銀座のクラブは案外私に似ていた人が居た。

会員制の高級ラウンジに駆け込み、しばらくが経った。

数年前の自分は、今私が必死になって夜の街、銀座を一人で駆け回る事を想像もしていなかっただろう。

そもそも、猫をかぶってまでおじさん達に何のために媚を売り持ち上げる事をしなくちゃ成り立たないのだろう、という考えが基本的にあった私が、今こうして毎日携帯を意識的に確認し、連絡をちょっと強引にし合わなくちゃいけないんだろう。と、常々思い改めて自問自答する。

正直、精神的にもきついし楽しい事ばかりじゃない。

パチンコみたいに、玉がお客さんだとしたら投げるのは私。

当たる確率は少ないが、コツさえ慣れれば当たる確率は高くなるのだろうな、と周囲の女の子達を見てそう思う。

コロナの影響もあり、時短営業も余儀無くされた今はその確率を上げる事さえも必然的に抑えられてしまうから仕方ないが。。。

最初はもちろん、緊張し過ぎてどんだけ厚化粧をしても顔が引きつっている事や、手がガタガタと震えてしまっていた事は鮮明に覚えている。

お客さんにしょっちゅうどうしてこの世界に飛び込んだのか尋ねられる。

なんとなく、リモートの授業のせいで（精神崩壊してニートだった事は言えず）昼夜逆転しまって、と伝えてあるが正直わからん。

ある程度、食べれて脱毛エステ代が払えれば良いと思っている。

１０万くらいあれば十分。それ以上は求めていないかな。

基本的にここまで考えている女の子はいないと思うし、お店で女の子の友達が別に欲しいわけではないと思っている子がほとんどだと思う。

それは何故かというと、キャバ嬢は別としてその他のお店は大体女の子は冷たい。

人見知りなのか何なのか知らないけど、あれだけ同席して話したのにも関わらず待機中に居合わせてもまるで他人か空気のように扱われるから今でも不思議。

自分から強引に話しかれば別なのかもしれないが、大体待機中に話し掛けても本当に上っ面な返答しか返ってこないことがほとんどだった。

ラウンジはグループプレーでもないし、基本的には一人当りの単価次第だから割り切ることにした。あと、ラウンジの場合、クラブと違ってそれなりに数が居るから仲良くなるのは難しい。

でも、クラブの場合はやっぱり女の子同士も知り合っていなきゃ話が広がらないし、女の子２に対して男性客が１だったら、どうしても中々３人で話す事はちょっと難しいなと感じる。

クラブは想像の通り、ママが居る。

そして、大概何年もやってる女の子が一人は居てお客さんは全員顔見知りな状況。だからこそ、中々”フリー”のお客さんを横取りするのはだいぶ難しい。

その女の子について、少し書き留めたいと思い久しぶりに投稿する。

私は、noteにも何度も書き留めている様に彼がいる。

元カノに対する未練なのか、よくわからない事を言ったり、感情的になるとモラハラをされたり手を上げられることがある。

それに私はほぼ洗脳されて、別れることが出来ないし果たしてその選択が合っているのかもわからない状態。

そもそも、洗脳されているんだと気付いたのも謎に満ちたその小（チイ）ママみたいな女の子のおかげで、ハッとなったのだ。

その女の子は待機中は全く会話をして来ようともしないし、冷たい子だなあなんて思っていた。だし、歳が近そうなのにどうしてこの仕事をしているのだろう。借金とか？何か目標があるのか？と。

更にそう強く関心を引くのが、

お酒を飲む仕事なのにも関わらずお酒が一滴も飲めないこと。

私は最初それを知ったとき、え、アリなの？

でしかなかった。

そして、先ほども言った様になぜ少しだけ感謝（？）しているのかというと、あまり来ないでろうお客さんが一人で来ていてその女の子が過去に付き合ったクズ男の話をしていたのだ。

途中から同席したから一部始終だが、その子の口からゾワっとする様な話をされたのだ。

ゾワゾワするのはきっとこの世で私と彼女だけだと思う。

女の子「以前付き合っていた人が私より年上なんですけど、元カノと結婚しようと思った、元カノの事がめちゃくちゃ好きだったんだよね。って言われたんですよ〜」

私「？！？！？！！？」

え、待って、今私の話してる？？？？

と眠くなりはじめていたが、目がとっても覚めたし固まった。

女の子「何でそういう事言うんだろうと思って、反応に困っていたら、自分のことを知ってもらおうと思って。って言われてもうこの先どうしたら良いかわからなくなりますよね〜そんな事言われたら笑　もう、今じゃネタですけどね！」

待って待って待って待って！

もうK.O.ですわ。

と思い、思わず口を挟んでしまった。

今まではビビってその子にあまり話を乗せられなかったけど、全部私が言われた事過ぎて今年１ビビった。

続けてその女の子は、

「その人にタイプ（元カノ）と違うとか、モラハラされてたりしてもはやなんかもう洗脳されていたのか別れることも出来なかったんですよねぇ」

どこまで、私なん？？？？

更に、思わず声に出して「ちょっと待って、ゾワゾワする！！」

と言ってしまって、十分に伝えられていなかったと思うけど、飲めないなら一回ご飯言って語りたいと思った。

＊＊さん、やっぱりアンタはチイママですわ。。。。。

と、相変わらず疲れてはいたけどちょっとだけ良い収穫ができたと思った夜だった。