション行使やSS→2B転向も含め、いい時も悪い時もありましたが、すべてが糧となる一年になったと言えるのではないでしょうか。
Jorge Mateo:D*
ノンテンダーしなさい。
★3B
Jordan Westburg: A+
シーズン通して不調の波が小さく、常に安定した打撃を与えてくれました。実験的にSS守備にもついたこともあり、骨折での離脱後一気に打線の安定感が消え去ったことも考えると、成績以上にチームに欠かせない存在だったのではないでしょうか。
ちなみに2B守備だとDRS-8, OAA-7, FRV-5なので、3B固定で来年は頼みます。
Ramón Urías:B+*
今年のウリアスは、彼を完全なる控えにしておけるようなチーム編成を目指すべきだと教えてくれました。
守備がもう最悪レベルで、打撃もスタメンで固定起用できるような安定感はないのですが、控えにいる分には許容範囲内だと思います。
野手13人目としておいておくことがmustでしょう。立場的には依然危うい状況が来年も続くと思います。
Coby Mayo:X
今年はMLS0.045を超えない程度の昇格、出場にとどまりました。思うようなプレーも残せず、フラストレーションが溜まったMLB昇格だったように思えます。
しかし、ALL MiLB 1st Team、BAL傘下最優秀野手に選出されたりと、チーム内外からの大きな期待をかけられていることがよくわかります。
また先述のように今のBALは1Bが明確な穴なので、結果を出せば早晩1Bレギュラーの座を掴むことも見えてきます。というか掴め。
そう言った意味で、ホリデイ同様来季に期待という評価にします。
★SS
Gunnar Henderson : AA
説明不要。
SSでは三指に入る存在だと思ってます。
改善点を強いて言うなら、もう少し守備、一塁送球を安定させることでしょうか。一塁手の守備のせいだとも考えられるけどね。あとは、出場試合数を抑えて負担軽減されるといいなと思います。編成さん、頑張りどころですよ。
⑤外野手
★LF
Colton Cowser : A+&X
まさかカウザーがROY争いに関わるなんて去年オフの段階では信じられなかったなあ…。
ルーキーでただ一人開幕ロスターを掴み取り、好不調の波はありながらも、AL Rookieトップの24HRとfWAR4.0を叩き出しました。LF以外でも時折CFの守備についてくれるの、マジでありがたかった。OAA9は前任者の数字を大きく上回るものです。
彼の一年がとても輝かしいものであることは、牛の格好やグッズ("Cow"serなので)を身につけて応援を飛ばす観客が段々と増えていったことが証明してくれています。
Austin Hays : D→A+
見るも無惨な序盤の打撃と悪化に悪化を重ねる守備に加え、グラウンド外での騒動もありました。打棒は一時的に最低限レベルまで復調したものの、オフにノンテンダー不可避な前半戦の成績に収束しました。
しかしながら、TDLで後半戦のブルペンの核となるS.ドミンゲスをプロスペクト対価なしで引っ張ってきました。正直その点だけでA+の価値があると思います。逆を言うと今年についてはそれ以外価値が薄すぎた、本当に薄かった。
★CF
Cedric Mullins:C
CF守備はまだ見れる数字ですが、打撃についてはとにかく波が大きく不安定で、21年の一発屋という状態が今年も拭えませんでした。
(本拠地カムデンヤーズの狭いRFのおかげでHR数だけは見栄えがいい)
CFができるカウザーや、マイナーにいるファビアンやビーバーズ、ブラッドフィールド Jr.などのプロスペクトの状態を見る限り、FA前の放出も視野に入っています。
ノンテンダーとなるかどうかは微妙なラインですが、せめて来年はFA後再契約が望まれるような成績は残して欲しいものです。
成績を残すために必要なプレイタイムが与えられるかどうか?
聞かないでください。
★RF
Anthony Santander:B+
このHR数でこの最終成績は嘘だろ?と言いたくなった。
シーズン中に球団と契約延長の話はしていないと言っていたけど、そりゃこの成績と指標なら編成部は慎重になるだろとしか言えない。
とはいえ、キャリアハイの一年であったことは間違い無いですし、今年のBALを大きく支えた一人となりました。
FAについて再契約はまあ、よほどチームフレンドリーなものでない限り起きないと思います。もし彼と長期or高額な契約を結ぶのであれば、それは球団としての方向性を見誤っているとしか思えませんがね。
他球団と契約するにしても完全に希望通りとはいかないでしょうが、希望を大きく下回るような契約にもならないと思います。3y50M+CO2y分とかになるんじゃないっすかね(適当)。
Heston Kjerstad:B+&X
カースタッドの一年は、NYY戦で受けた頭部死球でいろいろ崩れてしまった印象を受けます。しかしながら離脱前は非常に好調で、復帰した9月でも打撃には光るものが見えました。
25年は出番が増え、守備につくことも多くなると思いますので、さらなる期待がかかります。本拠地のRFスタンド奥の通路に何本ものHRを打ち込むことを期待します。
⑥その他
Emmanuel Rivera , Eloy Jiménez , Austin Slater
COL戦で勝利打点を稼ぐなど要所要所で活躍したリベラ、いつも楽しそうに笑顔で盛り上げ、最終盤ではオプションを受け入れたヒメネス、そしてスレイターの評価は上の通りです。ほぼ数字通りの評価ですかね。特にそれ以上語ることはないです。
◾️総評
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上はPS初戦(ALWCS@OPaCY)の結果です。
本当に2024年のオリオールズを表しているなと感じましたね。
HR頼みで雑になるアプローチ、フリースインガーを上位打線に置いてことごとく失敗。状態や期待値よりも左右や経験を重視、その場しのぎのイニング途中での継投、ロングリリーフ軽視の編成、シーズンを通して一貫性のない成績と打順。
そうせざるをえなかった側面は確かにありました。
オフの野手補強と整理は0、TDLはデプスメンバーのみで打線の強化はプロスペクトの適応頼み。
投手陣はクリティカルな怪我人が多く出ました。
そんな状況での2年連続のPS出場は本当に快挙だと思います。球団の歴史を見ても、1996-97年以来の2年連続PS出場となったことが、その凄さを示しています。
しかしながら、若きコアメンバーが調停権を得て、中堅メンバーがFAでチームを去る日が近づいてきています。分厚かったプロスペクトも昇格と放出が相次ぎ、マイナー層が心許ないと言える状況になりつつあります。
身を切るような補強をし続けて戦力を整え地区優勝を果たしたNYY、若きコアとの長期契約を結んだBOS、しっかりと売り手に回り来年以降を見据えたTBとTOR。
ビッグマーケットと野球功者が揃うAL東地区で同じことをしても、今年のような結果を来年以降も継続させることは簡単なことではないでしょう。
一度の舵取り失敗が命取りになるような分水嶺は、もう目の前に来ています。
加えて、今後同じようなシーズンを送れたとしても、苦しい中でよくやった!というプラス感情よりも、そこはもっと上手くできたでしょうというマイナス感情が大きくなると思います。ファンは贅沢になっていくものなので。
そういったマイナス感情が少なくなるような、オフの動きと25年シーズンを期待します。
新オーナー陣とGMがペイロールについて話し合いをしたという情報も少しずつ入ってきました。
ここからのオリオールズがより強くなりたいなら、節度を持ってお金を今以上に使うことが求められます。
いつまでもウェーバークレームやプロスペクト、過去の想い出をあてにしてはいけません。
How do you build a playoff roster?
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) October 2, 2024
The 12 clubs in the 2024 postseason proved there are many ways to go about it: https://t.co/FENk6qhG2b pic.twitter.com/EkTRbFABii
上のポストはPS進出チームのロスター構成を入団経緯で分類し、bWAR(rWAR)をあてはめたものです。BALの特異性(異常性?)が伝わってきますね。
来季以降はもう少し戦力を固定できるような編成と起用をして欲しいものです。
FA選手に頼らないとか、プロスペクトが豊富だとかって別に自慢できることではないので。あと切れる馘はもっと早くに切れ。首の皮一枚マンでプラトーンごっことか敗戦処理とか見ててつまらんから。
◼︎〆とご挨拶
長くなりましたが、ご拝読ありがとうございました。
25年シーズンのオリオールズ先生の次回作にご期待ください。
また、MLB30球団ファン合同note:BAL担当として、今シーズン中のnote投稿はこれが最後になると思います。(担当継続については一旦未定です)
こういった企画、ある種の創作活動のグループに参加することは人生で初めてのことでした。
最初はnoteの機能をうまく扱えずに苦しみました。機能に慣れても、note題材や内容に悩むなど、なかなか大変な思いをした一年でした。
完成までよりも、完成後の推敲やチェックにかけた時間のほうが長いnoteもあります。
ですが、活動の中で他担当者のnoteを読んだり、良かった構成を取り入れたりすることで、文章を書くこと、それも読む側の目線を考えた文章を書くことが楽しくなっていった一年でもありました。
なにより、毎回のように記事を読んでくれたであろう方、投稿ポストを拡散してくれた方、感想をつけてくれた方たちの存在が投稿活動の励みであり、心の支えでした。
この場ですが、御礼申し上げます。ありがとうございました。
また、合同note管理者のみなさん、他担当者の皆さんにも本当にお世話になりました。
note企画に参加したことで多くの交流や知見を得ることができました。
今後のMLBライフに活かさせていただきます。
ありがとうございました。
重ねてになりますが、一年間、本当にありがとうございました。
Baltimore Oriolesの情報が少しでも多く、皆さまに届いていれば幸いです。