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弥生が終わる

長い長い信州の冬がようやく終わりを迎え、暖かな陽気が春を告げている。
桜の蕾が膨らみはじめ、空気も春の匂いを漂わせていた。
これ以上冬が続くと危うく冬眠に入るところだった。太平洋側育ちに山国の冬の寒さは大変こたえる。
一方で地元の方々はケロッとしている。大変不思議だが、やはり何事も慣れなのかもしれない。

季節はとめどなく流れ、決して止まってはくれず、ときには置いてけぼりをくらいながらも気がつけば年度末。
怒涛の社会人1年目が終わろうとしている。

期待と不安を胸に長野の地に足を踏み入れた去年の今頃に思いを馳せてみる。
久しぶりにホームシックを感じたのもその頃だった。
あれから1年、振り返る余裕すら与えないほどに時は瞬く間に過ぎていった。
ただただ日々の仕事に食らいつくのに必死で、遮二無二働いているともう2年目である。
年齢を重ねるごとに時間の経過が早く感じるというのはどうやら本当らしい。

この1年で学んだことが2つある。
「俯瞰力」と「謙虚さ」だ。

目の前のことで精一杯になると周りを見渡せなくなる。
見渡せなくなると当然、間違った考えに行き着きやすい。
自分もついつい、そうなりがちだ。大体視野角10度くらい。本当に何も見えていない。なので俯瞰して広い視点で見なければいけないことを思い知った次第だ。
また仕事を回す上で必要なのはいかに人を慮れるか。それに限る。
つまり謙虚さが大事ってこと。驕るな、常に謙虚になれよと。

社会人1年目の奴が何を偉そうに。そんなもん分かっとるわい!とお怒りの読者諸賢もいらっしゃるだろう。
いや全くもってその通り。そんな当たり前のことも1年前まで理解できていなかったのである。とんだ阿呆がいたものだ。

まあそんなこんなで阿呆なりに学びを得た1年だった。来年度も謙虚にがんばろう。

春は出会いと別れの季節という。
我が職場でも多くの人事異動があった。
仲良い先輩も異動してしまうらしい。大変寂しい。
と言いつつも来年は我が身。一体どこへ飛ばされることやら。
異動が多い仕事を選んだのは自分だし、日本各地に行けることは素晴らしいが、愛着の湧いた土地、出会った人と離れなければならないのはちと辛い。


卒業する大学後輩s&院進同期sに会いに行った。
みんなちっとも変わっていなかった。相変わらず元気そうで安心。馬鹿みたいに酒を呑み阿呆のように騒いだ。
この時だけは学生時代に戻れたような気がした。
これからみんなそれぞれの道へ進んでいく。それぞれの未来へ。
もうこの場所で集まることもなくなるのかと一抹の寂しさもあった。
でも場所なんて別に関係ない。何処でもまた会える。

今月はLiella3rdライブ千秋楽から今日のスクフェスサ終に至るまで、本当に出会いと別れの連続だった。
この歳になってもこれほどの新しい出会いに巡りあえる環境に感謝。
そして後輩たちの前途ある未来への門出を祝して今年度を締めくくることとする。



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