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なぜ、グローバル市場への挑戦が必要なのか? | 日米企業を30年研究してきたスタンフォード特任教授 にインタビュー3/4
この記事はGHOVCのYouTubeチャンネル「なぜ、グローバル市場への挑戦が必要なのか? | 日米企業を30年研究してきたスタンフォード特任教授 にインタビュー」を元に作成しています。
| Speaker
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ダッシャー博士が見る日本のスタートアップ
安永謙(以下:安永):皆さんこんにちは。GHOVCの安永です。GHOVCビデオブログシリーズスタンフォードのダッシャー先生を迎えての第3弾ということで、前回はですね。いわゆる話ピボットに関してお話をしたり、それからグローバルの重要性ということでお話をしました。
そんな中で日本のスタートアップの進化ということで、ちょっと今日お話をしてみたいと思います。Japan US Innovation awardというのをやっていまして、2015年からはそこでショーケースというプログラムを始めて、日本のすごい成長しているスタートアップにスタンフォードに来てもらって、その講堂で講義をプレゼンをしてもらいつつ、スタンフォードVIPセッションでシリコンバレーの人たちとミーティングをしたり、あとはメンターをアレンジする。
その時の資金調達したりとか、海外進出したりと、そこに必要なメンターをアレンジするというそんなことをやっています。そこでももう8年目ですかね、ということになるんですけども
ダッシャー先生はどう思いますか。日本のスタートアップのクオリティーというのは。
リチャードダッシャー(以下:ダッシャー):今の日本のスタートアップカンパニーは、グローバルレディーになっていると私は思います。昔のシリコンバレーの人が、投資家に言うことはスタンフォードの学生もわかっているような内容でした。
でも、今はそうじゃないですね。今の起業家はソフィスティケーションがずいぶん高くなりました。逆に日本のスタートアップカンパニーは、本当にグローバル市場を対象にしないともったいない、というようなスタートアップが増えたと私は思いますね。
それには、いろんな理由があると思います。一つには、日本ではやはり長期的にスタートアップエコシステムに関わっている人が増えていますね。もう、2回目のスタートを始めている人もかなり増えているわけですね。
もう一つは、スタートアップチームにはいろんな違う背景の人は入るようになってきました。12,13年前は、ほとんどのスタートアップチームは同じ大学の同じラボから来る同じ専門の工学の人はチームになっていました。今はそっちが3割の方で。
チームの中で創立者だけじゃなくて、中堅の例えば技術開発の人たちは外国の人も入ってると言うか。それは別に条件でもないですが、外国を考えることはdeep techだからこそ、そう考えざるを得ないですね。例えば、データ管理のプラットフォームを提供するのであれば、一つの市場(国)に留まるのはおかしいですよ。
世界言語はもはや英語ではない
安永:考えてみたらシリコンバレーのスタートアップも結構インターナショナルチームですよね。インドの人、もともとインドの人が中国の人とかと起業しているっていうケースもすごい多い。
ダッシャー:はい。これがなぜ難しいかというと、海外進出は現実的じゃないという思いこみがまだいろんな人が持っていますね。外国語が話せるかを心配してる、恐れている人もまだいるわけですね。でも、そうしなくてもいいですね。
総理大臣の顧問だった黒川先生の話なんですが、世界言語は英語ではないです。いわゆる「broken English」です。それはまさにそうなんですね。ですから、いいものを人に提供したいというのには国境は関係ないですね。
安永:熱意って伝わりますよね。例えば商品の言語って割とどの国でも同じだったりするんですよね。結局、なんだかんだみんなちょっとやってみたことないし、周りでやっている人もないから。ちょっとやるの怖いけれども。でもどんどんどんどんグローバルへ挑戦する人が出てきている。
ダッシャー:その中で収入源が増えるわけですね。パーフェクトになってから市場を拡大するとか、これはちょっともうそのような時代ではないですね。
安永:そうですよね。だから僕もGHOVCをやっていて、それこそシュリとかインド系の人あとアメリカ人の人とか一緒にやってて、やっぱりそこで影響しあう違う文化を持ってくることによって、自分自身も成長するということを感じています。
前例にとらわれず、とにかくチャレンジする
ダッシャー:でも本当にそれは別に条件ではない。外国に短期に行っても、やはり目が覚めるわけですね。ですから、若い日本人の間でこの目の覚めた人が増えたんじゃないんですか。
安永:本当に英語も全く問題ないし、特に若い人30代ぐらいまでの人たち以下の人っていうのは全然英語に問題なくて、全然怖がってないですよね。
ダッシャー:一つ暗い話もありますね。今、経済の不安な状況ですね。私どもの投資ファンドも別としてですね。十分な成長の見込みを見せなければ、お金を獲得することは難しくなりました。そのプロセスの中で一つの市場から獲得できるお金は限られていますので、グローバル成長を自分の会社のプランに入れなければ、なかなか成長できない時代になってきました。
安永:なるほどね。企業の成長の仕方が今までと変わっていった。
ダッシャー:日本国内の市場は数億円でも、世界の市場は数兆とかそういうことですと、やはり世界を目指さないと外国の競争相手はすぐ現われてきます。
安永:もう本当に前例主義ではダメでチャレンジ、いわゆる最初にお話をしたピボットという形でどんどん自分を変えていって、どんないろんな新しいチャレンジをしなければ生き残れないという、そんな市場にもなってるんですよね。
ありがとうございます。次回はさらにハンズオンに関して深掘りしていきたいと思います。
この記事はGHOVCのYouTubeチャンネルなぜ、グローバル市場への挑戦が必要なのか? | 日米企業を30年研究してきたスタンフォード特任教授にインタビューを元に作成しています。
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