【刀剣】源氏の重宝に会いに〜大覚寺・北野天満宮〜
紅葉シーズン・秋の京都……学生時代に京都に住んでいた身としては、逆に一番避けちゃうシーズンなのですが、今回はぶっちぎって行ってきました!
大覚寺で「薄緑(膝丸)」、北野天満宮で「鬼切丸(髭切)」の源氏の重宝ズを見てきたお話です。
京都に住んでたくせに、どちらも初めて参拝しました。。
いや……住んでると逆に観光しないっていうアレですね。。
1日で一気にではなく、それぞれ別々のタイミングで訪れております〜。
まずは大覚寺から。
天気が良かったので、最寄りの嵯峨嵐山駅から徒歩でてくてく歩いて行きました。
これがまぁ、思ってたより距離があって……暑がりの私、着く頃には上着オフしてましたね。。暑い。。
とはいえ、全然歩ける距離、嵯峨嵐山駅から同じく徒歩で向かっている方は多く見受けられました^^
ビバ・快晴!
大覚寺に着くと、土曜日ということもあって朝早いながらまぁまぁの人出。
(と言っても昨今の時世からか、このシーズンにしてはかなり控えめでしたが)
紅葉も綺麗だし、至る所に菊の花。
嵯峨菊、と言うらしいのですが、かなり独特の形状をした菊の花です。
なんでも嵯峨天皇の時代に、大沢池(大覚寺の敷地内にあります)に自生していた野菊の一種が大元なんだとか……なんともやんごとなき菊だこと……。
まずは受付で拝観料を納めます。
私は敷地内フルセットで巡りたかったので、チケットを3種類購入。
通常の拝観料+薄緑の展示されている霊寶館チケット+大沢池入場チケットです。
受付では御朱印帳も書いてもらえるようでしたが、私は御朱印帳は持っていないので……。
受付を抜けてすぐのところに物販ブースがあり、各種膝丸グッズなどが販売されてました。
さらに奥に進んで本殿最後の方でお参りした後に、貼るタイプの御朱印が販売していたので、私はそちらを頂きました^^
ヘッダー画像にもあります通り、この後北野天満宮でも貼るタイプ御朱印を頂いてたりするのですが……肝心の貼る土台たる御朱印帳を未だに持っていないので、流石にそろそろ買った方がいいかな……と考えている次第です。。
御刀は神社やお寺との結びつきが強いですから、きっと今後も頂く機会があるかなぁと思って……。
話が逸れました。。
大覚寺さんは、その内装やお庭もめちゃくちゃカッコ良くて……!
巡りながらちょこちょこ撮影させていただきました。
なるべく人様のいない瞬間を狙っております。
本当にどこもかしこも絵になりますね^^ 村雨の廊下は特に素敵!
ふらふらと写真を撮ったり、眺めたりしながら進んで行くと、途中で霊寶館が見えてきました。
事前に購入していたチケットを受付でもぎってもらってから展示室へ。
薄暗いワンフロアの展示室内にはびっしりと名宝が並んでおりました。
今回は、太刀『薄緑(膝丸)』結縁プロジェクト完成披露展「武家と大覚寺」というタイトルとのことで。
薄緑の刀箱など、文化財保護のために寄付を募ったプロジェクトで新調したもののお披露目展でした^^
なので展示室の中央入り口付近にはどどーん! と薄緑の刀箱が……そして、その刀箱の中にはびっしりと寄進された方のお名前が……。
後世まで守り伝えていって欲しいと願い、それにお金を惜しまない方々の熱意は本当にすごいですね……!
薄緑(膝丸)は丁度刀箱の奥側に鎮座しておりました。
この刀も二度目まして。やっぱり最初に会ったのは「京のかたな」展。
展示の位置が割と低く、照明も暗めでしたが、単眼鏡も用いてじっくり見てまいりました^^
とはいえ、結構薄緑目当てのお客さんが多かったので、あんまりサシで観れる感じでも無かったのですが、それなりに細部は見れたかなと。
細部を見れたからと言って、詳しいことを書けるわけではないのが私の残念な所ですが。。
薄緑は最初に見たときよりも、どっしりとしてシブい印象を受けました。
安定感とか安心感とか、何かそういうイメージを持ったというか……。
銘の「□忠」という字も確認しましたが、説明書きによると長船光忠の父親かその同系列にあたる刀工の作なのでは? とのこと。
薄緑は古備前の御刀なのですね〜^^
この□の所が解ればな〜……というところでしょうか。
刃長が長く、反りの深い太刀はカッコ良くて惚れ惚れいたしますねv
その他、個人的に見応えがあったのは、たくさんの仏像、立像や坐像たち。
中には平安時代などのかなり古いものもあって、展示室の再奥にあった一際大きな像達の前では、随分長い間立ちつくして眺めてしまいました。
像との距離が近いのも、良かったな〜……と。
本堂から外に抜け、大沢池の方も少し散策しました。
かなり敷地が広いので、時間の都合もあって全ては周りきれませんでしたが。。
とっても秋色。そして鴨が優雅に泳いでおりました^^
池には鯉だか鮒だかも居たし、白鷺も日向ぼっこしてた。
着物姿の華やかな女の子達が楽しそうに写真を撮りあったりしていて、のどかだなぁ〜とお爺ちゃんみたいな気分になりながら、大覚寺を後にしたのでした(笑)
で、お次は北野天満宮です!
御刀鑑賞の際は晴れの日が多かった私ですが、この日は雨予報。
しっかり傘を片手に、京都駅から市バスで30分強。
ザ・曇天である。なんなら軽く小雨。
平日ですが、このままコンデジのレンズを下にシフトすると、結構人が居ます。
しかも観光バスやツアーガイドさんまで客さん引き連れ絶賛お仕事中。
ぎゅうぎゅうという感じではないものの、イマイチな天気の割にはなかなかの人の波に乗って、お宮の中へ……。
北野天満宮で現在開催中のイベント看板。
紅葉ベストシーズンだからか、この人出は……それとも七五三?
ともかく入ったすぐの所で、もみじ苑への入場受付をしておりました。
私もちょっと入りたかったのですが、一眼レフも持って来ていないし、何より展示の方だけで時間使い切るだろうと思っていたので(実際使い切った……)断念。
目的の宝物殿の方は、土日限定で貸切での解説付きツアーが行われていましたが、こちらはすでに予約がいっぱいだったので、平日の通常拝観にやって来た次第です。
最近流行りの花手水がとっても綺麗^^
北野天満宮には、至る所に天神様の御使いたる牛さん(基本座ってる)がおります。
↑の牛さんの奥に見えているのが、本日の目的である宝物殿です。
もっとこうどーんと大きい建物というか、広く入り組んでるイメージがあったのですが、ほぼワンフロアにみっしりと40振くらいの刀剣が並んでいるという感じでした。
平日の一般拝観は予約制ではないものの、しっかり検温・消毒があります。
入り口のチケット売り場でチケットを購入して中へ。
っていうか、もう既に入り口の時点でずどーんと見えてる鬼切丸(髭切)……。
「こんにちは〜! いらっしゃ〜い!」と言わんばかりの見切れっぷり……。
しかもこちらは刀剣のみスマホでの撮影が可能とのこと。
太っ腹すぎる……と思いつつ、スマホで撮影してまいりました。
う〜ん、こういうときやっぱりスマホのカメラの性能がいい奴が欲しくなっちゃいますね〜。。
というわけで入って一発目にお出迎えしてくれた鬼切丸(髭切)。
写真がじゃみっとブレっとしているのはご容赦ください。。
展示室内はそれなりに明るく、鬼切丸は360度鑑賞可能なガラスケース仕様です^^
北野天満宮自体は結構人がいるな~という印象でしたが、宝物殿は外からの印象よりは断然人が少なかったので、ゆっくりと観る事が出来ました!
タイミング次第ではタイマンで向き合う事も可能で有難かったですv
ただまぁ、写真見て解るかと思いますが、鬼切丸の向こう側にもガラスケース内に沢山の刀が展示されているため、鬼切丸のケースと重なっちゃう部分に展示された刀は逆にゆっくり観れないという。。
皆スマホ向けてますからね……自分が入りこんじゃうと申し訳ないので。。
鬼切丸は明るくて、均整が取れてて、薄緑とはまた違うタイプの安定感がある感じ。
薄緑に感じた、どっしり感とかシブさみたいなのはあんまり感じなかったから、当たり前だけどやっぱ全然キャラが違うんだなと(笑)
お尻がちょっと欠けてたり、二つ空いた目釘孔がすごく近かったり(どっち使ってるんでしょ)
あと、刀身茎側の刃文と映りが個人的には好みでした^^
がんばってアップで撮ろうとしたんですけど……うん……。。
持った感じ目線と、
切られる方目線。
最後はあおり気味に(あおり気味に撮るのが何故か好きです)
数々の逸話を持ち、何度も名前が変遷する鬼切丸。
そこら辺の話については割愛しますが、一つ、個人的には新田義貞が鬼丸国綱と共にセットで佩刀していたというのが印象に深いですかね。
鬼絶対ぶった切る構えじゃん……。解りやすい……。
そんな新田義貞は私の地元福井の地で討ち取られ、「新田塚」と地名にしっかり残っております。
鬼丸と鬼切丸はその時いっしょに在ったのだろうか……と少し考えてみたり。
堀川国広の太刀。
特に号などはありませんが、重文で豊臣秀頼からの奉納刀だそう!
この後、直近で「山伏国広」と「加藤国広」を見る機会に恵まれたのですが、国広の刀は綺麗!美しい!カッコイイ!……という感想が出てくるよりも先に「強そう」って……3口とも、強そう!って瞬間的に思いましたね。
このどっしり豪壮な感じ……そしてピッカピカ。
反りがあんまり無い太刀っていうのも良いですね^^
拵えも大変ゴージャスです。鍔は分銅型かな。
この太刀だけでも結構鑑賞に時間使いました……凄く素敵^^
脇指「猫丸」
立てかけておいたら、通りかかった猫がうっかり当たって真っ二つになったという逸話を持つ、なかなかにおっかない脇指です。ねこまっぷたつ。。
ただ、道真が打ったとされる"太刀"ではないし、時代も伝説より新しいらしいので、なんかちょっと謎。
っていうか菅原道真公は刀まで作れたのか。。
猫を斬ったと言うと、やっぱり「南泉一文字」が思い浮かびますよね~。
確かに猫丸と言うより子猫丸と言った印象。なんとか茎の「猫丸」の字を撮ろうと頑張ったけど、ちょっと無理でした~。。
菖蒲造りというだけあって、菖蒲の葉っぱみたいですよね^^
薙刀の展示もありました! こちらが静型。
静御前にちなんで静型。細くてあんまり反ってない方。
で、こっちが巴型です。
巴御前にちなんで巴型。幅が広くて反りも大き目。
薙刀は女性でも扱いやすいという事らしいのだけど、そういうもんなのかしらね……。
まぁ女性は近接戦闘向きではないので、リーチあった方が心理的にも戦いやすいのかな。武術のことは良く解りませんが。。
薙刀は号をつける場合も女性名をつける事が多いらしいです^^
青江恒次の太刀。
加賀前田家より奉納された、重文指定の御刀。
恒次と言うと、天下五剣の「数珠丸恒次」が思い浮かびますね^^
拵が、落ち着いた金に薄いブルーの柄巻と太刀緒が爽やかで凄く素敵なカラーリング^^
何でかこの太刀だけ青みがかった写真が撮れました。
でも、うん、印象通りな感じ。穏やか~で落ち着いた雰囲気。
古備前、助守の太刀。
こちらも重文ですね。お隣の恒次と同じく前田家からの奉納なのですが、拵もお揃いと見ればいいのかしら?
折紙に「代金子拾五枚」と書かれているのがチラリと見えますが明和……かな? 江戸時代の中期くらい?
一体現代換算でいくらくらいかな~と下世話にも調べて、ざーっくり計算してしまったのですが()うん、はい、凄い諭吉の人数です。。
時代でレートも変わると思うので、数字そのものはあんまり当てになんないとは思いますが……何が言いたいかっていうと、刀はやっぱり宝物。
お隣の恒次は彫りが無いので、樋が掻いてあるのと無いのでは印象がだいぶ違うな~。
宝物殿を出るとザーザーと音を立てて雨が降っていましたが、通り雨だったのかすぐに元の曇りの天気に。
それにても40振……物凄く見ごたえのある展示でした……見ごたえありすぎて予定よりも大幅に時間使ってしまいました(白目)
掲載したのはほんの一部ですが、沢山撮らせて頂き感謝!
お宮の方にお参りをして、こちらも御朱印だけ頂いて帰りました。
御朱印、貼るタイプのものはかーなーり沢山種類があって迷いましたが、鬼切丸の刀身が入ったものをチョイス^^
千社札とフェルトが付いてきたのだけど、千社札はともかく、このフェルトは何に使うものなのだろうか……あて布?
やはり御朱印についてもうちょっと勉強すべきですね。。
好みの御朱印帳を探そうと思います^^
と言うわけで以上、とりとめもない感じになってしまいましたが、源氏の重宝に会いに行って来た2020年秋の京都の話でした~!
ここまで長々とお付き合いいただき、誠に有難うございました。