フリーランスエンジニアになって 2 ヶ月が過ぎて視えているもの
イントロ
フリーランスのフロントエンドエンジニアになって 2 ヶ月が過ぎた。
前職で残業と人付き合いに疲れて、もう会社員は嫌だなって思って、3 年間でだいぶプログラマとしての技術も身についたのでフリーランスになった。
フリーランスのフロントエンドエンジニアになって 2 ヶ月が過ぎて、いろいろ思うところが出てきたのでいま視えているものを書いておく。
良い変化
フルリモート
前職をやめるとき、自分が次の仕事では絶対に欲しいと思っていた条件がフルリモートだった。
フルリモートで働けるようになったので、十分な睡眠時間を確保できるようになった。9:50 に起きて 10:00 から業務開始とかも可能なので、毎日 8 - 9 時間は寝ている気がする。そのおかげで仕事中に眠くなることもないし、なにより持病だと思っていた偏頭痛が完全に治った。偏頭痛は前職と途中から発症して、もう一年中、不連続的に頭が割れるように痛かったのだけれど、ふと「そういえばさいきん頭痛くないな」って気づいて、嬉しすぎて小躍りした。偏頭痛を抱えてるときは本当に辛かった。
あとフルリモートなので、環境が自分のコントロール下にあるというのが最高すぎる。デスク環境、空調、空き時間の過ごし方、タスク頭がパンクしそうになったらベッドに身を投げることだってできる。空き時間に洗濯とか、掃除とか、夕飯の下ごしらえとかできるし、昼食も自炊できるから節約にもなる。
人間関係の距離感
自分はフリーランスとして案件に参加しているので、契約している会社の人達からすれば「外部の人」となる。仕事中はがっつりコミュニケーションをとるけれど、顔を知らない人もいるし、勤務地が遠すぎて飲み会に誘われることはないし、自分としてはいい距離感だと思う。
自分は会社員として働いているときに、案件にフリーランスとして参画している人のポジションっていいなあって思ってた。なんというか社内の面倒な事情の外側で淡々とタスクをこなしているようすがとても生産的で、それこそ自分の理想とする働き方なんじゃないかって。で、いま自分はフリーランスになってその理想としていた働き方をする側にいる。つまり社内の面倒なしがらみとか関係なく、配られたり、取りに行ったりしたタスクを淡々とこなしていくというポジション。
予想通り、この場所は居心地がよかった。
仕事に対して
フリーランスになって、フルリモートになって、求めていた環境を手に入れて、それで仕事は楽しくやれているのかといえばまあ、そんなことはなかったりする。環境は自分の理想に近づけたのに、まだ不満があるのかと自分でも呆れるけど、不満っていうのはもぐらたたきみたいに、解決すれば次の不満がぽこぽこ生まれてくるものらしい。難儀なものだ。
で、新しく生まれた不満を手にとって色んな角度から眺めてみたりしている。
好きな分野のプロダクトだからといって開発がたのしいわけじゃない
自分は本が好きなので、書籍関連のプロダクトの案件に参加している。案件を探すとき、もうこれしかないってくらい熱望して、商談して、オファーもらった。報酬額だけでいうならもっといい条件の案件もあったけれど、書籍関連のサービスっていうのがやっぱり自分を惹きつけた。
ただ開発に入ってみると、そもそも巨大な案件の仕様把握が自分の脳みそでは無理なこと、フロントエンドエンジニアで react しか書いてこなかったので docker, php 周りでエラーが出ると詰むこと、割とレガシーなコードを触らないといけないこと、そういうのが積み重なって「あ、無理かも〜」ってなった。つまり適正のない案件だった場合、それはもうどうやっても楽しくないんだと思う。
とはいえなにか結果は出さないといけないから小さい目標を建てて、こなしていくようにした。はじめは「とりあえず最初のプルリクを作成する」だった。次は「とりあえず契約を切られないようにする」を目標にした。契約は無事更新されることになった。
好きな分野のプロダクトに関わってはじめて判った、好きな分野のプロダクトだからといって開発が楽しくなるというわけじゃないということ。これは実際に好きな分野のプロダクトに関わらなければ判らなかった。経験しなければずっと「書籍関連のサービス? ぜったい楽しいじゃ〜ん」って頭空っぽで言ってたと思う。
前職のときは toB の業務用アプリばかり作ってて、自分が使わないようなアプリを作るのはつまらんと思ってたけど、いざ toC の書籍関連サービスに携わってみるとそれはそれで不満が出てきた。ここでようやく比較対象ができて、自分がやりたいことが少し浮き彫りになった気がする。
自分なりに分析した結果、こういうことになる。
保守より 0 → 1 の新規開発案件が好き
js/ts, next.js/react が好き。それ以外はパフォーマンスがカス
これは次の案件を探すときに意識したい。
大規模なプロダクトの保守案件に参加した場合は、タスクの該当部分の仕様理解にとにかく時間をかけて、完全に理解してから作業するようにするといい。手探りで作業すると東野圭吾ばりのどんでん返し食らう時がある。
たぶん他人の指示で動いているうちは楽しくない
色んな事書いてきたけど、仕事が楽しいか楽しくないかは受動的か能動的かがけっきょくすべてなんやろうなっておもう。
他人からあれやってこれやってって指示されて、作業してレビュー出したら、こういうふうに修正してとか言われたりして、そんなんどう考えても楽しくない。仕事中にプログラミング楽しくないなって思って農家になりたいなって思い始めてたんだけど、仕事終わって個人開発でプログラミングしてたらめちゃめちゃ楽しくて、この違いはなんだろうって考えて、自分の好き勝手にできるかどうかだなあって思った。
つまりもう楽しく仕事するには、起業して完全に能動的に仕事できる環境を作るしかないんじゃないかって思いはじめてる。会社員が嫌になってフリーランスになって、フリーランスが嫌になって起業って、もう逃げて逃げて逃げまくった先が起業なら、やるしかないんだろうなあってかんじ。起業したらまた不満が出てくるんだろうけど、それは仕方ない。
実際に自分がやりたいことをやっていると、つまり個人開発とかやってると、びっくりするくらい没頭してる。それこそ一日中開発しててもまったく苦じゃない。好きなことを仕事にしようっていうキャッチフレーズが流行ってるけど、仕事にするべきなのは没頭できることだと思う。べつに好きじゃなくていい、ただただ無心に没頭できることを仕事にできたら、自分にとってそれがいちばん理想的。
収入
収入は副業も合わせて、大体月 65 万円くらい。
フリーランスになったけどとりあえず生活できるくらいには稼げている。世間で言われる、フリーランスは不安定っていうのはべつに感じたことがない。いまの契約が終わっても、次の案件はすぐに見つかるだろうし、なんなら会社員時代よりも精神が安定しているので、フリーランスのほうが自分的には安定性がある。あとは生活費を見直してもっと仕事の時間を減らして、個人的なアウトプットの時間を増やしていきたいって思ってる。
アウトロ
会社員時代はフリーランスになればあらゆる苦しみから開放されると思っていたけれど、そんなにうまくことは進まなかった。もちろん会社員時代よりは快適な生活になったけど、まだ受動的に仕事しているので、つぎは起業して自分の好き勝手できる環境で没頭できることを仕事にして、より快適な人生にできればいいと思う。
おしまい🍺