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オタク、スイスへ行く(Day4)
早いものでもう旅は折り返しに差し掛かっている。
本日の目的地はスイス西部の町モントルー。
国境が引かれているレマン湖のほとりに位置する湖畔の町で、対岸はもうフランスとなっている。
ツェルマットからは電車で2時間半。
移動だけで半日を潰してまでも、この町に訪れたのには理由がある。
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ここモントルーはQueenのボーカル、フレディ・マーキュリーが愛した町だ。
イギリスでのマスコミに追われる生活に嫌気がさした彼は、この静かな美しい湖畔の町を大変気に入り、あるアパートの一室を借りて過ごすようになった。
休暇を過ごすうちにますますこの町に魅せられた彼は、1979年に街の中にある"マウンテン・スタジオ"をQueenのレコーディングスタジオとして購入した。
"マウンテン・スタジオ"はQueenがオーナーになる以前にも、名だたるアーティストがレコーディングを行った伝説のスタジオだった。
デビッド・ボウイ、マイケル・ジャクソン、マイルス・デイヴィス、ディープ・パープルと枚挙に暇がない。
このスタジオで、Queenは4枚目のアルバム「JAZZ」から1995年発売の「Made In Heaven」までが制作された。
あの数々の名曲は全てこの場所から生まれたのだ。
晩年、フレディは療養しながらも亡くなる直前まで楽曲制作を続けた。
没後5年経った1996年。QUEENのメンバー、フレディの家族・友人からモントルー市に寄贈する形でレマン湖が見渡せる広場に銅像が設置された。
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ライブのワンシーンを切り取ったかのようなポージングは、生前のパフォーマンスを想起させる。
天高く突き上げられた右手の拳からは彼の強い意志を感じ、左手に握られているスタンドマイクは彼のパフォーマンスの象徴と言えるだろう。
閉じられた瞼の裏で、彼は今何を想うだろうか。
今この瞬間にも動き出すのではないかと思うほどに、躍動感に溢れていた。
QUEENファンからすれば聖地とも言える場所でもあり、いつの日かと思っていたがこんなに早く来ることが出来るとは予想外だった。
今回の旅の目的はここにあったと言っても過言では無い。
Queenの音楽に、そしてフレディの生き方にどれほど勇気と力を与えられてきたのだろうか。
フレディに会うため、そしてフレディに感謝を伝えるためにここに来ている。
ひとしきり銅像を眺めてフレディに思いを馳せたところで、次の目的地へ向かう。
上述したマウンテン・スタジオは残念ながら現在は閉鎖されてしまったが、「Queen: The Studio Experience Montreux」と名前を変え、記念館として数々のQueenのアルバムや機材、直筆の歌詞とフレディが実際に着ていた衣装に加えて当時のスタジオ機材なども展示されている。
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ジャケットのデザインがとてもお洒落。このアルバムも名盤なのでオススメ
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この曲は1992年のバルセロナオリンピックで披露されるはずだったが、91年にフレディが亡くなったため叶わぬ夢となった。
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過去の未発表曲やセッションデモ音源を基に制作された。ジャケット写真はレマン湖をバックに映るフレディ像。
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赤いギターは"ギターシンセサイザー"とも称されたレッドスペシャル
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展示を目に焼き付けながら、頭の中では「These Are The Days Of Our Lives(輝ける日々)」が流れていた。
この曲は91年に発売されたアルバム「Innuendo」に収録された楽曲となっており、フレディの全力で生き抜いた人生に対する答えが詰まった曲だと勝手に解釈している。
この曲のMVはフレディがなくなる直前に撮影された。
MVに映るフレディは痩せこけてはいるが、所作は美しく、力強い歌声は死期が近いことを感じさせない。
サビの"When I look and I find I still love you"
を聞くと、フレディの大きな優しさや愛を感じつつ、どこか遠くへ行ってしまうことを示唆しているようにも感じられ、いつも込み上げてくるものがある。
ついつい、考えてしまうことがある。
歴史にタラレバは無いと分かっていても、もう少し発症が遅ければフレディは助かったのではないかと。
エイズは今や不知の病ではないのだから。
だがフレディの意思は、QUEENの音楽は決して途絶えることはない。
今でも世界中で聞かれているのが何よりの証拠だし、残ったメンバーでのライブも継続的に行われている。
つまりShow Must Go Onってこと。
会いに来れて良かった。
本当に感謝で一杯です。
フレディが、QUEENが大好きです。
これまでも、そしてこれからも。
PS:キリが良いので今日の旅行記はここまでとする。
ほぼほぼQUEENの話をしただけになったが満足したので良し。