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中小企業におけるDXの現実(と言うOA機器販社への激励)

今、IT分野では、DXという言葉であふれかえっています。
大企業で成功事例も目にしますし、KintoneのようなWEB型DBツールやRPAのCMも頻繁に流れています。しかしながら、実際のところ中小企業、特にIT専任者のいない企業ではどうなっているのでしょうか。
直近でお話を伺った企業の事例を基に考察していきます。

A社の場合(関西:土木建築業)
・社員10名程度。
・IT専任者不在。
・社内ネットワークが遅い
・あるベンダからUTMを本社に導入した。
・その必要性も理解できず、ただ高いコストが気になっている。
・ルータ→UTM→PCの接続となるはずが、ルータ直下にPCがある。
・本社と営業所とはVPN接続。営業所のPCはUTMで保護さていない。

B社の場合(北海道:製造業)
・ACCESSでDBを作り、各種帳票を出していた。
・PCの老朽化が進み、更新を考えている。
・昔、詳しい人が作ったものだが、その人は退職。
・ほかに詳しい人がおらず、IT専任者も不在。困っている。

C社の場合(関東:製造業)
・取引先がIT化した。
・当社も何かやらなければならない。
・IT専任者も不在で何をしていいかわからない。
・DX支援をするという業者に何を頼んでいいかわからない。

まとめのようなもの
いかがでしょうか。
ご紹介した事例に共通して言えるのは、IT専任者が不在であることです。
中小規模の企業にはOA機器を販売するベンダがシェアを持っています。OA機器販社といえば、昔からコピー機の営業からPCやインターネット周りの面倒を見るスタイルが多いです。小回りが利いて面倒見の良い印象がありましたが、最近上記の3社にお話を伺ってその印象は一変しました。
A社のような中小企業向けにはUTMを意味のない構成で売りつけたり、B社、C社はDXに近い課題を抱えていますが、詳しくお話を聞けばITインフラも整っていない様子ですし、業務課題を解決できるスキルは無いようです。

実は上記の3社以外にもお話を伺っていて、
・IT専任者の不在
・何をどうしていいのかわからない
という企業ばかりです。

以前、某ITインフラサービスの会社を題材に、
・クラウド化で、現場のハードウェアがなくなる
・ITインフラサービスの仕事もなくなる

という趣旨で記事を書いてきましたが、中小企業にこそ仕事はあります。大企業は内製しますから。
ただ、大手Sierですとコスト感は合わないかなと思います。
大手Sierの気の利いた技術者は独立するか、ユーザ側に転職すべきでしょう。
この市場は、中小企業に強いOA機器販売店にこそビジネスチャンスがあります。が、UTMを売りつけて満足している営業は淘汰されるだけでしょう。鍵は従来のモノ売り、ソリューション売りの領域から顧客業務領域ににどれだけ踏み込めるかです。無知な顧客にマウントを取っていては顧客業務どころではありませんね。

ITが顧客の経営にどれだけインパクトをあたえられるかを訴求するために、自分たちができる事をもがいて見つけ出すしかありません。

「もがき」がなにを産むかは別の機会に触れますが、是非とりあえずもがいてみましょう。本気でもがいた方には、漏れなく何かが起きます。(断言)




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