【刀剣】大加州刀展と文武の誉れ展へ
なんだかアッという間に8月に入ってしまいましたが、如何お過ごしでしょうか?
本日は、先月7月も末も末に石川県立歴史博物館での「大加州刀展」及び石川県立博物館での「加賀百万石 文武の誉れ〜歴史の継承〜」展に言ってきたお話をば。
滞在時間が両館併せて3時間弱とこれまたタイトなスケジュールでした。
本当はもっとじっくり腰を据えたかったけれど、そこは致し方なし。。
正直、完全に通常の活動範囲内なので、こんな世の中になる前は本当にその辺のショッピングセンターにでも行くが如くフラッと訪れておりましたし、諸事情で毎週通っていた時期もあった金沢なのですが……。
これまた気がつくと1年以上ぶりとなっておりました。。
そして今回も随分と行くの悩んだのですが、平日の夕方ならば人もあんまり居ないだろうと、昼過ぎに出かける事に。
目的地は博物館と美術館だけ、あとは寄り道せずのとんぼ返りです。
直行直帰。
金沢駅の東口、7番乗り場からバスに乗り、しいのき迎賓館あたりのバス停で降りました。
ちなみに金沢でメインの足である北鉄バスさんはICOCA等の交通系ICカードは使えないので注意です。
ICaという独自のやつは使えます。ICOCAはJR系のバスだと使える……のでちょっとややこしいです。。
んで、降りてちょっと進むと、大きい道の正面にこれまた大きい坂が見えます。
ここをえっちらおっちら登った先に目的地が並んでいるというわけです。
特に大変な距離では無いんだけど、夏場はちょっとしんどいかも。。
坂の途中にある看板。
県立美術館・国立工芸館(新しい)・県立歴史博物館は殆ど並んで建ってます。
凄く近い範囲にこういった施設が並んでるのは良いですよね^^
ゆるゆると登りますと、すぐに県立美術館の看板が見え、もうちょっとだけ歩くと赤煉瓦が見えました。バス停から10分弱って所でしょうか。
だいたい午後3時頃に到着。とはいえまだまだ太陽は容赦無い時間帯です。。
初日は大盛況で待ち時間まであったようで、列整理のためと思われるカラーコーンとトラ棒が……。
しかし流石に平日の3時ともなれば、並ぶ人もおらず余裕でした。
とはいえ全く人が居ないというわけでもなく、それなりに良い具合の入りです。
読み通り^^
歴博さんの赤煉瓦の外観。非常に美しいです。
そういえばこの辺の施設に来たのは、意外にも初めてでした。
先述したしいのき迎賓館さん等は、お人形の展示をされていた事があったので入ったことがあるのですが……あとは21世紀美術館も定番ですね。
21世紀美術館は、何年か前に行った「レアンドロ・エルリッヒ展」が凄く良かったな〜……是非またやって欲しい。
うーむ、やっぱりこの外観良い……そしてこの日もとっても快晴^^
とまぁ、外観にウホウホしていたわけですが、歴博さんの閉館は午後5時。
週末は延長という企画も当初はあったようですが、結局無くなってしまって。。
ともかく時間がありませんので、中へ!
で、自動ドア開いて即コラボパネルです(早い)
いやもう、入り口から数メートル……こりゃ刀剣乱舞ファンの方だったら撮影したいだろうし、入り口付近で渋滞するのが目に浮かぶというもの。。
この日つけていたレンズの焦点距離では画角が足りなかったので(それくらい真後ろが自動ドア)全体図だけスマホのカメラでの撮影。
なんだかんだコラボパネル撮る機会が多いなぁと……特に刀剣乱舞コラボを意識して展示に行ってるわけではないのですが(勿論あったらあったで楽しい^^)それだけゲーム内に登場する刀剣の数が増えたという事でしょうか。
本展メインの加州清光。
やはり来られている審神者と見受けられるお嬢さん方も、黒と赤のコーデの服装されている方が見受けられて華やかでした^^
県立美術館の方で展示の前田藤四郎。
この御刀も「京のかたな展」で一度目に触れているはずなのですが、何度も言うように京のかたな展の尋常じゃ無い物量と人の量とそれに伴うテンポの早さから、ほぼほぼ初見と見なして良いような気がします。。
こちらも県立美術館の方で展示の白山吉光。
何度かチャンスはあったものの、どうにもタイミング合わず今回やっと初見となった剣です^^
このパネル向かって右側に物販コーナーがあります。
物販はチケットがなくても入れる場所にありますので、物販だけ利用というのも可能です。
そしてパネル向かって左側には、コラボの描き下ろしのイラストボードが……これはファンはなかなか入り口から動けないよね。。
※ちなみに私はパネルもボードも展示の帰りに撮りました
さて、ようやく進みます。
入り口の左手すぐで手指消毒及び検温を済ませ、ご案内の方が差し示すルートを辿り、まずはチケットを購入します。
大加州刀展はどうやら当日券オンリー、しかも全てコラボチケット。
ヘッダーや一番上の写真にも写っているのですが、なかなかデカいです。豪華。
ちなみに、一応ナンバリングは消しておりますが、2000番よりちょっと前でした。
チケットを受け取って、有料ゾーンへ。
入り口側一方通行のガラス張りの通路を通り、入った先にはど〜〜んと大加州刀展のデカいタペストリーが。
内装も施設外観に負けないくらいとっても素敵です^^
階段の下にチケットのもぎりブースがあります。
チケットは自分で(来館者側が)半券をもぎるスタイルでした。
私も普段チケットをもぎる側の人間なので、今回つくづく実感したのですけど、表示されててもアナウンスされてても、絶対係りの人に一回チケット出しちゃうんですよね〜。。
階段を上がると展示室が右手と左手の二つに分かれており、そのどちらともに御刀や刀装具がみっちりと展示されておりました^^
そして、
今回の展示で音声ガイドを務めている、加州清光役の増田俊樹さんのサインも^^
三井記念美術館の時と同じく「聴く美術」というスマートフォンアプリで自らDL購入して、自分のスマホとイヤホンでガイドを聴く形式です。
私は時間の都合上、展示の時にはガイドを利用しませんでしたが、後ほど家でDL購入して聞きました。
アプリ内で展示物の写真を見ながら聞けるので、都合上美術館に来れない方でも楽しむことが出来ます。
また、コラボというだけあって、刀剣乱舞の加州清光としての音声も収録されているので、清光と博物館にお出かけという設定が楽しめるのもファンにはおすすめです^^
さて、ここからはまたも文章のみで失礼いたします。。
一応この大加州刀展は、撮影不可の表示がある展示物以外は撮影可能という事なのですが、WEB掲載は不可なので今回も御刀の写真はございません。
その代わり素敵な図録(通販も可)がありますので、こちらを是非^^
私は一応自分の覚えのために一眼レフで気になったものだけ数枚撮影しましたが、ライティングとセッティングが神なのでめちゃくちゃ撮りやすかったです……!
こう、図録とは違う、展示されている状態の御刀はまた見せてくれる表情が違うので撮るのはとても楽しいです。
加賀の地の御刀が約80点と、かなりの展示数!
これだけ同じ出身地の御刀が集まるのって凄いですよね。
中には白で数字の書かれた赤羽刀も沢山あり、それらはこの展示のために研磨されて初公開というものも数多くあるんだそう^^
順路的に、加賀の御刀の初期から順番にどんどん時代を下っていくような感じ。
なので展示室に入って一番最初は、独立ケースに展示された、「真景」と「藤嶋友重」の短刀でした^^
このあたりの銘の御刀は結構地元福井でも展示がある事が多いので、割と馴染みが深いです。
個人的には去年「北陸の古刀」展で見た、京博所蔵の加州真景が特に印象に残っています。
今回の展示の真景は秋水美術館所蔵のものでした。
秋水美術館も一度行ってみたいんですよね……。
そして加州刀の黎明期に続いての展示が「清光」です。
案外見る機会が少ないので、こんなに一度に沢山の清光の御刀を見たのは初めて。
やはり有名なのは沖田総司の愛刀を打った、6代目の清光でしょうか。
新撰組に詳しくないし、この6代目清光についてもそんなに知らなかったので今回の解説を見て「随分破天荒な人だな〜^^」と、打った人の事を考えながら見れたのは面白かったです。
貧民救済施設で作刀された御刀。
幕末当時、結構手に入りやすかったんだろうなぁ。
入手しやすく、かつ高性能だったから愛用されていたんでしょうね^^
(図録には沖田総司と愛刀清光のコラムがあって、剣術の観点から書かれていて面白かったです)
個人的に気になったのは清光の太刀でしょうか。
なんとなく太刀の印象が無かったので、清光の太刀があるのはちょっと意外でした。
その後は加賀青江・家次、陀羅尼、兼若と続き、最後の方に拵や刀装具などが並びました。
途中で系譜図の他、剣術指南関連の資料が並んでたのも特徴的でしたね。
剣術の構えの絵図みたいなのもあって、思わず「こういうこと?」って展示室で構えを真似した私です……いや、ちょっと謎のポーズだったのでやってみたくて()
そういえば、全体的に御刀の彫り物はシンプルなものばかりで、リアル系な龍の濃いめの彫り物があった御刀は一口くらいだった気がします。
あと、展示が後半に行くにつれて刃文が華やかになって行ってるのも結構面白かったです^^
兼若のあたりになると箱刃が多くなり、物凄くわしゃわしゃした逆丁子乱れとかが出てきて、パッと見でも派手。
分かりやすく華やかな刃文は面白くて好きなので、写真も結構撮りました^^
あ、でも本展示で一番グッと来たのは家忠の直刃の御刀でしたね……。
どちらかというと私は先述したように、華やかで解りやすい刃文を好むんですけど、強烈に惹かれるタイプの御刀はだいたい直刃調だったりします。。
不思議なことに、惹かれる直刃とそうでない直刃は明確に別れるので、めっちゃ惹かれるか全く惹かれないかのどっちかなんですけど……。
初めて好きになった御刀もそういや直刃調だったな〜。東博の景光。
刀装具の類も、流石は加賀……凄く華やかで美しいものが多かったです^^
貝づくしセットは海に近い加賀的にはマスト。
やっぱり貝づくしの刀装具は普通に欲しくなっちゃいますね……。
刀装具の相場もちょろっと聞いた事あるのですけど、御刀よりは幾分か手が出やすいお値段とはいえ、こういう所に並ぶようなものは全然想像出来ず。。
揃小柄のセットも非常に豪華で、美麗な収納箱(三段)の一段一段に10本ずつ小柄が収まっている欲張りセットなんですが、その30本の小柄がズラ〜〜〜〜っと並んでいるのも圧巻でした^^
そして外せないのが、白澤をあしらった打刀拵の美しくそして可愛らしい事!
特に鞘の模様が可愛いですし、フライヤーにもある瑞獣白澤が所々にいらっしゃってる素敵な拵でした。
厄除けとして拵に使われたとのことで……うーむ、野暮かもしれないけれど、願わずにはおれない、昨今の禍の収束を。。
展示室を出て、階段を降り、出口側一方通行になっているガラス張りの通路を通っている途中に、同じくガラス張りの小さなサロンがあります。
そこにコラボのウォールステッカーが^^
傾斜がけっこうきついので撮るのはなかなか難しかったのだけど、ひとまずぜんぶ撮っちゃうよね。
こういうスタイルのコラボを見るのは初めてだったのだけど、背景が透けてるのはフォトジェニックで良いです^^
博物館を出る前に物販ブースでお買い物^^
と言っても、図録とエコバッグだけなのですが……。。
エコバッグ、今自分で使っているのがそろそろボロボロになってきていたので新しいのを探していたのです^^ちょうど良いなと思って買いました。
図録もなかなかに分厚く見応えがあります。解説もしっかり。
そうそう、館内ではコラボの歴史散歩MAPも1人1冊までで無料配布していました。
色々落ち着いたら行ってみたいところもありますね〜……大手を振って観光で巡れるようになるのはいつ頃からかしら。。
歴史博物館を出ますと、午後4時半を過ぎていました。。
大急ぎで二軒隣の建物(もう立地的にはほぼ隣と言ってもいい)県立美術館の方へ!
歴博さんは午後5時閉館ですが、美術館さんは1時間遅く午後6時閉館なので、滑り込みで「文武の誉れ」展に入ることに。
ほんとすぐ近くなのに(100mかそこらくらい?)大加州刀展に来られた方は意外とスルーされる方が多いらしいこちらの展示。
はっきり言って、展示されているものの内容や格が高いので、絶対見るべきだと思うのですが……やっぱりコラボとかそういうアレがないとアレなのかしら。。
とはいえ前田藤四郎も白山吉光も展示されているのはこちらです。
美術館内に入り、入り口でいつもの消毒&検温。
受付の方に案内されて、エスカレーターで地下に降りた所に展示室がありました。
カウンターでチケットを購入。大加州刀展のチケットを持っていたので200円ほど割引で入れました^^
カウンターのお姉さまに「閉館6時ですけどよろしいですか?」と聞かれ……時間を確認すると5時手前くらい。。
「頑張ります!」とよく解らん返事をして展示室に入りました……。
まぁ、ええ、正直1時間では、足りなかったです(白目)
「文武の誉れ」展は、展示室3室から構成されており、最初の1室目に刀剣や鎧などの「武」関連の展示がありました。
目録を取って中へ入ると、ひろーーーーい展示室に私含めて2,3人……。
いや、確かに、確かに閉館1時間前だけども、こんな時期だけども、目録見て解る通り、重文も国宝もてんこ盛りあるのにこれは……。。
とはいえ、めっちゃゆっくり見れるのに変わりはありません!
ゆっくり見れすぎて、1室目で1時間弱使ってしまい()残りの2部屋駆け足だったのが悔やまれます。。
というわけで、御刀のある第1室「武の誉れ」の話をメインにさせていただきます。
まず、展示物はひろーい室内の壁のケース三方に展示されており、アイランド形式のケースというのは一つもありませんでした。
その順路の最初の一面のケースにずら〜〜っとながなが〜〜っと展示されていたのが、本阿弥光徳の刀絵図(重美)です……!
安土桃山時代、豊臣秀吉の御刀役だった光徳が、実物を前にしてこの絵図を描いていたのだなぁと思うと…………っていうか吉光めっちゃ多いな?
秀吉は本当に吉光好きだったんだなぁ……。
まぁ……吉光そのものが好きだったのか、それに「付随する何か」が好きだったのかは解らないけれど。。
光徳の絵図で印象に残ったのは一期一振と鬼丸国綱でしょうか。
御物のため私は写真でしか見た事が無いし、何より一期一振は焼け身になる前に描かれたものなので、これは凄く見れて良かったなと思います。
で、この二振の絵図を見比べると、一期一振の方が随分と豪壮だったんですよね。
なんとなく印象で鬼丸国綱の方がガシっとしてそうだな、とか思ってたんですけど、一期一振の方がガッシリしてました。ガッシリ。
あと、一期一振じゃなくて「一ふり」って書いてあるのが、なんか可愛かった^^
やはり本に載ってる小さい写真と実物サイズの刀絵図とでは、全然違いますね。。
一期一振は元幅一寸以上だけど、鬼丸は一寸は無いから比べて見るとだいぶ違うんだな〜と思いました。
御物に掲載されてる鬼丸国綱は、身幅とかより綺麗な反りに目がいっちゃうのもあるかも。
ちょっと話は逸れますが、この展示から帰ってきたら家に漫画「本阿弥名刀秘録」が届いていました^^
まさに本阿弥光徳が主人公で、御刀を「鑑定」という方向から描いた作品。
見てきたばっかりの光徳の絵図を思い浮かべながら読めて嬉しかったです!
漫画の内容も凄く良かったので、御刀好きな人は是非……!
(というか、御刀のオーナーさんの間では結構話題になっていましたね)
最近単行本化されたばかりの漫画で、値段も結構するのですが(税込1,650円)オススメです^^
私は読後、少し切ない気持ちになりました……なんだろう、人形とはちょっとニュアンスは違うけど、こう、人の名前が銘として入ってるから、感情移入しやすいんだろうか……。
御刀は明確に「物」だけど、でもなんだろうね、解ってても「人間の汚い所いっぱい見てきたんだろうな〜」とか「一回も佩かれなかったら悲しいよなぁ……」とか、ついウエットな感情を持ってしまいます。。
話を戻します。。
この展示で出されていた刀剣は6口だったのですが、名物・国宝・重文と……まぁエグいラインナップでした……。
正宗・吉光・郷義弘・長光と、非常に分かり易いビッグネームばっかりです。。
中でも籠手切正宗は我が地元朝倉氏由来なわけですが、ここでも正宗の御刀は「凄く切れそう」です……「強そう」ではなく「凄く切れそう」なんですよね。
このニュアンスの違い、解って欲しい。。
「凄く切れそう」なので、必然的に私はこういう刀が怖いです。
大阪の展示でも正宗を見て思ったけど、ほんのちょっとでも触れたらスパッと切れてしまいそうな鋭さを見ていて感じるので、ちょっと怖い。。
いや、まぁ、どの御刀も日本刀である以上すんごい切れるんだろうけども。。
そんな正宗と対極だったのが、初めて見る吉光の剣「白山吉光」でした。
私は今まで「剣」の形状の刃物に特別な感情を抱いていなかったのですが、白山吉光は何故か目にした瞬間ゾワッと鳥肌が立ちました。
怖いとかそういう感じでは一切ないのに、謎の動悸はしたし、鳥肌とか初めて立ったし、本当に謎。
フライヤーやチケットにもメインビジュアルとして明るく写っているのだけど、展示室の照明は暗く、その中で小さな剣は鈍い色で輝いていて、その鉄の肌の綺麗な事……謎の動悸はしつつも離れがたく、見入ってしまいました。
とにかく鉄が綺麗。肉眼でないとあの質感は捉えられない。
真ん中にスッと入った樋を見つめながら、ああ、神聖っていうのかこういうの、と思ったなど……。
刀には無い特有の雰囲気が素敵でした^^
そして「前田藤四郎吉光」
フライヤーの裏面にも小さく写っています^^
私あんまり知らなかったんですけど、2016年までは50年以上一般公開されていなかったんですねぇ……以降はちょこちょこされてると思うんですけど、普通に何十年と公開されないものだったんだなぁと思うと凄く貴重というか……。
そんな前田藤四郎とサシで長時間向き合えたのは本当に有り難かったです。
吉光特有の綺麗なお肌はさることながら、やっぱりチャームポイントは振袖型の茎ですよね^^きゅっと棟側に曲がっているのがなんとも^^
去年見た秋田藤四郎も振袖型ですが、秋田藤四郎と前田藤四郎とでは振袖の反り方も結構違うし、全体から受ける印象も結構違ってました。
彫り物の有無も関係しているかも。
秋田藤四郎は「繊細」で、前田藤四郎は「凛」とした印象かな……。
御刀展示の最後が、白山吉光と同じ白山比咩神社の備前国長船住長光の太刀。
解説読むと、派手な乱れ刃ではなく落ち着いた刃文から長光晩年の作と思われると書かれておりました。
やはり、長船の太刀特有のフォルムは健在で「これこれこのスタイルの良さ! 最高にカッコいい……!」と心の中で静かに荒ぶってました()
日本刀の何処に一番惹かれるのだろう……って考えると、私はどうも「姿」に惹かれる事が多いかなと思います。形の良さ。造形の美しさ^^
もう随分長くなってしまったので御刀関連以外は割愛となりますが。。
そのほかにも甲冑や日本画、石川のと言えばの大きな古九谷など、見所満載でした……。
御刀以外だと個人的には上の写真にも小さく載っています、銅版画の「救世主像」なども凄く綺麗で良かったです。
作者は分からないけれど、聖画を勉強した日本人の作らしいと書かれていたはず。
キリシタン大名・高山右近についてももうちょっと深く色々見たかったんですが、残念ながら第三室に入る頃には閉館10分前のアナウンスが鳴り響いておりました……悔しみ。。
ギリギリまで堪能し美術館を後にしたのですが、途中にあった「文武の誉れ」展のポスターの上にしてあった張り紙で、なんと8月8日まであった会期がこの日で終了となってしまった事を知りました。。なんてこった……。
残念なことに私が本展示の最後の観覧者になってしまったようです。。
そして大加州刀展もこの日以降8月末まで展示室閉鎖になったことを帰ってきてから知るという……。。
私は運が良かったのかもしれないけれど、ちっとも嬉しい事ではありません。
展示のスケジュールは決まっているので、なかなか延長も効かないと思いますし、素晴らしい展示を多くの人が見ることが出来る機会が損なわれるのは、本当に悲しいことです。。
それに、展示のために尽力してくださった方々や何より企画や準備をして来られた会館の方たちの事を思うともう……。。
正直、美術館・博物館のようなほぼ声を出さずに、黙って鑑賞するような場所に閉鎖するほどの重たい規制が必要なのかな……食事を取る場所の制限や時間・人数の制限等守るべきことを守れば良いのではないのかな……と思ってしまう私は浅はかなのでしょうか。。
やはり人が集まる、観光する、それに伴って引き起こされる行動が原因となるから、まずは目的地となる場所を閉鎖しちゃいましょうって事なのでしょうかね。。
まぁ、何はともあれ県の施設は県の決定に従う他ないのも解るので、残念ですけれど……仕方ない、だけど、うーん、勿体ない。。
まだ明るい夕日を浴び、ひぐらしの声を聞きながら、帰りは誰もいないお稲荷さんの鳥居を潜って坂を降り、軽くお参りしてから直帰しました。
何だか締めがちょっと悲しい感じになってしまいましたが、大加州刀展はまだ9月にも少し会期が残されています。
どうか開館して、見に行ける人には是非見に行って頂きたいな。
そしてまた展示の機会があれば良いなと思いつつ……ちょっとでもこの記事で展示の雰囲気が伝わっていれば幸いです。
ここまで見ていただき、ありがとうございました!