2025/01/18 OAU「New Acoustic New Year 2025」@ Billboard Live OSAKA
OAUを初めて聴いたのは、1年半くらい前か、2023年の夏に行われた野外フェス「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」の配信が行われてた時に、観た。たぶん、たまたまタイミングが合ったので配信を眺めていて、プロフィール欄を見て、ロッキンカルテットの歴代ヴォーカリストでもあるTOSHI-LOWさんが所属する、BRAHMANのメンバーそのままのサイドプロジェクトなんだなぁ…と理解。でも1曲目から、ああ!これは私の好きな音楽だわ!と直感。カントリーやブルーグラスの雰囲気だけれど、それだけでもなくて、独特の音楽が面白いと思った。
確か昨年も年始にBillboardでライブをやってたと思うけど、その時はシフトと合わなくて見送った。やっと1年後、今回初めてライブを体験できた。しかも自分にとって、2025年のライブはじめ。正直言うと、2024年のライブ納めがNAOTOさんだったので、年始もその方が嬉しかったけど、観たいライブはいつも待ったなしなので、そこは仕方ないです。
でも観に来られて良かったな~と思う、楽しくて温かいライブ。
土曜日、早め16時スタートの1st.Stage。たぶんSoldOutしてたのかな?正面のカジュアル席を予約していたけど、サイドのカジュアル席までほぼ満員のパツパツ大盛況。電車が遅延していてギリギリ着だったから、あまりウォッチングできなかったけど、ほんと老若男女、様々な客層でなんか素敵な雰囲気でした。みんな始まる前から楽しそう。
先に書いた配信を聴いた時に、曲を全然知らなくても楽しめるな…と思ったので、今回は予習せずに観に行った。
1曲目から、どことなくケルトやブルーグラスを思わせる雰囲気の曲で、フィドルの少しもの悲しい音も、他の楽器のオーガニックな音も、カントリーと言うにはぶ厚い感じがして、OAU独特のものなんじゃないかと感じました。TOSHI-LOWさんのヴォーカルも、際立つと言うより、音と一緒に溶けて会場に広がるようで優しかった。ライブタイトルにもなっているけど、“New Acoustic”って言葉がピッタリハマるように思う。
BRAHMANとOAUの何が違うのか、たぶん音楽ジャンルが全然違うのだろうけど、+αのメンバー・MARTINがいてのことなのだなぁ…と2曲目くらいで理解。ヴァイオリン弾いてる時間より、歌ってる時間の方が長かったし、アコギに持ち替えたりと、マルチプレイでした。プロフィールをチェックできていないけど、英語が母国語と思われ、英詩も当然曲調にハマってて、ルーツを含めてトラッドの空気が色濃くなるのは、説得力が違う。(余談・小さめアコギのサイズ感が羨ましく、どこのだろう?あれ欲しい、と思ってしまった)
ロッキンカルテットの配信でBRAHMANの曲を聴いた時に、メロディーがちょっと昔の日本のフォークみたいな感じだと思うことがあって、「世界は変わる」は、たぶん人気のある曲なのだと思うけど、懐かしい感じのフォークさ。洋楽のカントリー感も混在するので、洋邦の2つのフォーキーさが融合するような雰囲気も、とっても面白いと思った。このメンバーだからできることかな…と。
それは、ドラムのRONZIさんとは別に、パーカッションのHAKUEIさんがいるのも大きい感じがして、コンガとかダルブッカ?の音がけっこう強めに聞こえて来るので、よりプリミティブなシンプルさが強調されて、その生々しさが色っぽくさえありました。1曲だけだと思うけど、スティールパンのも登場!いいな…こう言う場所でパンの音を聴くと嬉しくなる。RONZIさんのドラムも、けっしてロックばりばりなワケではないのだけど、これまた生々しい骨太さがカッコよくて、OAUってなんとも一言で言い表せない音と曲と雰囲気なのが、もの凄く好き!となります。なんか、めちゃくちゃ色んな要素が混在してて、噛めば噛むほどバンドです。
ステージの中央はギターのKOHKIさんだったけど、この鉄弦のアコースティックギターの音が、とても効いていて、時にはMARTINのアコギとTOSHI-LOWさんのブズーキと、フロントで3人弦楽器になるのだけど、その煌びやかな音の厚みと言うか、輝きが、土臭さを反対に昇華させていて、アコギって面白いなぁと感じずにはいられなかった。キーボードじゃないから、このフォーク感が出るんだよね…としみじみ思ったり。そして、ナイロン弦じゃない方が、曲が締まって聴こえるようにも感じ、そこも、アコギって使い方次第なのね、と面白かった。
言うまでもないけど、Billboardの空間で聴いていて大満足できるくらい、メンバーみなさん普通に楽器むちゃくちゃ上手いです。
楽曲も、TOSHI-LOWさんだったり、MARTINだったりが書いているのかな。やはり印象に残ったのは、MCの内容と相俟ってMARTINの曲かもしれない。凄くプライベートな内容でエモーショナルになってしまうから、めったにやらない、と紹介された「Where have you gone」は壮大で、素晴らしい曲でした。聴けて良かった。
アンコールで演奏された「LIFE」もいい曲だった。TOSHI-LOWさんも歌詞の素晴らしさを褒めてたけど、息子さんへの想いが、飾らず語られているのがいいんだろうなぁ。この曲の時、MARTINとKOHKIさんMAKOTOさんだけで演奏してたので、TOSHI-LOWさんや他のメンバーは、なんと客席で聴いていると云うサプライズ。同じく飾らない言葉で熱いメッセージを語りつつ、皆の間を歌いながらステージへ戻って行くTOSHI-LOWさんの姿が温かくて、嗚呼、素晴らしい人だなぁ…と思った。メッセージ性の強い歌詞なのだと思うけど、押しつけがましくないのがいい。
ロッキンカルテットをきっかけに、今まで縁遠かった日本のロックバンドのライブを幾つか観に行っているけど、やっぱり確固たる人気のあるバンドのフロントマン、ヴォーカリストはみんな凄く魅力的です。それぞれ違って、みんな素晴らしい。好きな事して、正直に生きている人の力って、貴重で羨ましい。出会えたことに感謝です。
帰り際、何かアルバム1枚でも買って帰ろうかと思ったのだけど、けっこう枚数リリースされていて、手が出なかった。本当は、OAUの音楽にもっと深く潜って、いっぱい聴いてみたいのだけど、次々色んなライブの予定が追いかけて来る。新譜も次々と発表される。10代なら、もっと音楽に溺れてられるだろうけど、そうも行かず、ちょっと今年は、ライブの行き方や音楽の聴き方、考えていかなきゃな…と思う。勿体ない。流れて行くばかりでは。
NAOTOさんがロッキンカルテットのアレンジを担当されてるお蔭で、またこうして素敵な音楽に出会えたことには、いつも感謝しています。
昨年からバイオリンを再開してみて、クラシックしか弾いていなかった以前と違って、ほんとに世界中にバイオリンを使った色んな音楽があって、面白い可能性と表現力を持ってるな…と感じている。そして、まだまだ発展できるん楽器なんじゃないか、なんて素人ながら想像してみたり。今回も、MARTINの姿を見ていて、色々楽しかったです。音楽も楽器も、やっぱりとても素晴らしくて楽しいな…と、改めて感じた、2025年のライブはじめでした。
また来年のお正月も、OAUのライブが観られますように。
その前に、今度はBRAHMANの新譜とツアーが楽しみです!