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【刀剣】御刀鑑賞の旅 in 福岡市博物館 一日目

9月末に山鳥毛に会って以来、長船ロスが止まらないshellです。こんにちは。
しかしながら文化の秋シーズンということで、様々な所で日本刀の展示が行われており、10月半ばには地元福井での展示にも行ってまいりました^^

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福井市立歴史博物館で11月23日まで開催の「北陸の古刀」展!
こちらは展示室内の撮影は不可なのですが、1フロアみっしりの福井・石川・富山の刀(北国物と呼ばれるそうです)が展示されており、非常に見応えがありました……!そして期間限定ではありますが、粟田口吉光の短刀、名物「秋田藤四郎」も^^

秋田藤四郎とは二度目ましてでしたが、やはり平日のゆったりめの人出の中、バキバキのタイマン、君と私状態での逢瀬は非常に嬉しかったです。
私の中の短刀のイメージに一番近い、シュッとしてて小さくてとても繊細なお刀。
短刀も大きいコは本当に「でっか!」って感じで、脇差との差がよく解らん時がありますものね(それはそれでいとをかし)

吉光の福井出身説という大胆な考察も面白かったですよ〜!
本当にそうだったらロマンだな〜……でも京都にも近いし、朝倉氏も複数所持していたらしいですし、特別不思議でもないかも?

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福井市立歴史博物館さんでは毎回目録と共に解説シートが配布されております^^
今回は図録もあったのでしっかり購入。
個人的に今回は千代鶴国安の刀と、京博から出張してきた加州住真景の大粒の沸がキラッキラでラメッラメの短刀が印象に残りました^^

その他にも郷義弘の刀や、細川忠興が所持していた刀(信長)、奇しくも再会出来た刀(鹿の彫刻がとても印象的な兼則の脇差)など……。
あと、通常展示の他に、可動式ケースに入った刀の鑑賞など、面白い展示もありましたね!
また、刀匠さんや日本刀関連の漫画家さんを交えたトークショウ&お刀鑑賞会などのイベントもあったのですが、私は仕事のため抽選に応募すら出来ませんでした〜。。この辺が休日仕事のデメリットよの……。。

歴史博物館さんの横には養浩館庭園というお殿様の別邸があるので、こっちもおすすめです!(特別展のチケットに入場券が付属してます)

……前置きがちょっと長すぎました。。
で、地元での展示の他には、大阪での「埋忠」展に行こうかな〜〜と思っていたのですが、そこで急遽Twitterで知った福岡市博物館での日光一文字&へし切長谷部&安宅切同時展示……。

えっ、この長船ロスのタイミングで日光一文字観れるの……?

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10月20日、私は福岡に居た。
(今回も素晴らしく晴れてるわね……)

日光一文字観たさに、まさかの九州初上陸を果たしてしまいました……。
いや〜、まぁ、飛行機で1時間ちょっとくらいなので、正直岡山行くより時間かからないという謎なのですが……。
何なら、飛行機乗ってる時間より、空港まで車でぶっ飛ばして保安検査する時間の方が長いくらいでしたしね(福井に空港は在りません。。)
全てはGotoのおかげ、Gotoがあったので1ミクロンも迷わずここまで来れた。
ありがとう……ありがとう……Gotoトラベル……我はとっても感謝している……。

空港に降り立ち、博多駅へスパッと移動、おそらくクリスマスなデコレーションを施すための作業を行う駅前広場を尻目に、ホテルへチェックイン。
いらん荷物を降ろして、すぐさま博多駅のお隣のバスターミナルへ……。
どうやら京都や金沢と同じく、電車や地下鉄と言うより市バス移動が主軸の様子。
街並みも、なんとなく京都や金沢に近い印象を持ちました。
あ、でも建物はどーんと高いですね。ビルとかタワーとか。
福岡市博物館近くの停留所までは30 分前後くらいだったでしょうか、途中でいきなり市バスが高速に乗ったりするのも新感覚でしたね……。
一瞬間違えて高速バス乗ったのかと思ってヒヤッとした……

バスを降りて、少し歩いて見えてきたのは広い広い池のある公園と、大きな建物。
そのガラス張りの建物の前には何やら大きな像まで複数建っている。
写真を少し撮りながら近づいた、そこは、

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です。来ちゃった♡

入ってすぐの広いエントランス部分、中央には大きな階段があって展示室は二階にあるよう。
階段を正面に見て左側には物販スペースが見えます。
そして階段の手前では、もはやお馴染みとなった消毒&検温ブースが……。
係のお姉さんに促されてスルリとブースを通過してから、大きな階段を上がって二階へ。入場券は全て二階の展示の受付にて販売しておりました。

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階段上がって右手に見えるのが特別展の入り口でした。
↑写真の位置をちょっと左に向けると受付が見える感じ。
右の方にずーっと行くと、喫茶店・常設展・企画展でぐるっと一周して戻ってくるような構造だったかなと思います。

特別展の受付にて当日券を購入、噂の「日光一文字パフェ」のチケットを事前に購入していると割引券などが貰えていたようなのですが、時間の都合上そのまんま博物館に来ておりましたので、通常料金にて購入。
特別展のチケットには企画展と常設展の入場券も付属しているので、一枚買えば全部の展示が見れる事になります^^
フライヤー兼出品資料リストを頂いて、早速特別展へ。
前室のようなブースを抜けると、広い展示室が広がっています。
弥生時代の土器や銅鐸などが正面にあるので、このまま少しずつ時代を降って行くのかな〜……と思いきや。

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いや、いきなり本命の御刀箱様がいらっしゃるし。

展示室入って即出迎えてくれた、日光一文字のお部屋こと葡萄文蒔絵刀箱さんです……。
長い、ゴージャス、そして長い。御刀の箱ですものね。
ともかく、刀と一緒に見たかった一品ですので、横に大本命が展示されているものの、この刀箱さんから既になかなか動けませんでした……。

今回も本当恐ろしい事に、一部の個人蔵を除いて撮影可能という、しかも平日だからか会期長いからか、特にゲームやアニメ等のコラボが無いからかは解らないのですが、人が少ない!
持って来たNikon Dfと今回もオールドレンズのMicro Nikkor 55mm F3.5がめちゃくちゃ活躍しました。
以下刀箱の写真が続きます。
(写真クリックするとある程度拡大します)

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後ろに鏡が置いてあって、裏側の蒔絵もきちんと見えるのがとても良いですよね^^
そしてこの刀箱のデザインが凄く良い……山葡萄なのか、実が小さくてキュート。
この刀箱のデザインを生かしたグッズ展開を(公財)福岡市文化芸術振興財団さんが考えてくれている……らしいので、とっても期待しております。

それにしても今回、写真撮ってて意外と展示ケースのガラスの写り込みが少ないなと感じました。ライティングが良いのかな……。
あとまぁ、写り込み防止で、自分が全身真っ黒だったというのもあります。。
黒だけどちょっとフェミニンにしたいからワンピースで♡って思って家を出ようとしたところ「カジュアルな喪服みたい」と言われたなど……()

さて、気を取り直して、お隣の大本命、

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日光一文字!
ちょっと待って、クライマックスが早すぎる。入ってすぐ過ぎる。
男らしいにも程がある展示の順路、この後へし切長谷部・安宅切と連続で続くんですけど、ちょっと最初から強過ぎる……。
しかも人が、本当に、平日午後とはいえ、想像以上に少ない。
勿論全く居ない訳では無いのですが、スペースが広いので、ヒットアンドアウェイで何周も出来てしまうのですよね……。
じっくりと向き合うことが出来て、本当に有り難かったのではありますが……。
というわけで、以下、サシで勝負した(?)日光一文字の写真です。

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いや、撮りすぎ。
今回単眼鏡持ってたにも関わらず、ほぼカメラレンズ越しで向き合った感じです……。
私にとって写真撮影は、撮れ高うんぬんと言うより、対象と向き合って対話するための要素が強いです。なので、今回は凄くそれがよく出来た気がします。
本当に色んな表情を見せてくれてありがとう、日光一文字……。
とってもとっても美しかったです。やはり一文字派の刀好きですね〜……。
豪華絢爛な刃文も、茎近くの独特の映りも素晴らしく綺麗。
日光一文字を葡萄の蒔絵の箱とセットにしたのは、刃文の丁子乱れのもこもこに葡萄の房を連想したからだろうか……なんてアレな妄想をしてしまいました。。

ここの写真はあくまで私が見た2020年10月20日の日光一文字の姿ですので、鑑賞する人によって見せてくれる表情が変わると思います。
現地に行って生で刀を見るのって、そこが本当に醍醐味ですよね^^
会期中、裏側展示などもあるようで……ぐぬぬ、もうちょっと福岡が近ければ。。日光一文字は太刀ですが、刃を上にして展示されるのが常みたいです。
調べてもよく解らなかったのですが、何か理由があるのでしょうか?

※追記※
刃が上にして展示されているのは、刃文の見やすさの関係と、刀の下に敷いたシリコンが刃が下だと重みで切れちゃうからだそうです……成程!
教えて頂きありがとうございました^^

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↑日光一文字の鎺。

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日光一文字とセットで官兵衛の所にやって来た「北条白貝」法螺貝ですね。
普段は福岡市美術館にあるよう。
まさか小さい法螺貝もあるとは……子機みたいな感じ?(例えが古い)
吹くとどんな音がするんでしょう^^

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こちらも日光一文字と共に来た青山琵琶「ほととぎす」とそのケース。
同じく福岡市美術館所蔵。まさかこんなに色々とセットで観れるとは思ってなかったですね……。琵琶そのものもだけど、ケースもお高そう〜〜。。。。
こういう時、本当ガラスのショーケースの存在が有難いです……しきりが無かったら怖い()

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日光一文字お宝御一行のすぐ横におわすのが、そう、へし切長谷部です。
へし切長谷部、京都以来二度目ましての長谷部くん。
もう何度も申し上げておりますが、京の刀展では一気に大量の刀を拝見することが出来たものの、とにかく一口に対してそんなに時間をかける事ができず。。
特に、へし切長谷部のような有名な刀は常に人が渦巻いていて、順路がきちんと決まっていたんですよね……。
慌ただしすぎて、茎に金の文字がある〜というのだけ妙に印象に残ったという残念な感じだったんですが、今回はその時の事が嘘みたいにじっっっっくり見る事が出来ました。
しかも写真OKって本当、どうなってるの……本当に大丈夫?
と思いつつ、以下しっかり撮ったものです。

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あああ……君はこんなに、こんなに、凄い皆焼具合だったんだね……!
分かりやすいように、だいぶ明瞭度上げて現像はしていますが、京都で見た時はそんなに皆焼の印象を受けなかったので、ちょっと驚きの皆焼具合でした。
鋒が長めなのも特徴的……みんな「プリッとしてる」と言っているのが良く解る……。

日光一文字とへし切長谷部は普段は一口ずつの期間限定展示で、二口が一緒に並んで展示されるのは特別だとのこと。
いや〜……思い切って福岡まで来て本当良かったです、こんなにじっくり国宝二口一緒に見れると思ってなかったから……。

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↑へし切長谷部の鎺。

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↑そして、へし切長谷部の拵。

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んでもってこっちが、本科となるのかな? ↑安宅切の拵です。お揃いだ〜〜!
やはり本科の方がちょっと年季入ってるっぽく見えますね^^
現存はしていないけれど、日光一文字とへし切長谷部もお揃いの拵があったんだとか……日光一文字はどんな拵着せてもらってたんでしょうね……。

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安宅切です。長船の刀だったんですね!
茎に脇毛落とあるので、なんだこれ?と思って調べたら、三ツ胴切りみたいなアレと一緒で、試し切りで切り落とした箇所を入れてあるようです……。
脇の下あたりでスパッと輪切りにした感じでしょうか……おおおおぅ。。。。
へし切長谷部も茶坊主を棚ごと圧し切った逸話がありますが、この截断銘ってもう一段生々しいというか……実際切ってから入れてあるわけで……。
美術品としての側面で見る事が多いので、たまに忘れそうになるのですが、やっぱり物凄く切れるんですよね日本刀って……。
怖いな、と思う反面、現実感が薄いというのもあって、なぜなら自分が日本刀で何かを切った事など無いので、ピンと来ないのですよね。

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華奢なように見えて骨も断つ。
"安宅切"という名前も、その人を切ったから名付けられたわけで……そう思いながら見返すと、この刀の歴史、怜悧さ、鋼の色、質感に畏怖の念を抱きました。
ただ美しいだけではない、やはり切るためのものなんだなぁと。
日本刀は、歴史上戦で武器としてメインを張ったことは無いと言います。
でもやっぱり日本人は、戦の主流だった弓や銃より日本刀の方が本質的に怖いなって思う所あるんじゃないかな〜と。そんな風にたまに考えてみたりしています。

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↑安宅切の鎺。
二重タイプかな?日光一文字やへし切長谷部とはデザインが違うのですね〜!

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↑左文字のお爺ちゃんにあたる国吉(西蓮)の短刀。
すごく重ねが分厚い!! 直刃でお箸みたいな彫りがありますね^^
それにしてもこの刀枕に寝かせて展示してあるスタイルは何だか可愛い。
しかもめちゃくちゃ撮りやすかったです。短刀だからできるスタイルですね。

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で、こちらが逆に左文字の子、安吉の短刀です。
先ほどの国吉の短刀のすぐ横に展示してあったのですが、こちらは対照的に重ねが薄めでシュッとしております^^
左文字の刀の展示はありませんでしたが、この二口の真ん中にもしも展示してあったら見比べられて面白かっただろうなと^^
多分私はまだ左文字の刀を直接見た事が無い……? ような気がするので、いつか必ず見たいな〜と思います。
江雪左文字が見てみたいな……。

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他にも刀、及び甲冑や美術品など多数あり、そちらも楽しくじっくり拝見させてもらっていたのですが……。
ふと気がつくと蛍の光……ではなく閉館のアナウンスが流れておりました(白目)

まだ、特別展しか、見れてない!!!!

一日目で展示室全部回って、喫茶店で日光一文字シューアイス食べて帰る気満々だったので、本当に読みが甘かったです。。(到着時間も遅めではあったのですが)
それだけ特別展の内容が濃くて、私も私で行きつ戻りつヒットアンドアウェイしていたのがいけなかった(白目)
お刀メインなので他の美術品の写真は割愛しますが、最後に一番気になった美術品↑の「狼と髑髏」の根付をば……これ欲しい! ってなりました。これ欲しい。

名残惜しみつつも、日光一文字達に別れをつげて展示室を後に……。
使う事が出来なかった企画展と常設展分の半券については、期間中ならいつでも使えますよ〜! と受付のお姉さんに教えてもらったため「明日また来ます!」と謎の宣言をして階段を降り、サササッと物販スペースに移動……。

博物館のグッズ類を販売しているスペースは想像していたよりもだいぶ小さめでしたが、お品は色々あって見ているととても楽しいです^^
とはいえ時間が差し迫っていたため、あたりをつけていたグッズ類をバババッと選んですぐにレジへ。
欲しかった日光一文字等身大ポスターと30周年記念福袋を買いました^^
日光一文字と御刀箱のクリアファイルは店頭分が売り切れてしまっていたので、買えずに残念だったのですが、ちゃんと別ルートで購入できました(笑)
博物館グッズは遠方の方用にインターネットでも購入可能です^^

で、レジに行くと既にお姉さんが精算かけてレジ締めてました(白目)
申し訳なさ全開になりつつ、笑顔で対応してくれたお姉さんありがとう、ありがとう……次の日の売り上げに回してください……。
福袋は凄く丈夫なトートバッグにグッズが詰め込まれていて、それを肩に下げて大きな博物館を後にしたのでした。
バスに揺られて戻り、博多駅中でおビール飲んで、一日目は終了〜!

……というわけで、一つの記事に納めるのが無理だったので、二日目に続きます。今度は日本号に会いに行きます〜! シューアイスも食べるよ〜

ここまで毎度ながら長々とお付き合い頂きありがとうございました!!

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